「shun」さんのページ

総レビュー数: 60レビュー(全て表示) 最終投稿: 2014年07月14日

7巻まで読了
現時点で少年漫画として満点をあげたい。
成長・努力・熱さ・設定の面白さと幅・画力(構図)において高レベル。
近年では味わったことない少年漫画ワクワクを味わえた。

構図も見やすくキャラ、動きの魅力もあり、かなり読み応えがある。
個人的にはキャラクターデザインにおいて、書き分けやそれぞれの平均点の高さを評価する。
個性が豊かなせいもあるが、(わざとを除き)キャラかぶりが殆ど無く、読んでいてキャラの立ち位置に迷うことがない。
ライバルや敵の魅力も有り、これからの期待感が高められる。
動きもかなりうまくかけており、盛り上がりポイントをわかっている。
読みやすさを含め、アクション漫画として最高峰と感じた。

展開が単調にならず、飽きることなく読み進められる。
主人公の成長も納得がいく速さで、脇役の「個性」の披露と成長のバランスもよく、
無理な引き伸ばしもなく、読者が置いていかれない。
これからより壮大な展開を創り上げていく事が期待できる。

現代の少年漫画として、ぜひ子供に読んでみて欲しい。
作品の完成度の割に、当サイトの漫画レビュアーが少ないのでレビュー。
今の少年漫画のトップとして、読んで損はないと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-02-29 10:19:37] [修正:2016-02-29 10:19:37] [このレビューのURL]

手塚治虫氏のエピソードを集めた短篇集。
幾つかは聞いたことのあるエピソードだったが、当事者を取材して漫画で再現することで
手塚治虫氏の魅力的な人間性をさらに掘り下げることに成功している。
そこまで大きな出来事でなくとも、当事者の目を通した視点と構成の巧さで物語を盛り上げている。

画に関しては、少し古臭い絵柄だが当時を語るに適した古さで味がある。
ギラギラとした漫画家や編集者、漫画創作における狂気と情熱が表現できている。
手塚氏をみんなが思っているイメージと、実際の姿を掛けあわせたような姿で描いており、
手塚ファンとして納得の職人のおっさん感が出ている。
他のキャラも、ちょうどいいデフォルメ具合で漫画に入り込めた。

話の面白さは手塚氏関連のエピソードが面白い事だけが理由ではなく、
作者の着眼点と話の構成、物語の終わらせ方の旨さが際立っていると思う。
半分くらい、手塚氏ではなく取材をした人物を掘り下げる内容になっており、
手塚氏のエピソードだけ見たいという人には、余分に感じるかもしれない。

手塚氏が最も苦労したであろう、ブラックジャック前後以降・アニメ事業に焦点を当てており、
非常に崖っぷち感が出ていて面白かった。
奇人であり漫画の神である手塚氏の人間性を、新たな発見とともに楽しめる名作。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-02-06 13:29:49] [修正:2015-02-06 13:29:49] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

グロテスクな描写を娯楽として受け止めれる数少ない作品。
基本的には異常な性癖やトラウマを持つ登場人物たちの活躍に焦点を当てた内容だが、
敵である垣原の異常性が右肩上がりに上がっていき、この世界では異常性=強さであることから、
最強の敵となって物語の柱となった。敵ながら魅力的な第2の主人公と言える。
最強のMだから強い、というのは理屈は通っていないが説得力が十分にあった。

主人公は、トラウマと現実の融合による悲しみとも言える憎悪が強さの裏付けとなっていくが、
その描写の変質性は作品に引きこむ力が十分にあり、読者はコンダクターであるおっちゃんとともに
イチと垣原の接近を楽しみに読み進めることとなる。
緊迫感と期待で最後まで読ませてくれた。

画力は高く、変態性が損なわれず描写できている。
他では見ないようなサド描写やマゾ描写は、耐性がなければキツイが
人間の秘部を見たように思えて痛快。

構成は見事の一言、歌舞伎町の異常なビルを舞台によくまとめあげたと思う。
終盤はここまで濃いストーリーを展開した割に、あっさりとした結末。
ドギツい読後感がなく、この作品にあったラストだと感じた。

良質なキワモノ作品として、いつまでも忘れないだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-11-06 18:13:57] [修正:2014-11-06 18:13:57] [このレビューのURL]

3クールのドラマのような構成になっており、実写を意識したようなカメラワークも面白い。
いわゆるロボット物ではなく、ロボットを扱った職業漫画となっていて、敷居が低くく、肩がこらない。

話としては本筋は一つで、サイドストーリーがあるという構成。
11-13巻あたりは本筋にあまり関係のない部分となっており、
終盤近くも、ダラダラ続いてしまったという印象。
展開的に矛盾はないものの、もっとすっ飛ばしていける部分もあったように思う。
しかし、最初からすべて計画済みのような構成は見事で、すべて作者の掌の上のドラマのよう。

別にメカデザイン担当がいるようだが、実用的感とリアリティ感がとても丁度良く感じ、
破綻のない物語にとてもあっている。リアリティのあるダサさは秀逸。
キャラクターも、役割をはっきりさせており、無駄な配役が居ない。
敵役の魅力もしっかりとあり、ある意味第2の主人公と言える。
上司のキャラクターなど、おっさんキャラの魅力は抜群で、
敵役内海からは、大人の子供らしさを、
上司後藤からは、大人の達観した大人らしさを味わうことができる。
キャラクターの魅力だけに頼っておらず、構成の一部として機能している。

気の抜きどころもあり、暗い展開ばかりで気が滅入るということもない。
だらけているといえばそうだが、この世界観をどれだけ気に入るかで評価が別れると思う。

安定したストーリーで、ブレが全くない。ストーリー自体は100点をあげていい。
作者特有のゆったり感と、淡々とした構成が物足りない人もいるだろう。
まとまってはいるが、単調とも言えるストーリ展開が人を選ぶことと、
感情が大きく揺さぶられる漫画ではないため、8点とした。

舞台をもっと活かして、ストーリーを破綻させたり、キャラに依った展開を作ったりしても良かったと思う。
メディアミックス作品なので、アニメにも手を出してみようかと思う。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2014-10-09 21:00:21] [修正:2014-10-09 21:00:21] [このレビューのURL]

「この物語はフィクションだが、全ての漫画家がこうであると思って欲しい!」
真実を書いたが、あくまでフィクションと言い切るいわゆる「漫画家漫画」

炎尾燃シリーズのスタートであるこの作品は、作者が当時主張したかった事が表現されており、とても熱い。
その上、熱すぎて面白いというこの作者特有のジャンルを踏襲し、今でも変わらず笑える内容となっている。

正直に言って絵柄や表現は古い。しかし読みにくいことはなく、荒削りな熱血漫画家表現を楽しめる。
何より熱い内容と表現が合っているので良い。

全編にわたって作者の主張が展開されるが説教臭くはなく、作者はこういうつもりで書いている、他の作者もそのハズだ。
と思わせる書き方なので、押し付けがましくはない。作者の偏見は面白いが、こんなのはこの作者だけだと思えるムチャが面白い。
フィクションは交えてるはずだが、ほとんど真実だと信じたくなる、清々しい熱さを感じる。

この作品以降、炎尾燃シリーズは続いていくが、より詳細化、キャラクター化されて延命されていく。
一番温度が高く、濃度が濃いこの作品を読んで、まだこの世界を楽しみたいのであれば、吼えろシリーズに手を出してみては。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-08-22 14:07:31] [修正:2014-08-22 14:07:31] [このレビューのURL]

作者の自伝というか1980年台描写漫画と言える。
当時の芸大の雰囲気や、当時のオタクの雰囲気を、作者のフィルターを通してみることが出来て面白い。

面白さの一つは、作者の分身である主人公を通してオタクの観点を解説するところにあると思う。
現代のビデオやインターネット等の、情報があふれた時代では考えられない情報への渇望が、
熱すぎるほど伝わってくる。もちろん特殊な観点なのかもしれないが、熱すぎて面白い。

あだち充や高橋留美子や原秀則などの才能を開花させ始めた漫画家たちに、自分がやりたかったことを先取られたと落胆するが、
面白さの分析を交えた賞賛と、第三者の未熟者ならではの見下しの観点により、卑屈ではあるが嫌味に感じない。

「俺だけはわかるが実は作者はこういう事を考えているのだ。しかも楽だ。俺にもできる!」(しかしやらない)
基本的にこの流れで話は進んでいくが、今や様式美となっている漫画のテクニックを、
主人公を通して、それを最初にやった素晴らしさがよく分かる内容になっている。

主人公だけだと、落胆→賞賛→見下し→やらない のループで単調になりがちだが、
主人公と錯綜するGAINAX設立メンバーが時代を掴むまでのストーリーを交えて、
2つのストーリーが同時進行し、単調にならないようになっている。
こちらもまた、キャラクターが生きていて面白い。

なかなか前に進まないもどかしさが大きくなってくるが、展開が遅いというよりも
当時の時間を大切に(濃度を濃く)進めていると感じた。

漫画の方程式を崩し始めたニューウェーブ達を、今も楽しめる良い作品になってきた。
当時をリアルタイムに味わっていない私でも、十分に楽しめた。1980年台以前の生まれの方は、なお一層楽しめるだろう。
吼えろシリーズとは違った面白さがある良作です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-08-21 10:59:24] [修正:2014-08-21 10:59:24] [このレビューのURL]

画の癖や描写の凄惨さから見る人を選ぶが、
独特のセリフ回しや、間の取り方、なんとも言えないキャラの魅力で引き込まれる。

終盤、必要性がわからないエピソードがありましたが、
作者のワールドの魅力に取りつかれ、いつまでも見ていたい気持ちになってしまった。

爽快感はないが、読み終わるとやっと終わったと終わってしまったの中間にある、
寂しさを覚えるほどのクセの強さに、惹かれてしまっている自分に気づく。

絵柄の迫力、セリフ回し、間違いなく漫画史に残る作品でした。
慣れるまで我慢して読み進めるのをおすすめしたい漫画。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-07-22 17:11:01] [修正:2014-07-22 17:11:01] [このレビューのURL]

週刊漫画ならではのスピーディさと、次の展開が気になる話の作りが秀逸。
画が単純化されてどんどん鋭角になり、以前のような魅力をそぎ落としてしまったのが個人的に残念。
キャラクターやメカのモデリングが立体的でとても見やすく、アクションシーンの動きと見せ方については一級品。
特に練ってはいないが、ストーリーが破綻しない程度に風呂敷を広げる力がある。
週刊少年漫画のお手本のような作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-07-14 17:25:15] [修正:2014-07-14 17:25:15] [このレビューのURL]

8点 SLAM DUNK

作者のバスケットボールへの愛に溢れる作品。
主人公が破天荒なため共感はできないが、バスケットの魅力に目覚めていくところに、部分的に感情移入できる。
画力も作品の中でどんどん成長し、いかにバスケットをかっこ良く見せれるかという作者の思いが伝わってくる。
中身を濃くしようとして1試合の巻数が延びすぎた終盤の展開を見るに、あそこで終わらせたのは正解。
今となっては序盤の、不良漫画ルートにも道を残しつつのストーリーの部分が余計な部分に感じてしまう。
再開を望む声が強いが、やめた方がいいだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-07-14 17:10:29] [修正:2014-07-14 17:10:29] [このレビューのURL]

8点 寄生獣

背景や人物像など画は得意ではないが、
創造力が高く不気味な雰囲気を創る事ができている。
ミギーの人間への理解を通して哲学的な分野まで到達している。
ストーリーに関してもうまくまとめられ、無駄に引き伸ばさずに完結させたことが素晴らしい。
アクションシーンなど物足りないところもあるが、ストーリーに読ませる力がある。
いくつか間延びしたところがあるのはマイナスポイント。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-07-14 17:08:46] [修正:2014-07-14 17:09:11] [このレビューのURL]