「shun」さんのページ

総レビュー数: 60レビュー(全て表示) 最終投稿: 2014年07月14日

[ネタバレあり]

はっきり言って、中盤以降は惰性で見た。
他のレビューでもある通り、中忍試験までは面白いと思ったが、
それ以降は風呂敷の広げ方と、たたみ方に失敗している。
世界観を急に大きくして、展開を大きく動かそうとしたが、
作者の思いと読者である私にズレがあったように思う。
特にサスケをめぐる友情劇は、もはや理解不能のしつこさであり、
作者が伝えようとしているその重みが、こちらまでうまく伝わってこなかった。
その他の世界観も、スケールを大きくしようとすればするほど、読者置いてけぼり状態になった。

絵はのっぺりとした作画に線画で立体化しようとしているのはわかるし、
複雑なトーンを極力使わないようにしているのかもしれないが、はっきり言って見づらいし、
結果的に作品の魅力を半減している気がする。
構図への挑戦はわかるが、動きに魅力がなくカッコいいシーンがパッととしなかった。
キャラクターデザインもワンパターンで、十尾も含め絵的には少し物足りない印象。

前述のとおり、中盤以降は何もやってるんだかと気持ちが乗らないまま終盤まで駆け抜けた。
ダラダラと戦うのではなく、メリハリをつけてもらわないと、戦いの意味が薄れていくように感じた。
中忍試験まではキャラのアイデアと世界観の広さがちょうどよい範囲だった。
いつの間にかいろんなことができるキャラクター達からは、読者の予想を裏切った展開は作り出せない。
序盤で世界観の構築に成功していただけに、その後続くダラダラとした展開は残念だった。
要は怨みが物語の根底にあり、底が浅い作品となってしまった。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-02-22 10:27:20] [修正:2016-02-22 10:27:20] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

序盤は面白く読めた。顔が怖いが別に不良ではないというだけで、物語をよくここまで続けたものだと感心する。
しかし、中盤以降は勝手に動き出したキャラクターたちに話を進めてもらっただけの、箱庭観察漫画に変貌する。
主人公の顔も段々デフォルメされて、1巻時ままの目次ページの背景の主人公の百面相とは全くの別人に。

途中から画にこだわりが出てきて、綺麗な女性が書きたくて仕方ないんだろうなと伝わってくる。
好きな表情や体の角度、画面構成があるらしく、段々と画的に単調になってくる。
物語もコメディから離れてきて、中盤以降は読むのが辛くなってきた。

アクションが描きたいのはわかるが、面白さと直結しておらず、
個人的には段々上手になってくる画を楽しむだけの漫画になってしまったと思う。
10巻くらいで完結させたほうが、物語的にはまとまっていた。
ギャグ漫画としては5巻で終わって欲しかった。

中盤以降の箱庭感をずっと味わっていたい方なら満足できるのでは。
序盤はギャグ漫画、中盤はバトル漫画、終盤はヒューマンドラマ漫画といったところ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-01-07 15:45:09] [修正:2015-01-07 15:45:09] [このレビューのURL]

明治時代を背景にした、少女が主人公のサスペンスもの。
序盤は主人公である少女が様々な事件に巻き込まれていくといった短編物だが、
終盤は少女の血縁関係にまつわる長編ストーリー物になっている。

個人的には前半の短編物の方がまとまりがあり好みだが、
終盤は鈴子が成長していくさまが描けている。
しかし1エピソードで冗長に感じることもある。

明治の時代背景で作中では違和感を持つことはなかった。
よくこの辺りの時代を扱った作品で、違和感を覚えて冷めたりするので、
その点はかなり優秀。作者の努力が伺える。

女の子は可愛く、あざといサービスカットもないため、
純粋に大人への憧れから恋へと成長していく様を描けている。

主役二人の付かず離れずの関係性を見守る漫画であり、
鈴子は作中幼すぎるため、15歳になった続編もそこそこ気になる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-15 13:59:40] [修正:2014-12-15 13:59:40] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

内容的には、監督主役の野球漫画で、初めて見るタイプであった。
主人公の過去や、部内のメンバーのストーリーは引き込まれるものはあったが、
比較的淡々と物語は進んでいく。この印象は浦沢直樹作のHAPPY!に似ている。
予定調和のように展開し、ある程度のところで着地した。
エースの強さに根拠が足りず、ご都合主義のように感じ、魅力不足だった。
選手が主人公でないせいか、心理描写・キャラの掘り下げに物足りなさを感じる。

描写は野球漫画に不足なし。だが個人的には熱さが足りず、のめり込めなかった。

物語の展開は先が気になる内容で、楽しく読めた。
ただ、後にまで響く構成とは言えず、面白いのに残らないという、いまひとつの印象のまま終わってしまった。
うまく行きすぎたような、山も谷もなかった様に感じた。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-11 14:09:21] [修正:2014-12-11 14:09:21] [このレビューのURL]

5点 嬢王

夜の世界の描き方にリアリティがなく、ヒロインが純真且つ不自然に汚れなさすぎる。
うまく行きすぎている成り上がり感で、ある程度の爽快感はあるが、ふと冷める時がある。
作品としてのテーマが特にないように思え、主人公や彩に魅力がない。
彩が特に大きな努力もなしに、天然の魅力で客を得ていく所は、もう少し捻れなかったものか。
彩がすごく偽善的で、物語に入り込めない。

彩を含み、女の子はみんな可愛く描けていて、画の魅力はある。
画の力で読ませる力はある。

しかし内容は、過去の漫画の一部を切り取り現代版にしたような印象。
女性たちの権力争いに特化したせいで、その他の面白みもそぎ落としてしまった様に感じられ、
しかも彩はそれに固執しているわけではないという滑稽さ。
もっと彩を俗物的に書いたほうが、より魅力的になったと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-11 14:06:45] [修正:2014-12-11 14:06:45] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

序盤は31歳と10歳のお互いの足りない部分を補うような、高めあうような、
二人の成長を見守るストーリーになっており、いかに心を開くか、
依存しあうかの関係性を構築していくさまは面白い。

しかし、ヒロインの同級生達との一方通行ばかりの恋慕は、どうしようもないだけで
進展もなく、ただ心のすれ違いを描くしかなかったように思う。

終盤、ヒロインが中学生・高校生になり、女性として扱うがゆえに
何も出来ないという展開に陥るが、その他の登場人物が真面目すぎて
何も起こらず、そのままヒロインの母の問題を解決することで収束に向かうことになった。

当初ここまで長くするつもりはなかったそうだが、まさにそのとおり
中盤はただ長引かせるだけの展開になっている。
つまらなくはないが、ただこの世界を長く味わっただけという印象。

個人的には、31歳の主人公は現実味が少なく、少し冷めると気持ち悪く感じる。
31歳と10歳の恋というのも、少女期は純粋なものに感じたが、
37歳と16歳の恋となると、別の意味が混在し気持ちが悪くなってくる。
終盤駆け足だったのは正解といえる。

ヒロインはだんだんと成長していくのに対し、主人公はずっと31歳の容姿や中身のままで、
非常に停滞感を感じたが、ヒロインの可愛さで終盤まで読むことが出来た。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-09-30 12:00:00] [修正:2014-09-30 12:00:00] [このレビューのURL]

5点 LOST MAN

サッカーと、その裏にあるビジネスを扱った作品。
サッカーの試合部分に関しては、問題なく面白くかけている。
しかし、主人公のキャラクターの魅力があまりにもない。
全ポジションをこなせる(GKも含む)、フィジカルが強く決定的なパスも出せる。という
能力的には素晴らしい選手だが、その理由が漫画の都合としか思えず、
しかも実力の裏付けが全くない。記憶喪失という設定に甘え過ぎだと思う。
少なくとも、主人公の成長物語ではない。

この主人公の設定により、サッカー漫画ではなく、
サッカーにまつわる裏社会ビジネス漫画として読むことにしても、
第二の主人公である坂崎の狙いも弱く、悪役もそこまで魅力的ではないため、物語に引き込む力が弱い。
特にイングランドで主人公と袂を分かち別行動となってからは、それが顕著。
淡々と裏社会のやりとりを見せられる気分になった。

作画に関しては、安定した画力でサッカー試合描写はうまく描けている。
試合以外のパートも、ヒロインの女の子を使いそれなりに描けてはいる。
しかし作者の過去の作品にあった、物語の展開とともに盛り上がりを見せた作画と比べ、
すべて手のひらの上で転がしたような、手堅い印象を受けた。

全体的なストーリーは、説得力に欠けご都合主義だが、試合部分が面白いため
ところどころ楽しめるポイントはある。
しかし、キャラクター設定とストーリー構成がもうひとつ足らないため、全体としてはB級。

サッカー部分は面白いので、主人公の成長物語として読みたい欲求が出てくる。
おそらく違う角度からサッカーを書きたかったんだろうと思うので、
一作品まとめあげた努力は認めたい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-09-21 14:05:21] [修正:2014-09-21 14:05:21] [このレビューのURL]

5点 焔の眼

[ネタバレあり]

主人公沙羅がひどい目にあっているところを、クロという怪物のような人物の暴力で
カタルシスを得る漫画。対象がクズのような人間のため、罪悪感は全くない。

その状況を作り出すためだけの構成としか感じられず、正直ストーリーは底が浅い。
主人公が逆境に追い込まれ、クロが登場し、すべてを捻り潰す。その繰り返しであった。
そこに理由も背景もなく、ただそういうキャラクターなのだということを受け取ることしできない。

画は少しクセのある丸みを帯びたホラー調で統一感はある。若干の画の気持ち悪さが世界観とあっている。
全体的に上手いとは言えないが、作者が書きたい破壊の描写は気持ちが入っているように感じた。
作者の書く女性に不思議なエロティックさがあり、魅力的に感じた。

荒れ果てた世界観の中で生きる主人公に、ドキドキさせられた部分はあり、
世界観にのめり込ませる力はあると思う。
あとはクロの強さの裏付けであったり、終盤の主人公の覚醒の説得力などあれば、
読後感がもっと良くなったかと想像する。

とにかく深い意味は考えず、少女が危ない目にあいかけるところを楽しめ、
破壊の描写でカタルシスを得れるようであれば、楽しめる作品なのではないか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-09-03 13:58:25] [修正:2014-09-03 13:58:25] [このレビューのURL]

原作のゲームは未経験だが、世界観は十分に伝わった。
しかしヴァルキュリアなる戦士の力の説得力は、正直あまりなかったと思う。
ただ「スゴイ攻撃力・回復力を持った人種」という漠然としたもので、
破壊描写が限定的であったためか、迫力が足らなかった。
ただ、もとがゲームといえば納得できる。そういう存在がいる世界なのだろう。

ストーリーは終盤の強引さが多少気になるものの、及第点。
最後の幕引きはかなり駆け足感を感じたが、物足りないというよりも、
原作のゲームに誘われているような印象を受けた。
ゲーム一本の内容をギュッとまとめたら、こんなものでしょう。

漫画的評価で言えば、可もなく不可もなくな出来といえる。
この漫画で大まかなストーリーは知ってしまったが、原作も少し気になった。
原作未経験でも理解できないところはなかった。
メディアミックス作品としては優秀なのではないか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-08-14 11:25:13] [修正:2014-08-14 11:25:13] [このレビューのURL]

大きな展開があるわけでもないのに、不思議と飽きない。
画力が高いわけではないが、表情豊かで趣深い。
一話完結で、最終ページは余韻が残るような書き方をしているが、
伝えたいメーッセージが弱いため、少し効果が薄い。
考えさせられるわけでもなく、ただ静かに終わっている話も多い。
終始落ち着いた作風で、ストーリーは毒にも薬にもならないが、
主人公のゆっくりとした成長をいつまでも見ていたくなる。

とても評価が難しい。物足りないようで、これでちょうど良いとも思える不思議なバランス。
あちらを立ててないのに、こっちは立った。みたいな印象で、
つまらないとは決して言えない。
点数はつけにくいが、漫画的な評価として厳し目に。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-08-08 14:11:11] [修正:2014-08-08 14:11:11] [このレビューのURL]

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