「shun」さんのページ
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少年、青年、少女、レディースのジャンル問わずに挑戦します。
ネタバレせずに、読んだだけで自分が思い出せるように書くことが目標。
点数は漫画的評価であって、好きか嫌いかの指標にはしないこととします。
構成・画・作品特有の評価点で評価することを基準とします。
歴史的価値も評価には含めますが、今見て面白いかどうかを重視します。
他の方と比べると、点数は全体的に厳し目になっています。
点数の意味合い補足。
3点以下:作品として失敗していると感じる作品。不快感や不満や批判を書かざるをえない作品。
4点:読み終えたが、あまり人に薦めはしない作品。
5点:漫画としてある程度評価するが、あと少しの作品。
6点:読む価値のあるおすすめしたい作品。秀作。
7点:高い完成度の作品。この点数以上であれば、成功している作品と評価する。
8点:読んで本当に良かったと思える作品。何度も読み返す価値のある作品。
9点:名作。個人的漫画史に足跡を残す作品。感動や驚きのある作品。
10点:後世に残したい、自分に大きく影響を及ぼした作品。啓蒙したいと思える作品。
基本的には完結した作品について評価します。どうしても書き伝えたい作品だけ連載中作品も評価します。

7点 僕だけがいない街
タイムリープもの。
1巻の引きこまれ具合はかなりのもの。先を読まずに入られない。
終盤まで飽きさせない展開は、全8巻という巻数を含めとても良くまとまっている。
構成は少年期と現代と、現代の進行時を含めてめまぐるしく展開し
だらけるところが少ない。見ようによっては落ち着きが無い。
話の展開自体は良く出来ており、終盤の小手先感を除けば文句はない。
ただ精神年齢30歳の小学生を超越した現実離れした小学生や
結果的に都合よく展開するご都合主義が多くも感じ、
中盤以降白ける部分もあった。
画は上手な部類ではないが、キャラの書き分け自体はできている。
背景がうまく問題なく描けているため、状況に迷うことはない。
地味にカメラワークも無理なことはせず落ち着いている。
全体的に見るとネタバレが早く、尻すぼみ感を少し感じる。
しかしどんどん明らかになる謎と、変わる未来に引き込まれる展開は見事。
終盤にタイトルと繋げるところはうまく出来たと思う。
個人的には小説のコミカライズ版のように感じて、
真相の闇をもっと深くしたり、最後にもうひと狂わせ欲しかったように思う。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-08-23 13:50:58] [修正:2016-08-23 13:50:58] [このレビューのURL]
7点 のたり松太郎
個人的にかなり気に入っている作品の一つ。
画はあしたのジョー時代よりもかなり落ち着いた様子で、
今見ると古臭さはもちろんあるものの、味のある昭和の書き振り。
そして背景やモブの描写が素晴らしい。
世界観とよくあっている。
主人公のキャラクターはかなり破天荒で、レイプ未遂や土俵での無礼は
人によっては笑えないレベルかもしれない。
主人公としての魅力ははっきり言ってないが、珍獣が何をしでかすか、
どこまで行ってしまうのかを見守る展開になっている。
特に相棒の田中の立ち位置が絶妙で、主人公松太郎の観察者であり、
サポートキャラであり、ライバルキャラにも変貌する。
田中関連のエピソードには何度か泣かされた。
ストーリーははっきり言って退屈。
年間6場所をこなしている力士のバイオリズムは、練習→本場所→巡礼→練習→本場所と
特にそれ以外の起伏を作りにくいことと、作者の作風によって、終始落ち着いて展開していく。
怒涛の展開を求める人には退屈かもしれないが、定点観測しているような、
ベテラン漫画家の落ち着いた話運びに乗せられて、終盤まで見てしまえる。
もちろん昇進に関わる、優勝がかかった場所はきちんと盛り上がるし、
動きの描写もわかりやすく、とても読みやすい。
相撲ということと、ピークの終わった漫画家ということ、
浮き沈みの少ない作品ということで、あまり知れ渡っていないこの作品。
私は何度も読み返すスルメ漫画として、これからも度々読んでいこうと思える作品であった。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2015-04-24 15:49:38] [修正:2016-07-25 11:55:37] [このレビューのURL]
7点 デビルマン
衝撃的な内容であるが、これは明らかに時代と共に楽しむ漫画であり、
連載当時からすると鮮度が落ちている。連載当時の中高生で見た人が一番得をする鮮度重視漫画だと思う。
古典として読む形になったが、当時作者が作り上げたコメディタッチの中に、バイオレンスを大胆に織り交ぜ、
衝撃的な展開と圧倒的なアクションシーンの迫力は、当時の読者を大いに楽しませただろうことは予想がつく。
今見ると古臭さが鼻をついて、読むのが少々辛い部分があるが、退廃的な漫画の元祖として学んだという印象。
現代の漫画がこの漫画を経由して、整理された展開になっているのだと痛感した。
画は作者特有のクセがあり、キャラクターデザインはさすがに古さを感じるも、とても印象的。
暗い世界観を、濃くて重い画と緊張感のある構成で構築できている。
終盤は、漫画界を越えて色々なジャンルの文化界に影響を与えたというのも理解できる衝撃的構成。
作者の狂気と作品の勢い、魂に訴えかけてくる熱いチカラを感じた。
この重厚さで全5巻というまとまりの良さも素晴らしい。できれば連載当時に見てみたかった。
そして、これ以降の作品達の、アイデアの源泉となった事実を大きく評価したい。
しかし、今の私の(できるだけ)フラットな目線で漫画的評価をすると、少し下げざるを得ない。
これは鮮度の落ちた漫画を評価するにおいてしかたのないことで、経典・古典としての評価と相殺した評価をした。
ホラー・バイオレンス・SF漫画の教科書として、漫画ファンなら読むべき漫画の一つであろう。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2015-02-09 11:01:31] [修正:2015-02-09 11:01:31] [このレビューのURL]
7点 放浪息子
女装が気になる男の子と、女性化を拒む女の子が主体の物語。
思春期の多感な時期と、淡い友情や性の目覚め、異性意識など、
端的に言葉で表せない事柄たちを、主人公二人を通して味わった気持ちになれる。
男性の中にある女性への(異性としてではない)あこがれに触れ、共感を覚え。
女性の中にある女性化していく身体への拒否反応を、感覚的にわかった気持ちになった。
画は終始安定しており、作者の持つ個性で十分に世界観は保たれている。
この物語を表現するに当たり、かなり適した絵柄だと感じる。
物語に起伏はあまりなく、登場人物の心理状況を考えなければ、かなり退屈な漫画だと思う。
しかし、無意識下の「単純に異性が好き」という普通の群衆の中でこそ、それ以外の存在の異質さは現れない。
異質な主人公たちを、そういう人達もいて当然じゃないか、と意識誘導されていることに
読んでいる間は気づかなかった。
とくに差別意識があるわけではないが、「何とも思わない」というニュートラルな姿勢を、
実際に身近に「そういう人たち」がいたら演じきれるかどうか・・・演じる?と考えさせられた。
ゲイ・レズといった扱いではなく、心理的に女性寄りという主人公で、
生々しい部分は全くないきれいな世界なので、嫌悪感もなく受け入れることが出きた。
主人公たちが成長していく様を見守れるのも面白さの一つとなっている。
女装男子をいち早く扱った作品として、ブーム(?)の下地にもなったかもしれない。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2015-02-04 14:03:07] [修正:2015-02-04 14:03:07] [このレビューのURL]
7点 CLAYMORE
最後まで物語の世界観を崩さずに、うまくまとめきれた秀作。
キャラクターの成長と広がりはかなり順調に行ったパターンだと思う。
物語の構成は大変良く、無駄なエピソード自体は少ない。
しかし個人的には長すぎた印象。序盤・中盤・終盤全てで少しずつダレる部分がある。
とくに飽きることはなかったが、戦闘シーンが多すぎる印象は受けた。
画力が素晴らしく、見ているだけでも楽しい。
キャラの描き分けに関しては、白髪白眼の女性という縛りを付けた割には検討していると思う。
覚醒者の見た目は個体によって様々だが、デザインセンスは抜群で、物語を肉付けするに当たり
かなり成功している部類。覚醒者の禍々しさがこの物語の魅力と思っている。
アクションシーンも迫力があり、壮大な戦闘シーンが描けている。
シリアスな展開が多く、もっと緩和された部分があっても良かったように思う。
しかし洗練されていく戦闘シーンと、イメージが爆発していく覚醒者を見る面白さが有り、、
ベルセルクと並ぶファンダジーバトル漫画の秀作として、もっと周知されるべき漫画の一つだと思う。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2015-02-04 13:29:44] [修正:2015-02-04 13:29:44] [このレビューのURL]
7点 幽☆遊☆白書
とても安定感に欠けているが、作者がノッた時の勢いは見事。
特に暗黒武術会編の10巻以降あたりはノリにノッて、その後の作風に影響を与えている。
主要キャラを格闘バカ、熱血、知的、クールの4人に決めてからのバランスの良さは、
先駆者ではないかもしれないが、その後の少年漫画の模範になったのではないか。
中盤の魔界の扉編以降は、作者の趣味を全面に出した内容になり、
画の魅力がだんだん増していく。その代わりにこだわりが強くなり、クセが強くなっていった印象。
中盤以降、画は作者が満足するレベルでとどめているので、読者によっては不満足に映るかもしれない。
作者が描きたいものだけを描くと決めたのがこちらにも伝わってきて、雑といえば雑。
それを許容できるかどうかで評価が別れると思う。
序盤1,2巻の霊界探偵編のベタな人情ストーリーを乗り越え、
バトル漫画移行後3?7巻あたりまで成長しつつも迷走を続ける物語に耐えれることができれば、
作者の成長と物語を同時に楽しめると思う。
個人的には作者の成長・過渡期を見れる作品で、非常に楽しめた。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2014-08-18 18:28:40] [修正:2014-12-11 14:45:44] [このレビューのURL]
7点 BANANA FISH
壮大なストーリーの中に織り交ぜられた。アッシュとエイジの友情物語。
謎の合成麻薬バナナフィッシュを追う展開は序盤で終わり、中盤以降は
超人であるアッシュの孤独と苦悩を如何に引き出すかの物語になってしまった。
とは言え、展開の持って行き方にそこまで大きな矛盾は感じさせず、
アッシュとエイジのすれ違いや、一時の逢瀬が物語の本質となっていく。
男娼や少年性愛の描写が多々あり、気持ち悪いジジイがいっぱい登場する。
見る人によってはあざといシーンがあり、不快感がある人もいるかもしれない。
私は大人の世界の汚さと、男女を超えた友情の美しさと捉えた。
描写に無理はなく、女性作家でここまでアクションや銃が描けている作者は珍しい。
主人公も魅力があり、エイジの偏見のない想いに、アッシュが心を許すのもわかる。
終わり方も綺麗であり、女性誌で連載されたサスペンスストーリーものとして、
大きな意味を持つ作品となった。
少々長いが、面白い映画を見たような読後感で満足できた。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2014-12-11 14:08:32] [修正:2014-12-11 14:08:32] [このレビューのURL]
7点 ハイスコアガール
無断使用の件で休載となったので、漫画としての評価を今の時点で評価します。
私は格闘ゲームに傾倒したわけではないが、リアルタイムにゲーム隆盛期を味わった世代であり、
ゲームセンターが大いに賑わったあの時代を生きたので、ノスタルジーを覚えるとともに
ゲームが発展していく時のあの熱さを思い出し、胸が暑くなった。
この時代以降に産まれた世代でも、かつてあった時代を利用した群像劇として、十分に楽しめると想像する。
主人公の自問自答はゲームのキャラクターが主人公に話しかけるという演出で、効果的に行われており、
ゲームで育った世代にはたまらない演出。
主人公はヒロインの代弁者でもあり当時の時代の解説役だが、その瞬間だけ自我が現れ、
非常にドラマチックになり、物語を盛り上げている。
画はホラーチックで歪な造形だが、ゲームにのめり込む無邪気さと感じ取れて逆に良い。
なんといっても眼が印象的で、眼で女性のミステリアスさを表現することに成功してると思う。
女性は未知で不可解なものという、男子目線の世界観があの眼力に現れている。
個人的に、
この作品がきっかけで格闘ゲームやアーケード筐体を再評価されることになれば嬉しい限り。
余談だが、
一部無断使用になってしまったが、例の会社の作品の存在なしにあの時代は語れない。
なんとか良い方向に動いて、作品が存続できるようになることを祈る。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2014-08-15 11:57:37] [修正:2014-08-15 11:57:37] [このレビューのURL]
7点 高校球児ザワさん
完全なる静止画漫画。動きは全くなく、物語に波は全くない。
しかしそこには生々しい高校生がいて、匂いや暑さがある。
野球部あるあると、無骨女子あるある、今どきの高校生あるあるを組み合わせ、
淡々と進む1話完結型の本作は、飽きそうで飽きない不思議な魅力がある。
無駄なコマのようでいて意味のある背景の描写や、自分では思い出せないぐらい
とりとめのない高校生の時の話の内容など、もう戻れない青春時代を想起させるに十分。
物語の視点が、野球部内の「誰か」になることで、特異な存在の主人公をいろんな視点から
見ることが出来、マンネリを防げている。
恋愛要素も(主人公には)ないため、物足りなくもスッキリとした読み応え。
ドラマチックなストーリーがなくとも、十分に楽しめる。
もっと盛り上がりが欲しくなる人もいると思うが、この漫画にはなくて正解だったと思う。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2014-07-24 16:19:07] [修正:2014-07-24 16:19:07] [このレビューのURL]
7点 ヒカルの碁
序盤はファンタジーな展開でありながら、
途中から現実路線にシフトしていき、ファンタジー部分をそぎ落としても面白さを保った名作。
囲碁にまつわる世界の面白さと、主人公の成長やサブキャラの魅力で、
当初の大昔の最強棋士が現在居たらというifストーリーから、うまくシフトチェンジしたのは見事でした。
だんだんうまくなる画力と、動きのない描写を心情を過剰に表現せずに魅力を持たせたのは
作画担当の力を見せつけたという印象。作中でキャラの成長を十分に感じさせられる。
ただ、終盤の北斗杯編は完全に蛇足。最終局の結果以前に必要性を全く感じなかった。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2014-07-22 16:57:43] [修正:2014-07-22 16:57:43] [このレビューのURL]