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8点 寄生獣
ミギーをはじめとする寄生獣たちの思考は、人間の敵として描かれているにも関わらず非常に説得力があり、逆に人間とは何なのだろう?と考えさせられる。
一方で自分たちの社会を守ろうとする人間側の考え方も当然理解できる。
双方の主張を聞くことのできる読者の立場は主人公シンイチの置かれる不安定な状況に照らし合わせることができる。一巻から最終話まで無駄な部分は一切なく、緊迫感を持って読み進めることができた。
「いちばん『悪魔』に近い生物は、やはり人間だと思うぞ…」
物語全体を象徴するこのセリフは人間社会の抱える矛盾を鋭く突いている。
いろんな意味で衝撃を受けた作品だった。
ナイスレビュー: 4 票
[投稿:2007-06-21 04:50:46] [修正:2007-06-21 04:50:46] [このレビューのURL]
0点 RAVE
中身なし漫画の王道。
不死身の仲間たち。
入り込めない世界観。
いろいろパクってる絵。
無駄に浮いている血管。
いやーすごいね。
ナイスレビュー: 4 票
[投稿:2007-05-29 06:48:58] [修正:2007-05-29 06:48:58] [このレビューのURL]
10点 ジョジョの奇妙な冒険
世界観に果てしなく魅了される。
3〜5部はやばすぎる。
3部の緊張感神。
4部のアイデア神。
5部のバトル神。
1〜2部は微妙だけど、
それを余り補っても10点です。
3部から読み始めたのですが、一冊読み終えた後に、
「この世界をあと70数冊味わえるのか・・・」
なんて、とてつもない幸福感に包まれたのを覚えています。
絵柄がイヤ、雰囲気がイヤ、
そう思う人は好きにすればいいと思います。
僕もそんな作品ありますから。
でもジョジョに関しては、
「これを読んでいないなら絶対に人生損をしている!」
本気で、
本気でそう思います。
ナイスレビュー: 4 票
[投稿:2007-01-09 10:39:15] [修正:2007-01-09 10:39:15] [このレビューのURL]
8点 バガボンド
歌手に多いのだけど、自分を侍とか武士(もののふ)とかに例える人を見るとそれは正直どうなのよと引いてしまう。
日本の武士道、西洋でいう騎士道は誇り高い象徴みたいに扱われるが、なぜそのような心得が必要なのか、その元々の理由を知っている人は少ない。これは暗に隠されたのかな?そこまではわからないが、武士道や騎士道は心の最後の防波堤みたいなものです。つまり、戦場で命をかけた究極の精神状態におかれた兵士はどの世界も決まった行動を起こす。犯す、殺す、奪うという行為だ。不快に感じるかもしれないが、これが歴史が語る現実。それを予防する為に昔の人は、心の防波堤として、個人の誇りに訴る武士道やらを作ったのです。だから命をかける必要もない平和な時代の日本で侍とかって言われるとやっぱりどうしても引いてしまう
なんだか作者も軽く侍とかいう人に嫌気がさしていたのかもしれない。武士(もののふ)の頂点を目指そうと血塗られた修羅の道を突き進む武蔵。逆に、誇りある武士道の世界に生きようとするが、怖くて、情けなくて、挫折し、逃げ出す又八との対比は凄く面白い。
この漫画は、武蔵の史実とは随分違う。超有名な剣豪の宮本武蔵の頂点を目指す足跡までの心の葛藤は、同時に作者自身の心の葛藤でもあり、だからまぁ史実からそれちゃうのもしょうがないのかもしれない。作者が迷っていたりテンションが落ちたり上がったりの様は即作品に出ている。逆にそれが、生々しく、残酷さ、誇り、狂気、挫折、そういった武士の生き方を素直に実感できた
バガボンドって意味は英訳で放浪者、意訳すると浪人とか武士を指す言葉でもあったはず。確か・・・
最初は単に強さを求める旅をしている武蔵のことを指してるのかと思ったけど、彷徨い迷う作者自身をも指しているのかと今更ながらに気づいた。
頂を目指す武蔵の、そして作者の心境はどういったものになるのか。逃げずに最後まで描ききって欲しい。
ナイスレビュー: 4 票
[投稿:2006-12-02 19:19:33] [修正:2006-12-02 19:19:33] [このレビューのURL]
5点 夕凪の街 桜の国
難しい。桜の花びらで埋め尽くされたような美しい池にこの点数を放り込むのは実は気がひける。
でも自分の中にある、ある抵抗感がどうしてもいい点数を与えてくれない。
まず、絵。コミックとは絵とストーリーで両輪だが、今の時代にこの絵は辛かった。ストーリーとのマッチングを考えれば問題ないのだが。あと、桜の国、で、ふらり買い物にでた父親がそのまま長距離バスでヒロシマにでて泊まるといういきさつについて家族が大騒ぎにもならない非常識さが日常漫画としては大きな穴に見える。
なにより、「死んでしまえと誰かに思われた傷」がどうしても納得いかず誰もそれに目を向けようとせず語らないヒロシマの人の悲劇。それはわかる。自分たちがもってしまった差別感へのくやしさもわかる、つもりだ。でも、当時、意地悪く言わせて貰えば、日本もアメリカも戦争に参加している国々は皆、どこかの国の顔も知らない誰かに対し間接的に「死んでしまえ」という姿勢でいたはずなのだ。それを、「信じられない事、向けいれられない事」として描くという姿勢に、ある種の抵抗を感じずにはいられなかった。自分の国の兵隊を、勝ってきてくれと旗を振った時点でみなが間接的に加害者であった、それがすべての国にとっての戦争であったと思うから。
ナイスレビュー: 4 票
[投稿:2006-10-15 19:10:19] [修正:2006-10-15 19:10:19] [このレビューのURL]
0点 はだしのゲン
戦争をテーマにした作品の中では最悪。
戦争の悲惨さを描きたいのなら、別の描き方があったと思う。
なぜ戦争がおき、なぜ差別があり、なぜ原爆があるのか、
深く掘り下げないのなら戦争を題材にして欲しくない。
意図的に隠しているのか、全体的に見て偏った主張のもとに描かれ、なんらかの悪意すら感じる作品。
ナイスレビュー: 4 票
[投稿:2006-07-30 22:31:27] [修正:2006-10-08 17:00:00] [このレビューのURL]
5点 HAPPY!
蝶子の性格はリアルだと言えるかもしれないが、僕的にはやりすぎ。
海野幸もあまりに善人すぎて、途中からアホに見えてきました。あれだけ酷いことをされているのに、まったく疑わないのはおかしい。人間としてなにか欠落していると思う。
全巻読んでもカタルシスがほとんど得られないのでちょっとムカつきました。
ただ素直なハッピーエンドじゃないところは嫌いじゃないです。
ナイスレビュー: 4 票
[投稿:2006-07-29 01:43:17] [修正:2006-07-29 01:43:17] [このレビューのURL]
人によって評価が分かれてますね。私はというと・・・4点です。よろしくありません。
何がよろしくないって、これ、マンガでやる必要ないじゃないですか。
マンガにするならプロジェクトXみたいにもっとストーリー性があるのにしたほうがよっぽど意義ありますよ。
対談風景を絵にしただけのマンガに点数をあげろと??
もちろん登場人物のそれぞれが苦悩に満ちた人生を辿って今に至っている、そのことを否定する気は毛頭ありません。どの方も人間的にもすばらしいかたばかりだと思います。
ただ、現在「成功」している人が過去を振り返ったところで、現在「絶望」している人たちには決して届きません。平和な日本の反戦メッセージが中東の貧しい人たちに届かないのと同じです。
それなのに「私の成功体験談」を高々と掲げてそれを『絶望に効くクスリ』と銘打つなんてちゃんちゃらおかしい。
次は市販の風邪薬じゃなくて抗生物質ぐらいのクスリを処方してください先生。
ナイスレビュー: 4 票
[投稿:2006-06-24 18:40:28] [修正:2006-06-24 18:40:28] [このレビューのURL]
1点 バキ特別編SAGA「性」
西原理恵子は青木雄二の描く男女の営みを
「クワガタがまぐわっとる」と表現した。
私はこのバキ特別編SAGAをこう表現したい
「両生類が共食いしてるッッ!!」
ナイスレビュー: 4 票
[投稿:2005-12-06 21:09:04] [修正:2005-12-06 21:09:04] [このレビューのURL]
8点 七夕の国
「寄生獣」を期待すれば拍子抜けするであろう地味なSF物語。
核となる謎やそれを追う展開はあるものの、エンターテイメント性はあまり
なく、主人公も「活躍しない」ことで活躍する能天気な大学生だが、
それを補って余りあるほど想像以上に深く哲学的な作品でもある。
主たるテーマは「主体性」だが、そこから広がる死生観や宗教観を物語に
絡ませていく手法は素晴らしい。特に「窓の外」と言う言葉は、いわゆる
神の領域である不可知なるものを感覚的直感的に捉えた見事な表現である。
また、登場人物たちの行動がそれぞれ示唆に富んでいて興味深い。
立ち止まって考え、力を使う者は死して再生する事を選択し、
立ち止まって考え、力を使わない者はその人生を切り開かんとし、
立ち止まって考え、他に力と自らを委ねた者はあっけなく排除され、
考える事をやめ、流される者たちは畏怖と盲信の檻の中である。
これらの行動を見事にSFと伝奇的な物語とに融合させている。
忙しく生き急ぐ方々にぜひ一度立ち止まって読んでもらいたい。
現代の主体性を欠く風潮に喝を入れるばかりか人生訓から哲学までもが
入った、4巻と短いながらも考えされられる名作。
ナイスレビュー: 4 票
[投稿:2005-10-26 14:15:15] [修正:2005-10-26 14:15:15] [このレビューのURL]