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10点 銭ゲバ
タイトル通り主人公は守銭奴であり、醜く貧乏であるためそのコンプレックスを原動力として凶行に走るという内容ですが、
主人公は金を神として崇拝する一方、無償で愛される事を常に求めています。
貧乏だった事よりも不細工である事の方が劣等感の比重として大きく描かれていると感じました。
同じような不細工女ではなく美女から愛されなければ愛を実感できないため、そのための手段として金をかき集め、逆に金になびかない純粋な存在を捜し求めています。
卑劣、凶悪、強欲、淫乱な主人公ですが、誰よりも純粋な生き様を貫き通し、非常に魅力的に映りました。
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[投稿:2008-07-14 17:44:32] [修正:2010-06-06 18:11:32] [このレビューのURL]
10点 ケイの凄春
小池一夫と小島剛夕のコンビの代表作は、なんといっても「子連れ狼」だが、それに続く不朽の名作はこれ。サムライの筋の通し方が常にテーマである。本編では、証刑一郎と可憐の愛がベースにあるが、公への身の処し方を優先した愛の姿を表現する。貫きたい自我と、悲壮な自己の抑制の姿のバランスが主人公の周辺ならびに読者の魂を揺さぶる。
日本人が美しいと思う精神を見事に表現してくれている小池一夫と小島剛夕の作品は、世界に類を見ない日本固有の文化であり、後世にわたりこの日本の精神文化を分かり易く世界に紹介できるツールに成り得る。
多くの日本人に共感を呼ぶはずの精神世界。思い出してほしい、日本人のこころ。
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[投稿:2010-06-06 06:33:21] [修正:2010-06-06 06:33:21] [このレビューのURL]
10点 寄生獣
10点満点ですが、10万点ぐらい評価したい作品です!
他の漫画と比べられないぐらい群を抜いて凄い漫画です。
100回以上繰り返し読みましたが、未だに「寄生獣」の
すべてを理解出来てないと思います。
本当に濃厚で奥が深く考えさせられる作品です。
数多くの漫画を今まで読み、漫画に関して言えば辛口な私ですが
「寄生獣」は文句の付け所がない完璧な作品だと思います。
たまに、絵が下手など言う方がいますがどこが下手なのでしょうか?
もっとたくさんの方に読んで欲しいし、もっと評価されて欲しいです。
まだ「寄生獣」を読んでない方、必ず読んで下さい!!!
最後まで読んだ後、あなたも「寄生獣」の虜になることでしょう。
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[投稿:2010-06-06 03:03:45] [修正:2010-06-06 03:03:45] [このレビューのURL]
10点 ザ・ワールド・イズ・マイン
宮本、アイリーンが主観的で情緒的な作風であるのに対して、今作は様々な世界とそこで生きる人々を客観的に描いた群像劇になっています。
この漫画の特徴は登場人物それぞれに生命を感じる事ができる点です。
それぞれの異なる表情、理念、行動、クセ等を客観視して細かく描いているためモブでさえキャラが立っており、
数コマだけの登場でもその人達の確かな人生の軌跡を感じることが出来ます。
そうして多種多様な価値観をもった登場人物達によって物語が展開していきます。
普通の漫画では作者の主張を登場人物が作中で発言する事が多く(大ゴマで名台詞然と)、
そのイデオロギーに反するものを倒すべき敵として登場させ結論ありきで物語が展開していきます。
しかしこの漫画では上記のような大ゴマでいかにも至言といった発言をさせた後でも、冷めてしまうような全く反対の意見を出し相対化してしまいます。
つまりこの漫画には作者の主張以外にも多様な価値観が存在しており、指針となるモノローグも殆ど無いため、結論は読者が判断しなければいけないという構造になっています。
もう一つの特徴に徹底したリアリズムが挙げられます。
全編に渡る暴力描写はやたら凄惨な上に、殺される側に感情移入させてから殺すので、一個人の死を強烈に実感できます。
また性描写も成年コミックのようなエロチックに演出されたものでなく、女は間抜け面で蛙のように股を開き、男の尻のアングルから挿入して金玉がブラブラ揺れている所まで俯瞰視点でリアルに描かれています。(全く気持ち良くなさそう)
上記の特徴は非常にアクが強く、合う人には優れた長所になりますが合わなければ丸ごと酷い短所に感じてしまうでしょう。
どちらにしても読むのがかなりしんどい漫画ですが、僕は今まで読んだ中で最もリアルで美しく優れた漫画だと思っています。
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[投稿:2008-07-15 21:50:36] [修正:2010-06-05 20:30:37] [このレビューのURL]
10点 めぞん一刻
この漫画が他の高橋留美子漫画と一線を画しているのは、モラトリアムから脱却している点にあると思います。
うる星、らんまのように「るーみっくわーるど」と総括される世界があり、そこを舞台に毎日を楽しくドタバタと過ごし、新キャラは大抵誰かの関係者、その狭い人間関係内で誰かと誰かがいい感じになったりする。
このいつも変わらず安心できるテーマパークのような特徴は魅力でもある一方、閉鎖的、保守的なモラトリアムだとたびたび揶揄されてきた点でもあります。
このめぞん一刻は一見そういったいつものパターンを踏襲しているようでありながら、実は結婚という確実な終末が初期の段階から明確、という大きな違いがあります。
さらにこの漫画は連載時間と漫画内の時間が連動しており、キャラは歳をとります。ここも他作品と大きく違う点です。
21だったヒロインは最終的には28になり、ダメ学生だった主人公は物語が進むにつれ明確に「成長」します。
この漫画は結末に向けての二人の成長物語でもあるのです。
この漫画の最終回を読み終えた時、ずっと続くはずの物語が完全に終った事を告げられ、読者はここで強制的に作品世界から追い出され、莫大な喪失感を抱えます。
それは一刻館というよりも、この漫画そのものがモラトリアムだったからだと思います。
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[投稿:2008-07-17 23:31:41] [修正:2010-06-05 18:06:53] [このレビューのURL]
10点 ラブリン・モンロー
この漫画は戦争を扱いながらも戦争シーンそのものは殆ど描かれず、戦時下における人間ドラマがメインとなっています。
ナチスは狼、ユダヤは豚、混血アーリアは犬というように登場人物は全て動物にディフォルメされ、各々が違った思想や習性を持ちながら生活している事が非常に効果的に表れています。
前半は暴力や性を原動力とした物語が展開していきますが、後半になるにつれて観念的な展開が増えてきます。
こういう展開は通常、胡散臭かったり青臭くなるところですが、見事に一級のエンターテイメントに昇華されていて、ノンストップで楽しむ事ができます。
動物なんだしいいじゃんと作者の枷が外れたのか、過去作以上に徹底して酷く醜く暴力的なシーンが多いです。
でもそれがあるから、美しいシーンが本当に美しく感じられます。
露悪的でもファンタジーでもなく、汚さも美しさも同一の世界に存在する稀有な漫画だと思います。
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[投稿:2009-05-30 14:51:19] [修正:2010-06-05 17:18:41] [このレビューのURL]
10点 柔道部物語
全巻持っています。
これは名作ですね。
良くありがちな誰もが見たことのない新必殺技的なものがなく本当の柔道漫画として楽しめます。
最大最強のしかも努力の結晶のようなライバルに対し、大天才がこちらも努力を積み重ね挑む。かっこいいです。憧れます。
「努力が報われるのか、勝負の厳しさを思い知らされるのか、見せてもらうぞ」これを名言といわずして、何を名言といおう。
少し熱くなってしまいましたが、コレを読んで皆さんも熱くなって下さい。
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[投稿:2010-05-10 20:48:57] [修正:2010-06-05 09:50:01] [このレビューのURL]