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漫画業界をリアル描こうとしてるのはわかるし、理解もできるのですが正直私は嫌いです。勘違いしないでほしいのは面白くないわけじゃないという点です。個性的なキャラクターやストーリーはそこそこおもしろいです。

しかし、私が不満なのはジャンプ編集部の方です。

まず言いたいのが青年誌でやれよ!!ってことです。(まぁこれはデスノートもですが、少年ジャンプさんもネタがないんでしょうねぇ。)バクマンは少年漫画でやってはいけない禁忌を犯しています。

僕が少年だった当時、連載漫画を毎週ドキドキしながら読んでました。来週が待ち遠しかったのを今でも覚えています。打ち切りという概念を知らなかった私は読んでいた漫画が打ち切られた際におかしいなとは思いつつもピュアな心で「でもこの漫画はこれで完結なんだ、この先生の次回作に期待しよう。」と素直に思ってました。

なのにこの漫画は少年ジャンプを読んでる本当の少年たちに打ち切りだのテコ入れだの途中からのバトル物に変更するだの余計な知識を植え付ける。ハッキリいって最悪です。
大きな子供にはいいかもしれませんが、素直に「この漫画はバトル漫画だったんだぁ。」、「この漫画もう完結なのかぁ、もっと読みたかったなぁ。」と思っている少年たちには余計な知識です。

大人の汚さをこんなところで教えてなんになるの?って感じです。
少年漫画気取るなら少年読者のこと考えて連載してほしい。

純粋に少年ジャンプを読めなくなるし、世の少年が「これテコ入れだよな。」とか「この漫画打ち切りかなぁ。」とか卑屈に漫画を斜め読みするようになるだけでしょ。

青年誌で連載するならなんの問題もないのですが少年誌で連載するというならこれほど酷い漫画もないでしょう。


しかし、実際売れているので実績を評価して一点入れました。


なんか偉そうに書いてしまいました。不快な思いをしたファンの方すいませんでした。ちょっと腹が立ってしまい。申し訳ないです。

ナイスレビュー: 9

[投稿:2011-04-26 10:31:59] [修正:2011-04-26 10:31:59] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

以下の文章は俺、団背広の偏見と思い込み、そしてやり場のない怒りによって書かれたものです。
完全にネタバレしてますし、読むと気分が悪くなるかもしれないので注意して下さい。



俺が滅多なことじゃ0点をつけないのは、稀に殺意に近い怒りを抱くような漫画を目にすることがあるからだ。そういう作品に対する怒りを示すために、俺は0点を取っておいている。
そして俺はこの「隣人13号」に、今初めて0点を与える。

この漫画はいじめられっ子がいじめっ子に復讐する話…ではない。
いじめられっ子が関係ない人間を山ほど殺したくせにちょっと謝られただけでいじめっ子を許す話だ。
「ごめんな」の一言でいいんだって。許すんだってさ。ハァ?
じゃあ今まで散々子供とか友達とか警察とか殺したのはなんだったのよ?十三よ、お前の憎悪はそんなもんだったのか?
そんなクソくだらねぇレベルの憎悪で何人も何人も関係無い人が死んだわけか。いやぁ、いい話ですね。感動しすぎて血管が浮き出てくるよ。

俺が何より許せんのは井上三太がいじめられた、虐げられた人間の気持ちをまったく理解していないのに、それを「理解したつもりになって」主人公にしている点だ。
だいたいなんで復讐するために二重人格になる必要がある?
十三がどんなに優しくても、復讐したくなるほどいじめられたのなら性格が歪んで凶悪になるんじゃないのか?なぜあいつは心が荒まないんだ?頭の神経何本か切れてるんじゃねぇのか?
それにな、十三の仕事場の友達、ありゃなんだ。アニメーター?へぇ、いじめられっ子は全員ああいうガチガチのオタクだと思ってるのかい?下手なセーラームーンの絵書いてさ。いまどき(つってもこれ割と昔の漫画だけど)セーラームーンはないだろうよ。まぁ、オタクに関してその程度の知識しかないんだろうけどな。
ああいう描写でこの作者が間違いなくいじめられた側を馬鹿にしている、自分より下に見ているのがよくわかる。
多分、井上三太はいじめられた側じゃなく、いじめてた側なんだろうな。

ああ、長くなる。もっと言いたいことはあるが箇条書きで済まそう。
・十三がまったく関係無いアパートの隣人まで殺すのがわからん。復讐するなら殺すのはその対象一人にしろよ。
・十三の本当の顔は映画の「ダークマン」ですね。人工皮膚がある世界なんだね、すごいな。
・基本的にドラマがベタすぎ。
・メーテルと麻原似の殺し屋が無駄すぎ。すぐ死ぬし…
・絵がテキトーすぎる。真面目に残虐描写やるんだったら血しぶきくらいちゃんと書け。
まぁざっとこんなところ。
いやぁ、これほどまでに憎悪と敵意を抱いたのは久しぶりだ。読んだあとの怒りをどこにぶつけりゃいいのか迷って悶々としたよ、はっはっは。

最後に。
俺が十三なら、何十回何百回謝られようと相手をブチ殺すけどな。
「謝って済むなら警察はいらん」って言葉知ってますよね、井上先生?

ナイスレビュー: 9

[投稿:2005-05-24 22:52:48] [修正:2005-05-24 22:52:48] [このレビューのURL]

10点 寄生獣

この漫画が不向きな人

・現実的な思考をする人間らしい主人公が嫌い
・この世の中に少しも疑問をもっていない
・「深みのある漫画」の意味がわからない、魅力を感じない
・自分はオタクであり、女が出なきゃ嫌だ、読んでられない
・複線に感動しない 展開とかムチャクチャでいい、絵がうまくて深い考えがいらないマンガしか読まない


当然マンガは万人が読むようにはできていません
一人の人間がストーリーを考え、一人の人間を中心に絵が描かれています
どんなに高評価されているマンガでもそれは変わらないので、読んで後悔する人も中にはいるでしょう

ちなみに10点をつけたのは、複線が秀逸だからとか心理描写が秀逸だからとか、そんな理由だけではありません
自分の定めたテーマに対して、よくある子供だまし的な回答でごまかしたり誰かの真似をしたりせず、しっかりとした反対意見としっかいとした賛成意見をまとめて自分なりの答えを出しているからです
それはなかなかできることではないと思います 頭がいいとか、そんな理由だけでは描けません

ここまでの高評価を受けているのは「絵」や「ストーリー」だけでなく、他にあるのだと思います

ナイスレビュー: 8

[投稿:2009-03-18 14:01:36] [修正:2009-03-18 14:01:36] [このレビューのURL]

9点 寄生獣

例えばHUNTER×HUNTERという作品の評価が賛否両論な一つの要因として、作者・富樫義博の「ものづくり」に対する姿勢が論じられている。

いかに作品の質が確かであろうと、
作り手の姿勢がその作品の持つ魅力・説得力をスポイルしてしまう可能性がある。

という事で、私はこの作品のレビューを書くにあたって、
作り手の姿勢を紹介しようと思う。
(これだけ他者のレビューがあれば作品に対する輪郭は掴めるだろうから)

「ものづくり」に対する作者・岩明均氏の価値観・姿勢である。



「漫画家にも作品に対する考え方がそれぞれあります。人気が続き需要があるうちはいつまでもキャラクターたちに活躍してもらうという無期限進行型と、物語が終了した時がやっと完成であるという作品完成型に分かれると思います。私は後者であり、現在の日本漫画界では少数派になるかもしれません。すなわち『寄生獣』は月刊連載という形をとりながらも長い長い一話の物語であったわけです。」


−完全版8巻の巻末インタビューより抜粋。

ナイスレビュー: 8

[投稿:2008-11-27 23:35:54] [修正:2008-11-27 23:35:54] [このレビューのURL]

10点 レベルE

「構成の模範」とも言うべき作品です。

この作品の凄い所は、何より読者達に最後の最後まで、その作品のオチを読ませない事にあります。一見、超展開のようなオチに見えて改めて読み返してみると、至る所にそうなるように仕組まれておいた伏線の数々を発見する事が出来ます。

これこそ正に構成の妙と言えるものではないでしょうか。しかし勿論それだけではなく、画力の素晴らしさ、セリフ回しの巧みさや語彙量の豊富さ、更には、一つひとつの作品テーマに対する作者自身の勉強意欲なども、作者自身の漫画家としての能力の高さを証明するものではないかと感じています。

実に残念な事ですが、この作品を読んでいると、近年の多くの漫画がいかに薄っぺらいものであるか、つくづく痛感させられます。

ナイスレビュー: 8

[投稿:2008-06-27 20:52:59] [修正:2008-06-27 20:52:59] [このレビューのURL]

4月以来1回もつけたことがない10点をこの作品につけます。
キメラアント編の王の描写がうますぎでした。
小さな力しかなく特出して一つしか能のないコムギ。
それに対して全てを持ち、何もかもを手中に収めるために生まれた王。
この二人のふれあいが常軌を外れています。
王の心理変化を見て読者としてどこかほほえましくも感じます。
しかし、この王は主人公たち人類にとってあくまで忌むべき敵ですし、倒すべき悪です。
絶対的悪として描かれて、そのあとに王に人格を持たせる手法は見たことありません。
見たことあったとしても、ここまで見事に表した漫画はありません。
なお、もちろんキメラアント編以外のシナリオもすばらしいものです。読者のニーズに応えようとして、いろいろ試行錯誤してるところも見られます。
ちゃんとわが道のみを進もうとするところも見当たります。
どのキャラも性格に破綻がなく、また、破綻させることも出来、動かしやすいです。
画力は正直漫画界で随一だと思っています。人間を書くという意味で、しっかりといろんな構図をしっかり描いているからです。
いろいろ、誉める点多いですが、前記したキメラアント編の心理描写がイカレていたので点数アップします。


ーここより個人的見解ー
休載の多さ、雑な下書きを載せることについての意見を述べます。
なお、これは押し付けるわけでもなく、私個人の意見です。

私は休載が多いなどは漫画の点数には影響しないと思います。
例えばH×Hがちゃんと連載終了して、30年がたったとします。
それを見る少年に、30年の歳月をとった私たちが、
「この漫画を読むのは止めろ。この作者はいけすかん」と説教は出来ません。
ジャンプに載っているからいけないとか言うのも関係ないと思います。
他に移ればよい、と言う意見は、逆に言えばちゃんと載れば点数を上げると言う意味にも取れます。
漫画単品を評価するときにこれも関係ないと思います。
私個人はもちろん、雑なまま載って欲しくはありませんし、休載するととても残念に思えます。
しかし、それと漫画の評価は別にします。
もう、なんども読み返してますし、続きを読ませる力は随一です。
「H×H」そのものの評価を低くみるのはそうでいいと思いますが、ストーリー、画質、演出など漫画としてのH×Hはやはり10点です。

ナイスレビュー: 8

[投稿:2005-04-22 01:45:07] [修正:2006-01-30 08:35:28] [このレビューのURL]

幼稚園児のころからこの漫画を読んで育ってしまった僕は、案の定しんのすけの影響をもろに受けてしまった。
この漫画が僕という人格の基盤を作ってしまったといっても過言ではないと思う。
そのせいで今までの人生で損をしたことも確かにあったが、良かったことの方が多いと思う。
まあとにかく僕はクレしんが大好きなわけだ。
大好きでよかった。僕にクレしんを与えてくれた両親に感謝したい。

まあ私の話はこのへんにして、漫画としての感想をひとつ。
最近読み直しましたが、ギャグセンス高ぇなー。
内容は「大人」なので、小さいころ分からなかったギャグなどが今になって初めて理解できて何かお得な気分でした。
下品下品と言われてますが、しんのすけというキャラクター自体は上品なので、嫌悪感を感じるということはあまり無いと思います(最近のムトウユージ監督のアニメの方は普通に下品ですが)。

クレヨンしんちゃんにはこれからも「笑って泣ける」メディアとして成長していってほしいです。



追記:臼井先生が亡くなりました。
びっくりして涙が出て悲しくなって、まるで心にポッカリ穴が空いたようです。

「漫画というメディアを超え魂を揺るがし、人生に影響する作品」

なんだ、

10点じゃないか。

ナイスレビュー: 7

[投稿:2006-04-29 20:17:00] [修正:2015-11-04 11:11:01] [このレビューのURL]

作者本人すら飽き飽きする引き伸ばしはありましたが、それでも
質の維持に粘って、落ち気味程度で完走した凄い作品だと思います。

やはり絵柄が良いですね。丸みを帯びた親しみ易い絵柄ですし、
それで画力が高くて、絵の見易さすらあります。
バトルは迫力満点でもあり。初期のギャグ冒険からバトル漫画
に移行しますが、読んでいる時は違和感感じなかったですし。

後付け設定も連発ですが、初見なら斜め上を行くのが多くて、
「もう詰んじゃったな・・・」と何度思っても、それを切り抜けさせる上手さも凄いです。これによって次回が気になりましたし。
後付けに関しても、悟空、ピッコロの正体など上手く繋げたな
と思われるものも多いです。

他の漫画色々当たって、ドラゴンボール読み返すとその凄まじさ
が改めて分かるような気がします。売り上げは絶対的指針でないと
思いますが、この作品はそれが作品の良さそのものに直結している
と考えても良い作品かと。




ナイスレビュー: 7

[投稿:2010-12-14 01:30:19] [修正:2010-12-14 01:30:19] [このレビューのURL]

漫画をレビューするときに全く別の媒体を例えに使う事がままある。しかしこの漫画レビューサイト自体をたとえて表現するのは珍しいのでチャレンジしてみる事にする。
家庭用ゲーム機なんてどうだろう。

それならプレイステーション3ではあるまいか。
すばらしいグラフィックと奥深いゲーム性、ストーリー性を兼ね備えているソフト(マンガ作品)を提供してくれるレベルの高いハードである。(うんうん)
もちろんまだ成長過程のハードでもあろう。例えばプレステ3はゲーム初心者には少し敷居の高い部分もある。

NEWマリオWiiを楽しんでいる私であるがコアプレステ3ユーザーの知人に言わせると「まだ2Dですか。オカシューさんライトユーザーっすね。」となる。
妻が密かにやりこんでいるWiiFitなど「あれはダイエット健康器具でしょ。ゲームじゃないっすよ。」と言われる始末。
WiiFit凄く売れているのだけれど・・・

そして「テニスの王子様」こそ「WiiFit」的作品なのかなぁ、と考える次第なのである。

「テニスの王子様」通称「テニプリ」。テニスで凄い事をするマンガだ。
しかしよくもまぁ、ここまで叩かれるものだ。まぁ本当に。本当に。

テニプリを夢中で読んでいる息子に意地悪く質問してみた。
「あんな必殺技やこんな必殺技、実際出来る訳ないよなぁ?」
それに対し子供はしれっと
「当たり前じゃん、そんな事。」と言ってのけた。

私の子供の時と同じである。そうなのだ。現実にはあり得ないのを分かった上で楽しんでいる。そう楽しめる。
人面列車トーマスも菓子パン頭ヒーローも楽しめるのが子供の許容量。

そこで輝きを放つのが超人系スポーツ漫画というジャンルなのである。

息子達の間では「イナズマイレブン」というアニメーションが現在流行っている。キャプテン翼をさらにエスカレートさせたような内容の作品だ。
フィールドにペンギンは走り回るしキーパーの手は巨大化する。超人系スポーツは昭和の遺物でなく子供たちの間では今も現役なのである。

ちなみに私もテニプリを充分楽しめた。車田作品を愛でてきた私にとってはテニプリのどこがムチャなのか教えて欲しいくらいなのである。

それで現在の凄まじいテニプリへの逆風は何故なのかを色々考えてみた。

テニプリの逆風その1、読者層とリアリティ

今の漫画はリアリティがもの凄く大切らしい。しかしながら非リアリティを楽しむのが超人系なのだが。
超人系スポーツ漫画の歴史は古く長い。王道といってもいいくらいだったろう。
私の知る範疇でも物心ついた時には巨人の星があった。侍ジャイアンツがあった。アストロ球団があった。ジャンプ80年代ならばリングにかけろやキャプテン翼であった。
そこでバッシング的なモノをあまり感じなかったのは漫画読者は卒業するものであったからではなかろうか。

野球漫画で例えると巨人の星に憧れて大リーグボールをまねして野球ごっこする少年時代。しかし成長すればビールひっかけながらナイターを観るようになる。
マンガは卒業している。自然に。それが遠い昔は普通であった。
しかし今は少年漫画読者の高齢化が。私のようなおじさんもジャンプ読むくらいなので、いわんや20から30代は当たり前に読む。

リアリティを本当に求めるのならプロの試合を観戦するべきで少年マンガに求めるべきではない気がする。
しかし年齢層の高い少年と言えない読者層は非リアリティの少年マンガにもリアリティを求め続けるのだ。

それ故充分楽しんでいる少年少女と楽しめない青年以上という構図が鮮明に浮かび上がっているのがテニプリではなかろうか。
(もちろん納得して楽しんでいる私のような大人もいるけれど)

テニプリの逆風その2、ネットジェネレーション

急速に膨れ上がったインターネット民。ネットは誰でも書き込める。2ちゃんねるの猛威。
そこには人間の健全な社会生活では発せられない闇の部分が激しく照らし出される。

テニプリは最適の題材だったろうか。過去のものではなく現在進行形の連載中だったのも適したか。さらに人気誌ジャンプ。
これ程いじりがいのあるものもなかったろう。少年マンガなぞ突っ込もうと思えばいくらでも突っ込める。その中でも超人系は突っ込みの宝庫。

その知名度にあやかりヒット数を上げようとする輩や、あざけりおとしめる事で日頃のストレスの「ガス抜き」として活用されていった。

もしリングにかけろやキャプテン翼の連載がもう少し遅ければ同じ憂き目にあっていたかもしれない。
この時代に生まれたテニプリはやはり不幸であったのか。

テニプリの逆風その3、漫画雑誌連載という形態

普通に考えると嫌なら読むな、である。しかし漫画雑誌の連載という形態が「ついで読み」する作品を生みだした。
自分のお気に入り漫画を読むついでに読者は他の漫画も読むのだ。そう好きでもない作品までも。これは新しい漫画をヒットさせるチャンスをつくるのに有効な形なのだが一方で惰性で読む漫画をも作り上げた。

漫画は読むのに時間もそれ程かからないのでついには馬鹿にするため、ネットでネタにする為にだけ読む読者を誕生させた。

そんな状況をテニプリは背負ってきているのではないか。

まぁそんな訳でここまで読んだ方にはテニプリはとてもかわいそうな作品に思えてきたかもしれない。
しかしこれだけ書いておきながらそれは全く違うと言いたい。(はえっ!?)
作者は天然だなどという意見も違うと言いたい。私は氏を稀代の戦略家だと思っている。

ここからがテニプリの本当に凄い所であり真実だ。

テニプリの真実1

1990年代ジャンプ本誌の売り上げが激減した事があった。大きな要因の1つがドラゴンボールの終了であった。
そしてその後大人を意識した作品が多く登場。この方向性もダメ押しの一因となったようだ。読者予備軍と言われる小学校低学年への魅力を失う事となったからだ。

大人が自分目線で少年漫画を観て酷評した、いわゆるとんでも作品と称されるものはこの小さき読者達をターゲットに描かれている。
その需要は決して軽んじるものではないのだがマンガは嗜好品、大人とて自分の立ち位置で好き嫌いのみで評価し裁いていく。
テニスの王子様はその部分のカテゴリーをカバーしていたなかなかの実力者であると私は思っているのだが。

少年マンガが大人を楽しませる事はかならずしも正義ではないのではないか。
「少年」の「マンガ」がいびつに歪んできてはないだろうか。

テニプリの真実その2

マンガとは人気商売である。それで生活している漫画家は人気如何で金持ちにもフリーターにもなりうる。
そんな人気商売に不可欠なのはプロモーションである。作者許斐先生はそれが実に上手いし熱心だ。

他の漫画家もおこなっているキャラ人気投票や読者イラストコーナー質問コーナーなど言うに及ばずキャラのクラスメート募集などという一歩踏み込んだものまで行っている。
メディアミックスもアニメ、ゲーム、トレーディングカード、実写版、ミュージカルとなんでもありトリビュートマンガまである。
自分のイケメンも活かしてイベント出演やインタビューも数多くこなしている。

スピルバーグは名監督であるが同時に名プロデューサーでもあった。エンタメの世界において作品をどれだけ効果的に宣伝できるのかという事はとても重要なのだ。
作者は策士と言わざるを得ない。

テニプリの真実その3

これだけ否定的意見がネットで流されれば流石に作者の耳にも多少なりとも入っている事だろう。
モチベーション保つのは大変だろうと思っていたけれどどうもその考えは間違っていたようだ。

しつこく言って申し訳ないがマンガは人気商売である。でこのテニプリは一部の人達にかなり嫌われている。
しかし本当に嫌いな作品を葬り去りたければガン無視すれば良いのだ。
話題になればなるほどその作品は色褪せないし生きながらえる。

現在続編も連載しているのだが、アンチファンやパロディ等悪意も含まれているようなテニプリいじりがこの好調連載を後押ししている部分があるのではではないか。皮肉にも。いやこれも作者の想定の範囲内か。

それはテニプリマジック。

好きなファンだけでなく嫌いな人の関心まで集めてしまう作品。
「手塚ゾーンなんてありえない」と言いつつ読者はテニプリゾーンにハマってしまっているのではないのか?

「菊丸が二人いる!?」ではなく「テニプリは読者が二タイプいる!?」なのである。
好きで読む人とそうでないのに読む人と。

テニプリは「嫌いな漫画」というジャンルでの人気作品ともなっているという実に不思議な漫画なのである。

テニプリの真実 総まとめ

「テニスの王子様」それは多くの少年少女を楽しませたとても評価できる漫画であり、同時に一部の人達から汚物のごとく嫌われている漫画でもある。
とにかく現在少年マンガ読者は年齢、性別等昔に比べ大きく広がっている。小学生が「ゴルゴ13ってなんかキモイ0点」というような対象読者でない正しいといえない方向性の評価がテニプリにも存在するのではないのだろうか。

それと嫌いになるのは自由なのだが腹を立てるようなことはないようにお願いしたい。無理やり読まされた訳ではない。自分で開いた漫画なのだ。
もし腹を立てている人がいたならばそれは怒りではなく嫉妬ではなかろうか。

ある漫画のセリフにある。
多くの罵声の中、不幸や逆境に押しつぶされるものもいれば逆に不幸の中でこそ妖しく輝くものもいる・・・この漫画、非常に罪作りな傑作と言えるのではないか。

越前リョーマは今も我々の度量を試し続けている。

「まだまだだね。」












ナイスレビュー: 7

[投稿:2010-01-31 13:17:54] [修正:2010-05-29 21:55:19] [このレビューのURL]

7点 レベルE

バカ王子と雪隆のボケとツッコミは、エンタに出てる芸人より面白いと思った                                                                                                     

ナイスレビュー: 7

[投稿:2010-02-25 15:08:48] [修正:2010-03-03 00:32:50] [このレビューのURL]

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