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9点 リアル

 第1巻読んだ時、高校のバスケ部の空気感や高橋の人のランク付けとかすごいリアルだと思った。人生の生きづらさがビシバシ伝わってくる。第2巻以降も、自分ではどうしようもできない家庭環境や難病にかかったりと、読んでるこちら側が鬱積する。でも読む手が止まらない。
 なぜなら、作者の構成力、言葉の選び方、メリハリの利いた画のセンスがずば抜けているからだ。読んでいれば必ず琴線に触れる言葉とめぐり合える。そしてなにか動き出さなきゃいけない、このままじゃダメだと思わせる。それは厳しいことかもしれないが、この世界のリアルだ。

 5巻以降は、なかなか前向きにならない高橋のせいで失速するが、作者も語っているとおり、「はい、車椅子になりました。はい、車椅子バスケはじめましょう、という展開にはしたくなかった」と語っていたので、それもそうだなと思いつつ、最後まで付き合おうと思う。

ナイスレビュー: 7

[投稿:2010-01-05 16:39:36] [修正:2010-01-05 16:39:36] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

「いいひと」の読者だった私ですが,この作品は好きになれませんでした.

思わせぶりなモノローグや,記憶のフラッシュバック,ジェットコースター的な展開で引きつけるのは,良いと思います.
しかし,ストーリーが私には合いませんでした.

まず,女性の扱いが良くありません.主人公の事を思いながら,皆不幸になっていきます.青年マンガだからしょうがないのかもしれませんが,男性の私が見ても,男の勝手なエゴを押しつけられている感じがしました.
特に,ヒロインの「ちせ」はその傾向がひどく,兵器である点を除いても「男の妄想」に感じられました.その上,兵器でもあり,ミリタリーやロボット好きな男性の勝手な欲望が生んだ虚像に見えます.

ラストは人類が滅び,主人公は,「ちせ」と二人で生き残りますが,その状況にあまり悲しみを感じていないようです.
私の独断と偏見ですが,このラストは「都合良く完成された虚像の女性といられれば,他人は滅んでも構わない」とも捉えられると思います.

読後にそう考えてしまった私は,背中が薄ら寒く感じられ,残念ながら,嫌な気分になってしまいました.

ナイスレビュー: 7

[投稿:2009-05-01 13:02:10] [修正:2009-05-01 13:02:10] [このレビューのURL]

昔っから大嫌いな作品です。先日、本誌で無事に終わりを迎えたようですが、果たしてこの作品を心から「面白い」と感じて最後まで読んでいた人は一体どれくらいいるのでしょうか。

おそらくこの作品を支えていた人気というのは、面白いという感情から派生していたものではありません。この作品の人気の正体をはっきり言ってしまえば、安っぽいキャラとそれに集まってきた安っぽい読者達です。

もし仮に、この作品がブサイクな人間ばかりで物語が進んでいたとしたら、ここまで長く続いていたでしょうか?おそらくすぐにでも打ち切りになっていたと思います。

要するに、読む側も描く側もどちらもこの作品の「中身」を見ていなかったんじゃないかと思います。

結局この数年間、単純な読者が供給者側の安い策略にまんまと乗せられていただけ、というような気がします。いずれにせよ、傍から見て哀れというに他ありません。

ナイスレビュー: 7

[投稿:2008-03-04 20:13:13] [修正:2008-03-04 20:13:13] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

単身赴任からお父さんが帰ってきたら家は不良のアジトになっていて
母はアル中長女は薬漬けで性的玩具と化し次女は自慰行為を不良に
写真にとられて、としょっぱなから救いがない。
で、お父さんが命を張って我が家の平和を取り戻す・・・という
お安い話にならないのが山本直樹。
一応不良は追い出したもののお父さんががんばって家族を再生しようと
すればするほど家族の絆というものが幻想であることがわかってきてしまうという、深いよ山本さん。
連載当時作家の柳美里が絶賛していたのが印象に残っている。
彼女も家族の絆に振り回された生き方をしていたからであろう。
家族の再生をあきらめてそれぞれ家族が好きなことやってときどき集合して旅行いったりしたりしはじめたときにお父さんは死ぬ。
最期の言葉は「ありがとう」。このためのタイトル。
山本直樹に完敗。

ナイスレビュー: 7

[投稿:2006-05-01 02:17:36] [修正:2006-05-01 02:17:36] [このレビューのURL]

2点 ONE PIECE

アラバスタまでなら面白いが、その後はどうしたという感じ。
ストーリーも作画もキャラクターもセリフも兎に角グチャグチャに盛り込んだ、ヘンテコで煩雑な漫画になり果てた。
喩えるなら、ヤシの実をくり抜いた器に、オムライスとカレーとラーメンとシチューとハンバーグと唐揚げとアイスクリームとチョコを入れて、その上にマヨネーズをぶちまけて、ポッキーを突き刺して海賊旗を付けたような感じ。


【追記】
最近のワンピースの醜態は目に余るものがある。
もはやつまらないとかそういうレベルではなく、作品としての品性まで失いつつある。

バスターコールプロジェクトや、尾田栄一郎に忖度したであろう鬼滅最終巻の発行部数の件(初版発売前に重版手配済みという、意味不明な状況。仮に印刷のキャパの関係があるとしても、初版分でもう少し刷ることは出来るだろう。)など、
手段を選ばずワンピースをNo.1にしようとするムーブは明らかに異常で醜悪である。

もちろんこれらの件に作者が直接的に関与しているわけではないだろうが、尾田栄一郎が自身の漫画家としての格を勘違いして異常に高いプライドを持っていることも、この状況を生んだ一因と言えるだろう(今のワノ国編を自画自賛しているあたり、作者の感覚は完全に狂っている)。

そしてこのような状況はそもそも、国民的少年漫画が存在しなかったジャンプ暗黒期においてその素質を備えたワンピースが、幸か不幸かポストドラゴンボールとして祭り上げられ、成功してしまった結果だろう。
「売上と発行部数」というある種の絶対的な指標において、鬼滅が大流行するまでは完全な一人勝ち状態が20年近くも続いたのだから、
当然作者は自分の作品に疑問を持つこともなく、誰も尾田栄一郎の作品創りに意見はできなかっただろう。
事実20巻そこそこくらいまでは斬新で高レベルな作品であり、少なくともあの時代の少年漫画界においてはポストドラゴンボールに着くポテンシャルはあったと思う。

だからこそ、終盤に差し掛かってこれほどまでに醜態をさらしまくる現状は、非常にキツイものがある。
発表された時代と、作者の能力や運(アニメが失速した時期ににドラゴンボール改がワンピースとセットで放送され持ち直したり)、編集部のマーケティング、読者層などが奇跡的に噛み合ってしまい、
皆がある種の催眠状態のような感じで本作をNo.1少年漫画に押し上げてしまったために起きた悲劇と言えるだろう。

いずれにしても、日本の漫画史上においてこれほど売上と作品の質や品格が釣り合わない作品は、今後現れることはないと思う。

ナイスレビュー: 6

[投稿:2017-07-28 10:43:08] [修正:2020-12-06 00:52:10] [このレビューのURL]

3点 BLEACH

最初の頃は嫌いじゃない。
アクション、ビジュアル主体になってからは酷いです。

全然痛そうじゃない。我慢してるとかじゃなくて、血の出る様子とか、傷の描き方。主人公など特に。
血が「ババババババババ〜」って、音と量だけの問題かと。
要は傷や血も全てが「カッコつけ」の材料にしか見えない。

背景の無さ、コマの無駄なデカさ。
背景白いなぁ。
アクション漫画に大ゴマは大事だと思う。ただ使い過ぎてインパクトもクソも無くなっている。言うなれば絵本。

内容について。

無限能力隠してましたループ。
キャラがいちいちカッコつけた言葉を吐きたがるのですが、言ってることとやってることが矛盾している。

この作品のために、信念を持った有望な若い芽が潰されているのがちょっと信じられない。

作者がこれ以上自己陶酔する前にどっかやってしまうべき。

ナイスレビュー: 6

[投稿:2009-01-31 07:05:49] [修正:2015-05-09 22:18:53] [このレビューのURL]

あくまで自分にとっての感想なのであまり気にしないでもらいたいが、はっきり言って気持ち悪い漫画。

先の数人のレビュワーさんも言っていたが、とにかく中二病的な要素が強すぎる。
自分は中二病っぽい漫画は嫌いではないが、この主人公はまるで格好良くないように思えた。

自分の中で中二病は、2タイプに内わけして認識している。
1つは、空想世界だから実現できる、中学生から見てしびれるようなバカ格好良さ(「デビルメイクライ」的な、少年心をくすぐるようなスタイリッシュさ)。
2つは本当にリアル中学生が日常的に行う下らなくも愉快なやり取りや、鬱屈した思考(碇シンジ君的な感じ)、大人ぶりたい少年が背伸びしているような痛さとでも言える。

後者は中学生キャラに使えば、キャラに奥行きを持たせるためには優れた効果を発揮すると思う。

だが、夕日は大学生だ。大学生にもなってこのノリは相当痛い。
特に序盤でのおじいちゃんがらみの鎖の表現や、さみだれの「忠誠を誓え」「御意」のくだりなんて、俺はドン引きしてしまった。

この中二病っぷりが、良いにしろ悪いにしろこの漫画の最大の特徴であるのは間違いないだろう。
事実、このサイトではそれが受けているようだし、一部の漫画好きの中でも口コミで高い評価を得ているのだから。
だが、逆に言えばこの中二病っぷりについていけなければそれまでの漫画ともいえる。

自分はヤングキングアワーズを毎月買っているが、同期で始まったワールドエンブリオやそれ町と比べると微妙なポジションだったし、三日月登場から後半までは話も破綻すれすれで毎号つまらなく思えた。
画力も低いし、正直後半までは良い要素が見当たらない。

まだ自分の好みに合わなくても、客観的に高く評価できる要素があれば割り切って読めただろうが、そういったものが無いこの漫画の評価は、個人の嗜好によってしか下せないだろう。

ただ、12歳の少年だった太陽の成長にスポットを当てたパートは、素晴らしかったと思う。

ナイスレビュー: 6

[投稿:2011-01-29 10:55:03] [修正:2011-01-29 10:55:49] [このレビューのURL]

「女子高生とか好きだからー!!」 (あずまきよひこ『あずまんが大王』より)

 いつからだろうか、読者が「別に萌え漫画で男キャラ必要ないやん」と認識しだしたのは。異性と絡んだお色気サービスやハーレム展開、ラブコメの添え物でなくともかわいい女の子キャラは漫画においてはそれだけで正義であり、スポーツ、格闘技、麻雀、ロックバンド、それらをただこなすだけでもそれなりの華やかさを飾ることが出来るという方法論の有効性は今や疑うべくもない。
 いや、何もそういう特殊な活動を描かずとも良いのだ。かわいい女の子のどうってことのない日常を描くだけでも(程度の良し悪しはあれ)そこそこの人気は得ることはできる。

 近年こうして女の子日常系漫画が一種のジャンルとして確立され、同時に男性キャラの楽園追放が進行しつつあるわけだが、本作『男子高校生の日常』は、何を血迷ったのかそういう主に女の子漫画で磨かれてきた日常系的な方法論を、男子高校生の世界に逆移植するという神をも恐れる所業の産物である。何という暴挙だろう。腐女子は別にして、誰が好きこのんで可愛げのない男子高校生どもの冴えない日常など敢えて漫画で見ようと思うのか?これではまるで進化の袋小路に陥ったアメリカのリアリティ番組である。

「ムッチムチの男子高校生!!なんだか楽しいようなそれでいて決して楽しくない響きですね」
「先生もそう思う」 (柴田亜美『かなぶん甲子園』より)

 だが、その結果は予想以上に味わい深いものであった。本作は華のない男子校を舞台に、特に部活や恋愛に勤しむわけでもなく、それでも人並みに異性に興味はありバカを磨く時間と妄想力にだけは事欠かない男子高校生達のどうしようもない日常を、それこそどうしようもなさげに描いている。絵はラフでお世辞にも上手くは無い。ストーリー展開やオチのつけ方もかなり投げやりで完成度のバラつきは激しい。さすがに男キャラだけでは華がなさすぎるため同年代の女性キャラも度々登場するが、男子に輪をかけてバカで粗暴でサル山のサルのように描かれているため、恋愛フラグはことごとくへし折られる。とにかくドラマチックな大きな物語への発展を作品の持つどうしようもない重力が必死で拒否しているようでもある。また、リアルな男子高校生の日常と謳いつつも、決してリアルに描かれているわけでもない。(女の子日常ものとそこは同じである)

 けれども、この落ち着きのなさに満ちつつも決して大事に至らない空気感がなんとも言えず懐かしく、楽しい。夕陽の河川敷で恥ずかしいセリフを呟いてたそがれてみたり、道端の棒切れからドラクエ的な大冒険を妄想して悦に入ったり、友人とラジオDJごっこをして収集がつかなくなったり、と本作で描かれる男子高校生達のまぬけな行動の数々にはどこかしら共感できるところがあり、かわいさなど微塵も無いにも関わらず、何故か萌えてしまう。別に萌え漫画は必ずしも女の子キャラでなければならぬいわれは無かったのである。
 そういう痛々しいギャグだけではなく、2巻の通学バスの女子高生のホクロ毛をめぐるエピソードのように、ギャグを越えた清々しい一瞬、バカさの背後に見え隠れするほのかな矜持や優しさを捉えたエピソードもたまに挿入されて良いアクセントになっている。また、本作で一番かわいい女性キャラ(と思う)「タダクニの妹」が、あえて表情を伏せて描くことで超然とした存在感を放っていたりと、男子高校生達のまぬけっぷり以外にも注目すべき演出が散見される。

「日本男児の生き様は 色無し恋無し情け有り」 (宮下あきら『魁!!男塾』より)

 こうして一見無謀に見えるトリッキーな題材を独特の空気感で描いて見せた本作は、作品の格こそそう大きなものではないが一つのエポックメーキングかも知れない。かつて同じ男子高校生であった者としてこのコンセプトは大いに支持したい。いや、同種の作品が量産されるのもそれはそれで困る気はするけど。


「感動したぜ 大概の女はこれでゲットできると思う!」

フッ

「うち男子校じゃねーかよ」 (山内泰延『男子高校生の日常』より)


ナイスレビュー: 6

[投稿:2010-11-07 23:53:18] [修正:2010-11-10 23:07:28] [このレビューのURL]

正直申し上げますとこの漫画に魅力をまったく感じていません。
まさかと思いますが、これを漫画家、ジャンプ編集部をリアルに描いていると思っている方はいるのでしょうか。
だとしたら実によい読者です。
社会に出て数年、年をとったなりに人と出会い、漫画家さん、漫画家の卵さん、出版社の編集者と知り合う機会がありました。
その程度ですが、総合して「バクマン。」を読みますと「うわ、表面のきれいなところだけ抽出したフィクションだ…」という印象です。暴露・・・しているようでしていませんよ。


ではフィクションとして割り切って読むとしましょう。それでも魅力は感じません。
でもこれから夢あふれる若い子供たちには魅力あふれているんだろうな、とは思います。
思春期の根拠の無い「将来自分は有名になる」と信じて疑わない時期にはこの物語は感情移入をすっぽりできるわけですよ。
「亜城木夢斗は苦難の末アンケート一位や売り上げ一位といった「てっぺん」をとる」ことに。
夢に向かってまっしぐら、すごくいいことです。
しかし、この漫画に潜む「売り上げこそすべて」「結果出したもん勝ち」「一番を目指す」、それ以外は負けという描き方、どうなのよ?と思うわけです。(それ以前に大場つぐみのキャラは基本「天才」「愚者」「無害」という非常にうすっぺらい構成なんですが)
売り上げがどうのとか一番がどうのとか、実際そのとおりだろ、と反論する君。若い!そして狭い!
この世界のほとんどの人が「てっぺん」を獲れない人になるわけです。それらが負けとか劣っているとか才能が無いかというとそういうものでもない。(非常に微妙な言い回しですが)
売り上げこそが、一番こそが勝ち。そのガチガチの価値観で「負け」てしまった人たちにはこの漫画はあまりにも冷たいなあと思うんです。

逆に「負け」てしまった人たちだから、「勝者」の物語にフィクションとして感情移入できるのだろうか?


メディアミックスなどで御殿築いた漫画家も数年後は過去の人なんてよくあるわけで(ジャンプ作品もそういうの多いですよ)、「バクマン。」はてっぺんとった後の漫画家としての下り坂の人生をちゃんと描くのかなあ。描いたらもうちょっと点をプラスします。
描かないだろうな・・・それこそジャンプだから。



それにしても最近のジャンプって「友情・努力・勝利・才能(もしくはDNA)」で、夢があるようでない気がする。

ナイスレビュー: 6

[投稿:2010-08-03 18:17:15] [修正:2010-08-04 11:00:04] [このレビューのURL]

3点 BLACK CAT

三分クッキング!!

今日の料理は「BLACK CAT」です。

まずは「COWBOY BEBOP」と「トライガン」をそれぞれ一対一で混ぜ合わせ、薄くのばし焼きます。
そしてソースには「ラグナロク」をといだ物に「FF7」を加えます。
この時に隠し味として「矢吹」を少々加えましょう。
くれぐれも少々ですよ、少々。

さて焼きあがりましたか?
そこにソースをかけて・・・完成です!!

さー召し上がってください。
「(モグモグ)・・・まず〜い!!」

ナイスレビュー: 6

[投稿:2009-01-12 19:59:45] [修正:2010-07-23 11:32:36] [このレビューのURL]

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