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10点 俺節
孤独で、自己主張もままならない一人の少年が、高校を中退し青森から上京、そして好きだった演歌の星を目指す漫画。
汗と涙と時には笑いながら、時には血を流しながら地面を転がり続けて生き抜く全9巻。
演歌の漫画だけれど、この生き様はロックンロールそのもの。
歌う事意外はてんでダメな主人公のコージですが、歌っている時だけは最高にカッコいいのです。その描写の迫力も凄まじい。
演歌なんて、と敬遠せずにロックが好きな人にも是非読んで欲しい。
現実は某ロック漫画の様に上手くはいかないし、才能ある者同士がめぐり合うわけでも無い。ましてや同じ方向を見ることなんて奇跡。
それでも、負けられないんですよ。
笑われようが、馬鹿にされようが、殴られようが、脅されようが、時にはやくざに刺されようが信念は譲れないのです。
無口でいいさ、夢がある
頭三べん下げたなら、五回笑って元を取る
行く道行くぜ!
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-30 15:14:11] [修正:2010-09-30 15:14:11] [このレビューのURL]
10点 SLAM DUNK
もう20年も前の作品になるのに、未だに老若男女問わず支持されるであろう
漫画だと思う。不朽の名作。
バスケ経験者から言わせてもらえば、シュートフォームをはじめとして
試合中の選手のポーズが凄く美しい。バスケを知ってないと書けない。
ストーリーも濃く、内容は燃えるほど熱い。
何度読み返しても鳥肌が立つ場面が複数あるのが凄い、凄過ぎる。
あとはやはり桜木が主人公だったからこそ、ここまでのものになったと
思う。流川が主人公だったらどうなってたことか(笑)
桜木ほど少年漫画の主人公「らしさ」を持った主人公もなかなかいまい。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-27 10:40:16] [修正:2010-09-27 10:40:16] [このレビューのURL]
9点 ダークグリーン
時代を先取りしすぎた異世界ファンタジー。
レビューで他作品を引き合いに出すのはあまりよくないと思うが、先日、映画「サマーウォーズ」を観ていたがあまりのダサさに途中でギブアップした。
この漫画の連載開始の1983年というのは商用インターネットもまだなく、アメリカでCompu-serveというパソコン通信が始まった頃。
そのライセンスを受けて日商岩井・富士通が日本でパソコン通信サービスNifty-serveを始めたのが1987年の事。もちろん当時は画像なんて表示されない文字だけの世界です。
そんな時代に「R?ドリーム」という今の時代のネットゲームを彷彿させる世界を描いていたのがこの作品。
・R?ドリーム内で死んだ人間は現実でも死んでしまう。
・現実に帰れない人も多数おり、その場合植物人間化している。
・現実での記憶、R?ドリームでの記憶を持たない人も多い。
・現実とR?ドリーム内では容姿は一致せず、現実では男性なのがR?ドリームでは女性だったり、多重人格の持ち主はドリーム内では7人の別々の人間として存在したりする。
そんなR?ドリームでの英雄リュオンの正体とR?ドリームが警告する謎を解くうちに現実とリンクしてしていく訳です。
先の「サマーウォーズ」にせよ「.hack」にせよ似たような作品は多いのだけど、ここまで練られた物語はついぞ見られず。
過去の名作として埋もれてしまうのは勿体ないのではなかろうか。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-07 00:03:54] [修正:2010-09-27 10:20:36] [このレビューのURL]
9点 ギャラリーフェイク
漫画らしい面白さを充分に味わえる作品だと思う。
美術というマニアックなものを題材にしている割に、知らなくても読める。
これは「ヒカルの碁」や「スラムダンク」「BECK」などなど
マニアックな題材の名作には欠かせない要素だ。
暇な時に寝転がって、何度でも読める。基本一話完結なので、どの巻から
でも手にとって読める。そういう読みやすさがある。
主人公、ヒロインは勿論、脇役達も良い味を出しているキャラばかりで
好感が持てる。ラモス、フェイツィ、ジャンポール香本、高倉刑事
ニンベン師木戸、地蔵大作、知念、三田村小夜子・・・
天才修復家兼贋作家の主人公、天真爛漫でかわいいヒロインだけでは
ギャラリーフェイクは成り立たない。題材によってそれに合う
魅力的な登場人物が出てくるからこそ話が上手くまとまっていく。
そしていつの間にか、美術品に興味が湧き、美とは何かを考えさせられる
はずである。ウンチク漫画の最高峰とは言いえて妙だ。
唯一残念なのは、やはり絵が雑すぎること。そこでマイナスされてしまうが
それを差し引いても素晴らしい漫画であることに変わりは無い。
青年向けだが、是非とも読んで頂きたい作品である。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-27 10:19:41] [修正:2010-09-27 10:19:41] [このレビューのURL]
8点 テルマエ・ロマエ
2010年9月26日 得点修正(6→8) 加筆あり
14歳の時にヨーロッパを一人旅したのをきっかけにイタリアへ美術留学、そのままイタリア人男性と結婚する傍らエッセー漫画などで活躍する女流作家…。
本作「テルマエ・ロマエ」が漫画ファンの間で話題になった時に上記のような作者ヤマザキマリの略歴を知り、
「うわっ如何にも寒い一行コピーでおなじみのA〇RAあたりで特集されそうな人生だなぁ。」(←偏見)
と思ったりもしたが、そんな作家が選んだテーマが「風呂」だという点に興味を抱いて単行本を買ってみたところ、「その手があったか、ヘウレーカ!」と浴槽から飛び出して全裸のまま走り回りたくなる着眼点の素晴らしさにまずやられた。
日本人の風呂好きは世界的にも有名だが、作者が長年過ごし旦那の故郷でもあるイタリアにかつて栄えたローマ帝国も、また風呂をこよなく愛した文明だった。こうして「風呂」をキーワードに日本(故郷)とヨーロッパ(今の棲家)が結ばれたのだ。
郷土愛は理屈や理論ではなく、感覚的・感情的な部分によってはぐくまれる部分が多いと言われるけど、長年ヨーロッパで過ごした作者がはぐくんだ故郷への思いが、風呂への偏愛という形で爆発しまくっているのが読んでいてほほえましいし、同じく風呂を愛する一日本人として「その通りだッ」と大いに納得もできる。全身で味わう風呂という奴は、場合によっては言葉や食べ物以上に皮膚感覚的に訴えてくるパワーがあり、作者は風呂限定で古代ローマと現代日本を自在に行き来するローマ人ルシウスを通して、なかなか湯船につかる事も叶わない地球の反対側にいる自身の思いを叶えているようにも見える。実際第1話でルシウスが初タイムトリップを遂げた先が、スターウォーズのポスターなどから判断して70年代末~80年代初頭の、作者が渡欧する直前の銭湯だったあたりからもそれがうかがえる。そして風呂にすっかりのぼせあがった作中描かれる「平たい顔族」のジジババ達のあの表情!作者は本気だ。
また、この漫画で良いと思った部分は、単なる「日本の風呂万歳」的なノスタルジーのみに終わる事無く、ローマ文明の偉大さをも描けている点にある。主人公のルシウスは真面目が服を着て歩いているような堅物なローマの風呂設計士で、毎回はるか未来の日本の風呂にタイムスリップして大いにカルチャーショックを受ける一方で、その風呂技術の一端をどうにかローマに持ち帰ろうとし、そして完全移植とはいかないまでもフルーツ牛乳や露天風呂、シャンプーハットなどをローマの技術で再現してみせる。
「ローマ文明はギリシア文明と比べて創造性で劣っていた」と言われるが、作中ルシウスが述べている通り他民族の文明を柔軟に吸収、模倣発展させる事で世界規模の文明を築き上げてきた。(似たような事を言われた民族もいましたね)
ルシウスはそんなローマ市民としての大いなる誇りと自負心を胸に秘め、「平たい顔族」の仕掛ける様々な風呂に裸一貫で立ち向かうのだ。その姿は神々しくさえあり、ローマの精神の最良の部分を体現しているようでさえある。そして…、やはりどこかオカシイ。一種のカルチャーギャップをネタにしたギャグ漫画としても良くできているのだ。特に彼が
「何をするかーっ」
と叫ぶシーンでは毎回笑いそうになってしまう。本人が真面目な分、余計に。
日本とイタリアを「風呂」というキーワードで結びつけた本作の着眼点のよさは上に書いてきたようにただの思いつき以上の奥行きがあり、各方面で話題になったのもうなずける。ある意味「ローマ人の物語」で知られる塩野七生に近い快挙かも知れないが、まだそこまで持ち上げるのは早計かも知れない。もともと本作は同人誌用に軽い気持ちで描いた物が連載の流れに乗ってしまったのだという。初期設定がなまじいいだけに毎回面白いが、このまま今後も新鮮な驚きを与え続けられるかどうか、作者の真の実力が試される。
単行本でしか読んでないため、現在ビーム本誌ではどのような風呂が登場しているかは知らないが、2巻以降に登場する風呂を勝手に予想してみよう。
1.ジャグジー
「この泡を発生させるのに何人の奴隷を使っているのだ?」
2.真冬の露天風呂
「馬鹿な。あえて雪が降る中に屋外で入浴など…」
3.塩サウナ
「何をするかーっ!」
4.ゆず湯
「むぅ、柑橘類をこのように使うとは。食っては吐いて吐いては食うばかりの貴族たちにも見せてやりたい。」
5.ひのき風呂
「総木材製の浴槽だと?まさか平たい顔族とは、絹の道の遥か東方の彼方にあるという、木造文明の帝国だったというのか?」
6.温泉卓球
「この球の材質と製法が分からん。」
7.スーパー銭湯
「夢を見た。後の世の皇帝陛下がこれとよく似た施設をお造りになる予知夢を。」
8.ローマ風呂
「細部に誤りがあるが、われらローマの威光は平たい顔族たちにも及んでいたと見える。初めて奴らに優越感を感じた。」
2巻も楽しみにしてます、ハイ。
以下加筆(2010/09/26)
そんなわけで先日発売した2巻を読んでみたのだが、やはり上記のレビューは早計であった。期待外れ?マンネリ?一発屋?違う。最初のころのような新鮮な驚きこそ無いにせよ、漫画としての面白さはますます増し、作者の実力の確かさを思い知らされた。
ギャグ演出力は格段の進歩を遂げており、「いい年した大人が全裸であれこれ頭をひねる」という本作特有のシチュエーションの馬鹿馬鹿しさ・大げささを更に増幅させている。絵もこなれてきており、女性キャラなども普通にかわいく見えるようになってきた。
上で色々あげてみた勝手な予想は結局2巻においては一つも当たらず、定型的な展開にも関わらず予想のはるか斜め上を行く日本とローマの風呂シンクロの数々に圧倒される結果となった。風呂、恐るべし。
3巻も楽しみにしてます、ハイ。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-05-05 21:59:31] [修正:2010-09-26 01:34:10] [このレビューのURL]
8点 てやんでいBaby
どれぐらいの知名度があるのかよくわかりませんが
個人的にもっと評価されて欲しい作品です。
主人公の星夫をはじめとする赤ん坊が
生き生きと可愛らしく描かれています。
さらに、星夫は元ヤクザの生まれ変わりのため、
可愛らしい外見とは裏腹の中年男性の思考で物事を考えていること、
でも、赤ん坊なので体もロクに動かせず喋れないし、
それに加えてツキの無さから、
やっている事は普通の赤ん坊と変わらないというところが
二重三重のギャップを生み出していて非常に面白いです。
残念なのは、これから星夫はどう成長するのかが気になっていたのに
結局普通の終わり方をしているということと
あと、下ネタも多く、ウ○コネタがかなりあるので(しかもなんかリアルに描いている)ちょっと「うっ」ってなります。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-26 00:09:55] [修正:2010-09-26 00:09:55] [このレビューのURL]
6点 ちびまる子ちゃん
小学三年の時、
初めて買ってもらった漫画でした。
(14巻まで出てた頃)
この漫画を手に取ると、
小学三年から四年の頃が自然と浮かんできます。
おっしゃる通り、
5巻までと6巻からで世界観が変わります。
5巻までは昭和の雰囲気を感じる自伝的な漫画であり、
6巻以降はフィクションの世界が強くなったり(ハワイに行く話など)、個性的なキャラクターが確立されたりと、近年のスタイルになっていっている印象です。
どっちか好きかは、その人によって分かれるところかも。
近年もりぼんで時々掲載しているのは、
国民的漫画(アニメ)の強さを感じると同時に、
今もまる子ちゃんに頼らざるを得ないりぼんのある種の弱さも感じてしまいますね。
個人的にこのコミックスでは、
まる子ちゃん本編も好きですが、「ほのぼの劇場」(ではない短編も)のほうが好きだったりします。
巻数を重ねるごとに減っていくのが残念。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-25 10:46:10] [修正:2010-09-25 10:46:10] [このレビューのURL]
7点 喰いタン
料理や食材の知識を生かした推理が素晴らしい探偵もの。
難をいえば高野の非常識な大食いについての表現が大袈裟すぎて探偵パートとかみあわない。
マンガなのである程度マンガ的表現があるのは良いがやりすぎだろう。
余談。テレビドラマが放映されたが漫画とは全くと言ってよいほどの別物である。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-25 08:00:21] [修正:2010-09-25 08:00:59] [このレビューのURL]
7点 のりりん
作者の漫画らしくない。と言えますが、読んでいると自転車に対する「愛情」がちゃんと感じられる好感の持てる漫画です。正直な気持ちを言うと作者の趣味が自転車だなんて何かの間違いか?とか、なるたるとかぼくらの描いてる人には当てはまらないし虚偽なんじゃないかと疑いましたが(酷)、この漫画を見ていると本当に自転車が好きなんだな。という嬉しさみたいなものを感じます。
作者にはこの路線をきっちり描き切ってほしいと願っています。そう願うだけの魅力・面白さを秘めていると思っていますので。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-23 01:55:26] [修正:2010-09-24 20:26:36] [このレビューのURL]
10点 三つ目がとおる
個人的に一番好きな手塚作品。
三つ目族が残した遺産を、その末裔写楽が、
桁外れの知能「第三の目」で読み解いていく。
彼の存在そのものが時にとんでもないことを巻き起こすが、
その常人離れした頭脳、発言、行動がとにかくブラックユーモアに溢れていて魅力的。
ドジで可愛い、いじめられっこの絆創膏写楽が、悪い三つ目写楽になった途端、
同級生への仕返しをクールにやってのけるところなんか痛快の極み。
あのギャップが堪らない。
遺産を狙う愚かな現代人と対比され、冷徹にすら映る三つ目写楽だが、
実はとっても人間的というところも憎めない。
全編が古代遺跡に絡む冒険で、知的好奇心をくすぐられて面白い。
そこかしこに古代人のメッセージも織り交ぜられ、考えさせられる。
主人公写楽保介とヒロイン和登千代子の名前を、
シャーロック・ホームズとワトソン博士から拝借したというセンスも流石。
名コンビ。
「アブドルダムラル、オムニスノムニス、ベルエスホリマク!我とともに来たり、我とともに滅ぶべし!」
三つ目写楽が、赤い矢印を呼ぶこの決め台詞が好き。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-24 17:48:07] [修正:2010-09-24 17:51:06] [このレビューのURL]