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8点 赤色エレジー
今の時代の漫画やアニメで「突然女の子が現れて同居する羽目になる」という話はほとんどお約束の展開であるし、現実的にも結婚していない男女が同棲しているのはそう珍しい事でもない。
もっと後ろめたかった時代、男女の同棲をテーマに2つの漫画が描かれた。ひとつは上村一夫の「同棲時代」でもうひとつがこの「赤色エレジー」である。
同棲時代がリアルな劇画であるのに対し、赤色エレジーは明確なストーリーもなく日常的な間のコラージュである。
外に出かけると、頭がなく首からインク撒き散らしながら歩いている友人だとか、自分の首を放り投げている大道芸人の呼び込みだとか、主人公の2人以外はファンキーなキャラクターしか出てこない。
林静一は74年からロッテのCM「小梅」シリーズのアートディレクションを担当し、どこか竹久夢二に似た物憂げな和服美人の顔はすっかりCMの顔になった。
以降はCM、絵本やイラストレーションの仕事が中心になる。
余談であるが同名のレコードをヒットさせたあがた森魚によって「僕は天使ぢゃないよ」というタイトルで映画化もされている。
大瀧詠一・鈴木慶一といった音楽の大御所も参加し、びんぼうダンスなどは何でこの時代にこんな斬新な事やってるんだろうと思える。一見の価値があります。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-24 00:51:56] [修正:2010-09-24 00:51:56] [このレビューのURL]
5点 世界の中心で、愛をさけぶ
原作に割と忠実だと思います。
この作品、映画とドラマにもなりましたが、
漫画版は映画やドラマ以上に原作に忠実な印象。
原作小説を読むなら、この漫画を先に読んでもいいかも。
(小説がダメな意味じゃなく)
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-23 23:14:45] [修正:2010-09-23 23:14:45] [このレビューのURL]
4点 クニミツの政
「インフルエンザ編」「農薬編」がなければもう少し高評価できた。
完全フィクションだからこそ、主人公サイドが法律無視したり無茶な展開でも笑えるが、どこぞの教授やら研究家などのノンフィクションを持ち込んだりしたら、「何で漫画の話と現実を一緒くたにしてるの?」と思う。
思想云々以前に、表現したいのであれば権威は持ち出すべきではない。
エンターティメントなのかドキュメンタリーなのかは区別すべきだ。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-21 22:06:04] [修正:2010-09-23 15:41:01] [このレビューのURL]
8点 愛しのアイリーン
このままでは一生結婚できなさそうなどド田舎の農家の息子と
その男に金で買われて結婚するフィリピーナの恋愛物語。
恋愛物語?
違うかも。訂正。
ロマンスの欠片も無い、ド田舎で繰り広げられる泥臭い人間模様を描いた話。
結婚したいからってフィリピーナを金で買う主人公、家族のために金目当てで結婚する花嫁、金のために娘を遥か遠くの国に送る母親、田舎の世間体とシガラミに縛られた挙句、娘を殺そうとすらする姑、日々痴呆が進んでいく父親、etc・・・。
出てくるキャラみんな、どいつもこいつも
最高にエゴイスティックなんだけど、どうしても憎めない。
それは、現実には到底いなさそいうなキャラクターなのに
でも、みんなどうしようもなく人間らしいからだと思う。
新井英樹は、人間をデフォルメするのが天才的に上手い。
それでいて、登場人物たちはみんな紙面からはみ出すほどの
生命力とかエネルギーで溢れてる。
最高に愛すべき最低のエゴイストたちが繰り広げる、珠玉のラブ・ストーリー。
岩男とアイリーンの間に愛は無いけれど、
物語自体は人間愛に満ちてる。はず。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2008-01-27 22:40:21] [修正:2010-09-23 11:48:43] [このレビューのURL]
8点 砂ぼうず
この漫画の秀逸なのはこの漫画に出てくるほとんどの人物が現代の日本人のように甘くなく容赦の無い所、そして読んでいて臭って来そうな世界描写。
最初は砂ぼうずこと水野潅太はあくどい・えげつないといってもまだ可愛げがあった。しかし、巻数が進み何度も生死を彷徨うかのような事態に遭う内にどんどん見事なまでにダークヒーロー化していく。普通だったら嫌悪感とかが出るものであるが、関東大砂漠はそんなに甘い環境では無い。生きる為ならばそうなるであろうという説得力がある。弟子だった小砂こと小泉太湖が主役になっているが、正直水野潅太のままの方がよかったなも、と思います。
後、巻末に載ってある銃や砂漠スーツの設定とかの力の入れ様はプラス。
現時点では作者が病気の為に連載がストップしていますが、いずれは再開して欲しい作品です。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-23 02:51:01] [修正:2010-09-23 02:51:01] [このレビューのURL]
8点 めぞん一刻
「若い未亡人の管理人、浪人生、隣人はピーピング趣味の正体不明の男とバーのお姉さん。ボロアパート」と設定を並べ立てると、官能小説となんら変わらない設定。高橋さんの作品は、うる星やつらしか知らない頃に同じ作者が青年誌でこんな作品もやっている、とその設定を聞かされたときは、あまりのギャップによからぬ期待をしたというか、子供なのに読んでいいものかどうか、葛藤しました。当時は今みたいに情報があふれていないので風評が頼りでしたので、「過激」な設定に踊らされました。で、読んでみたらやっぱり高橋さんの作品だな、という印象でした。うっすら毒を感じさせるものの、設定とは裏腹にエロい、という言葉が無いかのような世界。この辺はうる星やつらと変わらないな、と思いました。違うのはギャップの有無だと思います。浪人して三流大学受かって卒業したものの就職浪人でキャバレーの呼び込みやって、って何もそこまでやらんでも、というとこまでやって、ハッピーエンド。初期から最後の絵の変化もリンクしてギャップを与えていて、「ただいま・・・」といって一刻館に子供つれて帰ってくる、やさしいタッチの絵なんかが絵のギャップのピークだと思います。偶然の産物も含まれていると思うが、うまい。
当時はさんざん読み返しましたので8点としておきましょう。
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[投稿:2010-09-23 02:27:18] [修正:2010-09-23 02:27:18] [このレビューのURL]
7点 ジャイアント
日本ではその力を振るう事が出来ず、自分のスタイルで無いコンパクトなスタイルを強いられていた主人公が、紆余曲折あって日本で野球の出来なくなってしまった為にアメリカに渡ってメジャーリーガーを目指すという話ですが、心優しき主人公・巨峰貢の進む道は正に波乱万丈で、思うように行かない時があってもくじけそうになっても愚直に自分の信じた道・人生を進む姿は、テンプレートだといわれても描写自体が説得力があるので素直に読めた記憶があります。
もう一つ面白いのは、生きる事こそが大事と考える巨峰と散り際こそが大事と思っている(侍みたいな)三島との対比がなかなか面白かかったと思う。三島を最終的には自分の生き方に拘るエゴイストみたいな描写にし、それよりも巨峰の様な生きる事こそが大事だという考えを作者が示したと読んでて感じました。
野球だけならず人生観を示した大木の様な作品だったと。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-22 18:54:47] [修正:2010-09-22 18:54:47] [このレビューのURL]
5点 DEATH NOTE
デスノートのアイデアや、Lというキャラクターは面白いのだが、いわゆる頭脳戦と言われている部分がご都合主義に話を展開しているようにしか思えない。
木を見て森を見ず、というか普通のミステリならあっさりと敵の罠にはまって死んでしまいそう。
まぁ、でもストーリーは最後にきちんと片がついて好感は持てる。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-21 21:37:18] [修正:2010-09-21 21:37:18] [このレビューのURL]
9点 夕凪の街 桜の国
原爆という重い題材を扱った漫画ですが
作者の可愛らしい絵のタッチとキャラクターのおかげで
重くなりすぎず、とても読み易かったです。
先述した、内容と絵のギャップもこの漫画の魅力ですが
この漫画の一番の売りは、ストーリーの魅せ方と構成の上手さにあると思います。
「夕凪の街」「桜の国(一)(二)」の三編から成る物語は
初見では、それぞれが単独した物語のように見えるのですが
読み進めていくと、それがあるタイミングで一つの物語となり
より一層深く考えさせられるものに一変します。
この仕掛けが上手く機能していて、フィクションでありながら
説得力のある、深みのある漫画に成り得たのだと感じました。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-20 23:03:18] [修正:2010-09-21 09:32:41] [このレビューのURL]
10点 少女椿
高得点をつけてはいますが、この漫画、常識人の自覚がある人には決して勧められない。
グーグル検索もしない事をお奨めします。
エロ・グロ・畸形・児童虐待、あらゆるタブーが含まれた漫画です。
にも関わらず、耽美派文学作品のような読後感は異常。
ちなみに1992年にはアニメが作成されています。
J・A・シーザーが音楽やってたりします。
当然ながらTV放映などできません。それどころか児童ポルノ、猥褻物関係で上映禁止までくらっています。もったいない話です。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-20 22:30:43] [修正:2010-09-20 22:30:43] [このレビューのURL]