「s-fate」さんのページ

「若い未亡人の管理人、浪人生、隣人はピーピング趣味の正体不明の男とバーのお姉さん。ボロアパート」と設定を並べ立てると、官能小説となんら変わらない設定。高橋さんの作品は、うる星やつらしか知らない頃に同じ作者が青年誌でこんな作品もやっている、とその設定を聞かされたときは、あまりのギャップによからぬ期待をしたというか、子供なのに読んでいいものかどうか、葛藤しました。当時は今みたいに情報があふれていないので風評が頼りでしたので、「過激」な設定に踊らされました。で、読んでみたらやっぱり高橋さんの作品だな、という印象でした。うっすら毒を感じさせるものの、設定とは裏腹にエロい、という言葉が無いかのような世界。この辺はうる星やつらと変わらないな、と思いました。違うのはギャップの有無だと思います。浪人して三流大学受かって卒業したものの就職浪人でキャバレーの呼び込みやって、って何もそこまでやらんでも、というとこまでやって、ハッピーエンド。初期から最後の絵の変化もリンクしてギャップを与えていて、「ただいま・・・」といって一刻館に子供つれて帰ってくる、やさしいタッチの絵なんかが絵のギャップのピークだと思います。偶然の産物も含まれていると思うが、うまい。
当時はさんざん読み返しましたので8点としておきましょう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-09-23 02:27:18] [修正:2010-09-23 02:27:18]

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