「そのばしのぎ」さんのページ

1巻時点での評価。
バック・トゥ・ザ・フューチャーでマイケル・J・フォックスがチャック・ベリーを演奏するシーンのような内容。

まず、ビートルズのコピーバンドが現代の世界で第二のビートルズになろうと語っている点がすでに意味不明。そういう野心のある人はアーティスト目指すよね。コピーとカヴァーの違い。
コピーバンドの目的はオリジナルに対する愛か、金銭的に雇われたかだろうし。
あ、いや、P-Modelなどはコピーバンドから引き抜きとかしてたっけ。
一時期「平成のビートルズ」と言われた「たま」にしても表面的には何らビートルズを真似た部分はない。
話の展開上なのだろうけど、もう少しマシな理由はなかったのだろうか。
1巻ではタイムスリップしてプロダクションとコネができた所ま。
この後に実在のアーティストとの絡みなどはあるのだろうか?

ビートルズの歴史自体が映画やドラマ化もされているし、フォレスト・ガンプのような例もある。そういった物と比べるとチープな感じがしないでもなく、読んでると彼らはその後東京ビートルズになりました、などというオチがきそうな雰囲気。
(いや、決して東京ビートルズがチープというのではなくて、目指す方向性の話)
ザ・ドリフターズとの競演でもあればそれはそれで面白そうだが。

ビートルズがのし上がれたのは曲や演奏テクだけじゃないと思うんですよね。
ブライアン・エプスタインの戦略やジョージ・マーティンのプロデュースがあってこそだし、当時のファッションとも深い結びつきはあるし。

パクリといえば、アビー・ロードに収められている「カム・トゥゲザー」はチャック・ベリーの「ユー・キャント・キャッチ・ミー」の盗作だとして裁判になった曲。和解の条件のひとつとして「ユー・キャント・キャッチ・ミー」をカバーして収録するという事になった。これがジョン・レノンの「ロックン・ロール」というアルバムに収録されている。
チャックベリー版とカムトゥゲザーを聴き比べると、確かに歌詞は丸々同じ部分はあるし、メロディも似ている部分はある、・・・がやはり別物。
面白いのはこれがレノンバージョンではカム・トゥゲザーに似せたアレンジとなっていて、やっぱりレノンだなぁと思えてしまう。
このアルバム自体、リバイバルヒットした「スタンド・バイ・ミー」を始めオリジナルの作詞作曲は入っておらず、それでいながら時には一番ジョン・レノンらしいアルバムとも言われている。
完コピを目指していてはこの域へは到底到達できまい。

今後の展開で面白くなるかもしれないが、現時点では3点で保留。

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[投稿:2010-09-08 21:50:18] [修正:2010-09-10 07:21:44]