「blackbird」さんのページ

小さな町で祖母の洋品店を継いだ市江。
職人気質である市江は、その人に合った服をイメージし、長く着られるような仕立てをして、何度もお直しをして一生着て貰う。

一方、百貨店に勤める藤井は、市江の服に惚れ込み、何とか量産してブランド化したいと持ちかけるが、軽くあしらわれている。しかし、何度となく市江の服に触れ、お客様の表情を見て、次第に彼女がどんな思いを込めて作っているかを理解していく。

全体的にレトロ感たっぷりのヘタウマ?な絵で、最初は退屈かと思いましたが、じわじわと、少ないセリフ、表情がないような表情に込められた思い、余白の味に引き込まれて行きます。
大きな出来事があるわけではなく、静かな日々の連続なので退屈と感じる人は全くダメで、好き嫌いが分かれる作品でしょう。
うんちくは全くありません。ただ、ぽろっ、ぽろっと、どんな思いで服を作ったかが見え隠れするだけです。

まだ一冊しか読んでいませんが、少しずつ市江の服や市江の事を理解し、市江もまた自分の事を理解しつつある藤井の事を気にかけるようになってきて、今後物語がどう動いていくのか、楽しみです。

安売りの服ばかり買っては処分するのではなく、たまにはきちんとした服を身につけたくなりますね。

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[投稿:2011-04-13 16:12:59] [修正:2011-05-19 20:12:32]