「blackbird」さんのページ

総レビュー数: 185レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年03月31日

幕末漫画は数あれど、中でもこの吉村という一人に焦点を絞っての
描き方は初めてで新鮮。

新選組がどういう集まりだったのか、
「尊王攘夷」がどんなものだったのか、
当時の下級武士達の、将来の希望のなさとやるせなさ。
武士なのか、武士とは言えないのか、自分がよくわからないまま
幼馴染に腹切りを迫られる割り切れない思い。

それがながやす氏の緻密な画力で、ものすごい迫力で伝わってくる。
巧い、巧すぎる。

第二部からは息子や妻の話も加わり、さらに涙無くしては
読めなくなりますね。

原作がしっかりしているので、終わり方も期待しています。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-18 18:34:49] [修正:2011-09-18 18:34:49] [このレビューのURL]

面白いですね。

歴史、特に戦国もので文化、特に茶道、陶芸面から描くことは
ほとんどなかったのでは。
珍しい視点です。
ところどころ、いい勉強になります。

作者独自のキャラ設定、ギャグも、好みがあるけどいい塩梅。

利休がいなくなり、秀吉がいなくなり、
とうとう戦国時代も佳境にさしかかって、
最後はどうやって終えるのかなと、そこがポイントですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-07-24 22:09:26] [修正:2011-07-24 22:09:26] [このレビューのURL]

音速の世界に生きる男たちが格好良かったです。

女性の目から見ると、確かに危険な世界だからやめてほしいと思いつつ、そこに生きる男たちが恰好良くて・・・・。
思い切り情を表に出す神田、クールに決めつつも青く炎を燃やす栗原。
最高の組み合わせでした。

後半に、話も絵も粗くなるので1点マイナス。
柔らかくなった栗ちゃんもいいんだけど、やっぱりもう少しクールにいてほしかったなあ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-05-16 16:56:28] [修正:2011-06-18 14:56:16] [このレビューのURL]

幼少の頃に夢中になりました。
今では当たり前にF1で日本人が活躍する時代ですが、
当時では考えられないですね。

せいぜいスーパーカーブームに便乗した漫画程度かと思いそうですが、
ただのカーアクションではなく、輸血問題が常につきまとう、
人間くさくヒューマニズムあふれた話なので、当時の少年たち
(私は女でしたが)さらにぐっと心をつかまれたのだと思います。

実名の有名ドライバーが多く出てくるところに、ケン・アカバ。
ボンベイブラッドという、稀少の血液を持ちながら、
生死すれすれの世界に生きるケンに、いつでも輸血が出来るような
体制を整えられている。
なんてスリリングでしょう!

非現実的な話といえばそうなんだけど、ドライバーが公道を
血液リレーをしてドライバー仲間を助けるなんて、
本当にドキドキしてかなり引き込まれました。

絵もきれいだし、スピード感もバッチリ。
後になって、「ああ、そういえばあれも村上もとかだった!」と
やはりその構成や画力に納得したものです。

そう、やはり画力はすごいですね!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-06-18 06:58:36] [修正:2011-06-18 06:58:36] [このレビューのURL]

9点 石の花

名作の名高いこの作品を読むのは、なかなか覚悟がいりました。
日本人にはよくわからない、複雑な民族・宗教・言語の入り混じったユーゴ。その近代史、内戦に至る事情と、そこに巻き込まれる国民、
とりわけ若者の苦しい心情を、よくここまで描いたなと感心します。

話としては、前半の丁寧さに比べ、後半なぜナチスの勢いが失速し、
解放されたのかというところがざっくりしているのが残念でした。
でも、多民族国家の複雑さと、それを悪用したナチスの狡猾さは良くわかり、読んでいてため息が出ます。

幸福を求めることがすでにいけないことなのか?と、そんな哀しいことを問いかけなくてはいけない世界が、すでに哀しすぎます。

そんなに絵が際立って上手いわけでもないのかと思っていましたが、そんなことはありませんでした。
ところどころ本当に動き出しそうな場面があったり、自然の中に吸い込まれそうになったり。
コマを見ただけで涙が出そうになったところもあります。

朦朧とした中で森をさまようクリロや、一人死を迎えた老人、
収容所でのフィー、理想を語るマイスナー。
そんな描写に引き込まれました。

簡単に手に取ることはできないけど、一度は読むといい名作と思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-06-02 11:07:18] [修正:2011-06-02 11:07:18] [このレビューのURL]

原爆が残したものの大きさや、哀しみの連鎖が、淡々とつづられるからこそ、どんどんやるせない思いや戦争の愚かさが浮き出てきます。
人間は何をしたいのでしょうね。

普通に、ただ普通に暮らしていたはずなのに、生きて幸せをつかむことがいけない事、と思わせてしまう。
被害者なのに、まるで自分が加害者であるかのように、死ななかった事や誰も助けられなかったことを、自分でずっと責めていかなかればならないというのは、一体何なんでしょう。

原爆を使うと決めた人は、あくまでも戦争を終結するための最終手段で、その為の多少の犠牲はつきものと言い、投下後の惨状は知ってはいたかもしれない。でも亡くなった人だけでなく、生き残った人の心さえも、こんなに何十年も蝕むことは、これからも知ろうとはしないでしょう。

それにしても、原爆症に苦しむ人の話も知っているはずなのに、こんなに急激に発症して、あっという間に死んでしまうなんて。
被爆した人たちが常に怯え、発症するとなすすべもなく受け入れ、死を迎える。正に人生や世界がすべて狂わされてしまったとしか言えません。

まだ自分もだけど、日本人が知らなければいけないことがあると思いました。好き嫌いはあっても、読むべき作品。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-05-24 18:49:50] [修正:2011-05-24 18:49:50] [このレビューのURL]

最初は伏線がどうなっていくのか、行く先が全く読めませんでしたが、
最後にはよくぞこれをまとめたなあと感心しました。

壮大な大河ドラマですね。
この作者は長編をきれいにまとめますね。
長いからといって絵に乱れもなく、安心して読めます。
主人公がすごいのは当たり前(?)ですが、女性の芯が強い。
沢山出てくる人物ですが、どれも魅力的なキャラです。
中でも甘粕氏・・・さすが超クセ者です!(笑)
物語に厚みを持たせてくれます。

ただ、やっぱりとっても長いので、気合入れないと全巻はなかなか読み返せません!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-06 23:48:18] [修正:2011-05-09 15:47:22] [このレビューのURL]

少女マンガ系、スポ根サクセスストーリーの王道。

バレエをいつの間にかやめてしまった高校生の愛子が、神崎の踊りに賭ける情熱に触れ、踊る楽しさを思い出す所から始まる。
さらに本場NYでダンスに触れ、その魅力に憑りつかれ、やがてただ楽しいだけでなく、プロとして認められたいという強い思いを抱くようになる。

その間に、友情や仲間といった「青春」ぽさや、同じ道を目指しながら才能を意識しあう嫉妬という醜い感情、挫折、そして恋愛などが程よく混ざり合う。
都合よく成功の階段を駆け上るだけではなく、色々な思いが交錯し涙を流しながら踊り続ける愛子の姿に引き込まれてしまう。

執筆当時のディスコや、ダンスチームなど、古いところがあるのはご愛嬌。
ただ、結末がわかっていても何度も読み返しては、若さや才能がある事への羨ましさを改めて感じられる、きらきらした作品。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-04-10 23:02:52] [修正:2011-05-07 23:15:39] [このレビューのURL]

第一部のあまりに衝撃的なラストから比べると、ローザンヌに挑戦するときの様子を回想風に描いているのが、とても穏やか。

展開的には、またここで?とちょっとパターン化したように感じたのが残念ですが、そこはさすが。
六花がコリオグラファーとしての片鱗を見せていくところは、心から応援したくなりました。

第三部、あるのかな。ここで終わりかな。
拓人君も気になっています。
ぜひ続きを読みたいです!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-03-31 01:04:57] [修正:2011-05-07 23:12:18] [このレビューのURL]

原作は読んでいないが、雰囲気をそれほど損ねず、いい感じの漫画化となっている様子。
原作者がそこまで考えていないことも絵にして見せないといけないので、原作がしっかりした文学を漫画化するのは結構大変かも。

谷口氏の絵柄や雰囲気と、先生と元教え子の微妙な空気感がとても合っていて、ツキコさんの言う「センセイから出る放射」的な暖かさのようなものが伝わってくるよう。

感情がなかなか外に出ない(出せない?)センセイが、時々ちょっと違うテンションになる時、自分でも気持ちを持て余しているのかな、自信がないのかなと、老齢なのに不思議な感じ。逆にブレーキをかける力が強くなるから、時々溢れてしまうような。

一方ツキコさんも、格好いい同級生には違和感を感じ、親ほどに年齢が離れたセンセイには安心してしまう。傍から見れば気持ち悪いといわれかねないが、お互いで一緒にいる空気感に包まれる存在に出会えたという事は、すごく幸せなことですね。たとえそこに死の影がつきまとっていても。

クライマックスから最後が本当に数ページで終わってしまうのも、逆に余韻が大きく、儚さを残している。
個人的には、キノコ狩りでセンセイが山に消えそうになる話が好きでした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-04-27 14:03:14] [修正:2011-04-27 14:03:14] [このレビューのURL]

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