「頭突き串の寿司」さんのページ

王族間の派閥争いや煽動者によるデモなど戦争と平和の狭間で起こる国家の事件を描く、架空の歴史・戦記モノ
また少数部隊によるゲリラ戦術や騎兵でのデモ隊鎮圧など少し細かそうなお話も楽しく読めちゃうため
軍記漫画に深く傾倒していなくとも十分に楽しめるのではないかと思う。
もちろんこういうジャンルが好きな方だったら文句なしでオススメできる!


主人公のバルツァー少佐は「実戦時において人格を切り離して理に従うことができる理想的な軍人」である
彼はその強さに憧れ寄ってくる生徒たちの気持ちをむげにしたりしない。
「これは生徒という駒を手懐けているだけだ」と自分に言い聞かせながらも
次第に情を移していく様に親しみやすさを感じる。
このあたりバルツァーが好印象。軍人としてエリートな側面とのギャップ萌え。笑

実際にバルツァーが戦闘に巻き込まれる展開になってきてはいるが、いかんせん強キャラ(そしてお茶目)なので緊迫感は薄い。
その代わり、キレ者のバルツァーがどういう思考で、どういう戦術を用いて敵と戦っていくのか、という視点で見てしまう。(別にシリアスさが足りないからつまらないというわけではなく)

その他にも武器や軍服、背景の描き込み、巻末の設定紹介など
マンガの端々から作品の世界観へのこだわり、作者さんの作品愛が伝わってくる
‘自給自足的マンガ’ではあるみたいだがちゃんと読者も楽しめる。

ただ、軍の士官学校が舞台ということもあり女っ気が皆無(実はいたんだけど)
しかしそこでむさ苦しくならないのは絵柄のおかげか。
絵がうまいんだからかわいい女キャラも見てみたいなーとか思ったり…

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[投稿:2012-05-03 18:38:15] [修正:2013-02-28 18:49:06]