「頭突き串の寿司」さんのページ

総レビュー数: 99レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年09月14日

何億年と地球生命の歴史を記憶してきたエマノン
その記憶のなかで最も'記憶に残るもの'
それはやはり人とのつながりなのだろう。

30億年の脈々と続いてきた一連の線上で重なったひとつの点
それはエマノンにとっては刹那だが青年にとっては忘れられない出会い

名前は記号でしかないと話し、
何一つ忘れることができないと煩い、
自分の存在意義を探し続ける。
そんな孤独なエマノンはどんなときも人とつながっていたはずである。

鶴田謙二氏の絵。
今ではあまり聞かない「フーテン娘」と呼ばれるエマノンを魅力的に描き
当時(60年代?)の味を感じさせるフェリー
そしてメインシーンとなる食堂での、曇ったガラスを手で拭く描写には思わず見とれた。

無機質なものではない、温かさを感じるSF。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-20 23:37:22] [修正:2013-03-18 17:17:22] [このレビューのURL]

団地の棟が宇宙船なんて夢があるじゃないか!
子どもの頃のひと夏の思い出的な話。
こういう話はいつ読んでも良いなーと思える。

舞台となるのは今より20数年先の未来で、主人公たちは団地に住んでいる。
この団地ってのが良い距離感だと思う。
近未来という設定のなかで若干浮いたような。

全体としてはさわやかで、
話がSF一辺倒にならないのはこども視点の描写が飛び抜けてリアルだから。
2階から1階まで10歩で階段を降りてやろう!とか
あの建物は牛乳ビンに似てる!とか
こどもならではの発想と同時に、「死」といったものに対する漠然とした不安も描かれたりする。

かと思えば途中に挟まれる小学生女子たちによるいじめもリアルで。
作者は未来の技術を細かく考え出していて、
そのなかのひとつの「サブ」と呼ばれるツイッターもどきを使ったいじめなんだけどこれが相当エグい。
これと同じようなことが今起こっているかもしれない、と思うと笑えない…

ところで2巻・10話に過不足なくまとめたストーリー、そしてラストにしてもいうことはないくらいなのだが
会話の端々でのセリフで気になる箇所があった。
(具体的にいうと「けど」の乱用
初めは子供たちの会話で使われその拙さや必死さが表れていたのだが
大人たちも使うようになりキャラをまたいだ乱用が鼻についた)
ここらへんが残念、マイナスポイント。


かつて同じ夢を描いた大人たちと力を合わせ未知なる者との出会いを受け入れていく
そんな「地球のなかでだって難しい」ことを宇宙スケールでやってのける。
純粋な子供のころの気持ちに戻ることができる素敵なマンガ!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-05-02 18:54:05] [修正:2013-03-18 16:51:55] [このレビューのURL]

「初めに小ネタありき」とでもいわんばかりの小ネタで成り立っているマンガ

マニアネタなぞ惜しむことなく時事ネタですらひるまず放ちまくる
もはや解る、解らない、の区別は要らない。
3コマに一回ギャグをぶちこんでくる展開に飲まれるだけである。
マシンガンのような勢い・インパクトと中毒性。

SFでなにがやりたい、じゃなく
SFならうまいこと描きたいマンガが描ける
なんて発想のように思われて設定から本末転倒している始末。

それでいて「はだしの」…ではなく「化野」のおっさんたちが
たどり着いたラストは「見事な大・団・円!!」だなんて
誰がこんな愛ある結末を予想できただろうか。
なんでもアリか!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-06-05 17:22:32] [修正:2013-03-12 17:23:10] [このレビューのURL]

「ヴォイニッチホテル」で道満晴明の虜となり
「ぱら☆いぞ」に代表されるような、そっちの作品群も読み終えたころに‘IKKIで連載’
という吉報を聞くことになる。

ニッケルオデオンとはその昔アメリカにあった映画館のことらしい
映画好きな作者らしく短編映画の寄せ集めのような作品になった。

不条理な設定のなかでちょっとイイ話だったりちょっとホラーだったりするのは
作者の成人マンガにあるような感じなんだけど
8ページずつのショートショートはどれも小綺麗にまとまっていて
話の続きが読みたくなる終わり方をさせる。
読み切りショートに使うにはもったいない
でも語りすぎないくらいでちょうどいいそれぞれの話。


ネタが尽きないなあ…発想の奇抜さもあると思うけど
思い付いたシチュエーションをちょっぴり、がっつり幻想的にアレンジ
道満の手によって昇華されエンターテイメントに変わる。

とまあよく分からないままそれっぽいことを書いてみたけど
要はそれなりにメジャーな劇場(掲載誌)なんだから楽しめなくちゃいけないんだ。
わりと万人にオススメできると思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-07-18 18:25:49] [修正:2013-03-12 17:18:55] [このレビューのURL]

まさにがらくたの山というような。

主人公(小学生)・姉(中学生)・兄(大学生)それぞれの友達関係を群像劇的に描く
田舎の田園風景のなかでの物語は基本一話完結型で、主人公リントの目線に立ち返ればジュブナイルとも言える
と、いうのが一応の体裁。

というのも、このマンガの真の魅力は
登場人物たち(に喋らせる作者)のオタクっぷり
にある。

小ネタという枠には収まりきらないようなキモオタ要素には目が眩むものの、
「これなんかに使えるんじゃないの」とか言ってがらくたをかき分けていくような
例えるならやったことのないゲームの攻略本とかを読む感じ。
「断片的に攻略法を辿っていくうちに楽しそうだなーって思うんだけど、でもプレイしないことにはその楽しさを味わえない!」みたいな。
小さいときに全く知らないゲームの攻略本をめくっていたような私にはこの作品もかなり楽しめました。

語られるネタとしては
アニメ、民俗学、自転車、野球からレコード、料理など
と書けば食らいつく人はいるでしょうが、この作品においてはそれぞれ
アニメーター(作画)、地方のお祭り、MTBのコーナリングの技術、変化球の理論、フォノイコライジングプリアンプ、完璧な炒飯の作り方
といった感じに一歩踏み込んだ(?)断片的なネタになってしまうので雑学ともまた違ってくる。


これがまた妙な中毒性を持っている。
いくら読んでも分からないものは分からないんだけど。
唐突に語りだす作者の暴走自己チューっぷりにうんざりするか、
もしくはマニアックさにツッコミを入れながらでも楽しめるか、
どちらか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-03-29 17:34:25] [修正:2013-02-28 18:57:20] [このレビューのURL]

9点 SLAM DUNK

残念。至極残念に思うのは
リアルタイムでこのマンガを追えなかったこと。
こんなマンガが載っているジャンプを
毎週どれだけ楽しみに読めたことだろう。(くどい言い方だけど)

本当に爽快で感動する内容
桜木の成長っぷりには心躍るし山王戦のラストは涙なしには読めない
三井の「静かにしろい…」なんてもう…カッコ良すぎる!

画力
申し分ない。特に体、フォームが非常にきれい。

他にもキャラ、見せ場、どこをとっても魅力ある作品
ただこれだけの作品を…って最初に述べたような理由からマイナス1点かなあ

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-30 17:15:25] [修正:2011-11-26 01:24:48] [このレビューのURL]