「頭突き串の寿司」さんのページ

8点 予告犯

社会に潜む‘行き過ぎた行為で弱い立場の者から自尊心を奪う連中’に
正体不明の男が制裁を加えていく
それに同調するネットユーザーたち
かたや見えない相手を追う警察側

賛否両論を生む現代のテロリズム
あえて例えるならネット社会版デスノートといった感じか。
でもデスノのように追う側追われる側の頭脳戦という感じではないし、
やっぱり例えるのは少し違ったかも…


最初に絵についていうと、
連載環境が整っていなかったということもあり
雑誌掲載時にはやや淡白だった背景も
単行本だと加筆修正されているので問題なし。


一巻の最後にあたる7話を初めて読んだときの衝撃が忘れられない。
立場の弱い者は結束すれば力を発揮する
でもこの方法は正しいのか?
ほかのやり方はないのか?
‘正体不明のシンブンシ’を見ているとそんな疑問も浮かんでくる

何が正義で何が悪なのか?
たくさんの情報が錯綜し
取り上げられては捨てられていく今の情報消費社会
そのなかで答えを見つけることは叶わない。


普遍的なマンガって数あるわけではなく。
このマンガは社会で問題になってるあれやこれやをテーマにするような
これまた決してよくあるようなマンガではないわけだけど
そういうカウンター的な作品は、今、読むべき。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-05-24 19:11:31] [修正:2013-03-12 17:25:00]