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総レビュー数: 27レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年03月24日

ジョジョの奇妙な冒険第7部ではあるが、タイトルを変更して発刊されている。

馬(等)を使ってアメリカ大陸を横断するレース漫画・・・ではあるが、
純粋にレースをしていたのは序盤までであり、その後はレースに並行して
「聖なる遺体」という不思議パワーをもつミイラの争奪戦が繰り広げられる。

6部までと同様、奇想天外な特殊能力と、思いもよらない逆転劇は面白い。
絵柄が力強くダイナミックな感じに上達しており、かなりカッコよくなっていて、そこも良い。
主人公コンビのジャイロとジョニィの、粋でフランクな会話と仲の良さは微笑ましく、楽しい。

ただ、レースが進んでいくなかでちりばめられたネタや伏線がしっかり回収できていなかった、
そう思われる点が多く、最後の盛り上がりがやや肩透かしを受けた印象がある。
(以下ネタバレ込みの感想)
シュガーマウンテンの「『全て』をあえて差し出した者が、最後には真の『全て』を得る」
という台詞とはなんだったのか、
ジョニイがたびたび目にする白いネズミの意味するものは何だったのか、
ジャイロのレースの目的でもあった、靴磨きの少年のラストの描写、など、
とても主観的な感想になってしまうが、妙に納得いかない、しっくりこない点が多い。
自分の理解力が足りない、そういうものだ
と言われればそれまでなのだが、もう少しハッキリとした描写を加えてくれたらもっと良かったと思う。

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[投稿:2011-09-16 22:26:17] [修正:2011-09-16 22:26:17] [このレビューのURL]

忍者が傭兵稼業のような仕事をこなす架空世界で
忍者の里のトップ「火影」を目指す主人公・ナルトの成長を描いた、忍者バトル漫画。

忍者漫画というが、ほとんどファンタジー世界のまがいもののNINJAであり
チャクラという不思議パワーを要素にして、分身の術や幻術をお手軽にできてしまう設定である。
「それ忍者じゃねーじゃん!忍んでねーじゃん!」というツッコミもあるだろうが
まあバトル漫画の少年漫画であるし、その辺はそういうものだと思ってスルーするしかない。

セリフの語彙が少ない(「大した〜〜だ」など)、
アニメーションを意識しすぎて、漫画としての迫力が出し切れていない
(「アニメになったらこう動くんだろうな」というイメージは何となく伝わるが、
それがかっこよく漫画として魅せれているかというと逆効果。)、
戦闘シーンの拙さが目立つ(集団戦闘で突撃しないメンバーは棒立ち。
戦闘開始前にヒソヒソ話し合い、話し終わるまで待っている敵)
など、粗さが目立ち、もうひと押し何かが足りないという感じだったのだが
物語も終盤になったここ最近は、何故か面白いと思えるようになってきた。

ナルトが精神的に大人びてきたこと、
大規模戦闘が展開されることで、もったいつけた展開ではなくスピーディーになったこと、
そのあたりが原因だろうか。

ナルトが大人になっていく半面、ナルトと対をなす準主役ともいうべきサスケが暗黒面に陥っており、
しかもその堕ち具合が「なんでそういう考えになるの」とツッコミが入りそうな思考過程が
気がかりではあるが、今後のナルトとサスケの交錯でどう決着をつけるか、
ここ最近の展開からすれば、結構期待できると思う。



余談だが、個人的にこの漫画でなかなかすごいなと思ったのは、
細かい設定と後付けも含めた伏線やネタの回収力。
それと、キャラクターの老いがとても自然に描写されている点(たとえば三代目火影)。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-03-26 10:53:02] [修正:2011-09-16 22:01:28] [このレビューのURL]

守護霊のような精神力が具現化した「スタンド」という特殊能力を駆使して戦う漫画。
現在連載中のジョジョリオンまであわせると、8部作になっており、
主人公は各部で異なるが、世界設定が続いていたり、つながりがあったりする。

独特のスタイリッシュなファッション、ポーズ、絵柄が特徴的で
慣れていない人には読みにくいかもしれないが、
それらの個性的な特徴のおかげでディープなファンを数多く獲得している。

単純なバトル漫画ではないのだが、少年漫画だけあってやはりバトルがメイン。
そして、思いもよらない発想で戦局が大きく変わるのがこの作品の魅力であると思う。
・・・が、なまじ面白い分、長年読んできた読者の要求する度合いが高くなってきたのか、だんだん新鮮味にかけてくる。
「ギリギリのところで思いもよらない方法を用いて大逆転」という展開において、
逆転の策がわかりにくくなってきている(特に6部)。
それと、複雑すぎて何やってるのかわからないページも割とあると思う。

長く連載しているせいか、設定に矛盾や破綻もある(鏡の世界があったりなかったりとか)。
そういうちょっとした突っ込みどころに対しては、
ネット上などで、ファンが「ここはこういうことだから」と逆に考察して一定の結論を付けたりしている。
それはそれで一つの楽しみ方なのだろう。
個人的にはちょっと過大評価かな、とも思うが、
読者の多さと作品の面白さを裏付けているともいえる。


ストーリーの合間にさりげなく入れられる、作者が常々思っているであろうこと
(人間の肉はまずい、最初にキノコを食べた者を尊敬する 等)の話は興味深い。

どうでもいいが、バトルばかりやっているせいか、
この漫画の主題が人間賛歌と言われると、個人的にはどうもしっくりこない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-03-26 22:27:38] [修正:2011-09-16 21:26:50] [このレビューのURL]

7点 トリコ

未知の食材を求めて、獣や競合する敵と戦いつつ、
上手い料理を追求する、という食材ハンティングバトル漫画。

嘘とホントとハッタリが入り混じったトンデモ科学理論や
レベルのインフレ、正面からの豪快な肉弾戦、読者から募集した動物など、
古き良きジャンプ漫画の良さを引き出した漫画だと思う。


個人的に評価したいのが、
身体能力的には一般人の小松が驚き役に終わらず、
ちゃんと活躍して、ココやトリコといったレギュラーに認められている点、
トリコが食材を食べるとき、手を合わせて感謝を忘れず、骨の髄まで食べつくす点、
行き当たりばったりの感が否めなかった「たけし」に比べ、プロットがちゃんと組み立ててある点、
バトルの後に、ちゃんと食事シーンも入れて、バトル一辺倒で終わらない点、
食事シーンは皆で笑顔で食べる点、などである。

ちょっと幼稚ともいえるオリジナル食材も、子供には受けがいいだろうし、
むしろ少年漫画としてアリだと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-07-10 20:59:34] [修正:2010-12-13 11:42:18] [このレビューのURL]

8点 B’TX

概要を簡単に言うなら、「機械の獣に乗って戦う、聖闘士星矢」。

車田正美の作品だけあって、この作品も
美形の敵味方がかっこいいセリフを吐いて1対1で戦うという内容である。
そして、敵のボスに近づくために美形の中ボスを撃破していくという点もやはり星矢と同じ。

ただ、単に敵が出てきてやっつけてハイおしまい、というだけではなく、
シナリオは星矢以上に練られていて、それが奇跡的にもまとまっているのではないだろうか。
そう思えるのは、主要キャラの各人の生まれ育った背景を
きっちり描いていることに成功の要因があると思う。

また、バトルについても、「どちらのコスモが大きい小さい」
というような単純なものではなくなかなか工夫してある。
特に中盤以降の数学バトル、哲学の問いを投げかける敵とのバトルは面白かった。

未完で終わらず、キッチリとまとめ上げているところや、肉体的には強くも無い主人公の兄が
単なる囚われのヒロインに終わらないところ(クライマックスでの最終ボスとのやりとりは逸脱である)、
非美形のキャラクターにもしっかりとした見せ場があるところも良い。

また、キザったらしいセリフを美形キャラが吐くというのは、
ある意味様式美でもあり、陳腐でもあるが、
愛だの友情だのを臆面なく叫ぶことができるというのは強みでも有るように思える。
この作品では、キャラが斜に構えるのではなく、堂々と叫んでいるところが素晴らしい。


某バンドのボーカルそっくりの敵キャラが出てくるのはまあご愛敬。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-03-24 19:37:48] [修正:2010-12-13 11:35:12] [このレビューのURL]

9点 7SEEDS

ストーリーの概要は、「未知の世界に放り出された8×5人のサバイバルストーリー」といったところ。

SF分も結構多く、科学考証等については、真偽のほどはわからないが、
本当っぽく思わせる描き方で、未知の生物なども違和感がない。
とはいえ、サバイバルのハナシではあるが、
基本は人間どうしのドラマであり、見るべき点はそちらだろう。

見せ方も上手い。
現実にサバイバルな状況に立たされたら、もっと取り乱したり争い合う人間ばかりなのかもしれないが、
そこはそれ、適度にドラマとしてのバランスを取っていると思う。
少女マンガなせいか非常に過酷な状況下でも恋愛を忘れていないのはまあ仕方がないのか。
別に登場人物全員が恋愛第一とかそういうわけでもないし、逆に言えば娯楽的なものもないから、
そういう意味でつながりを求めるのは自然ともいえるのかもしれない。

個人的に面白いと思うのが、各人の心理描写。
誰がどういう考えでどういう行動をするかが非常に濃密に描かれており、
それが時には良い方向へ、時には悪い方向へ互いの心に影響しあう。
そういうキャラの一挙手一投足に、見ている方もいろいろ考えさせられてしまう。
最初はモブキャラかと思っていた登場人物も、展開が進めばしっかりスポットライトがあたるのも良い。

絵は特徴的で、とっつきにくいかもしれない。
(自分は話にのめりこみすぎたせいか、特に変だとは思わないが。)
また、背景などは雑なところも多々ある。下手なのではなく、雑。
虫が襲ってくるシーンなどは逆にこの雑さがグロテスク度を緩和している。


毎話毎話が、非常に続きが気になる。
というか、どういうシナリオの終着点にするつもりなのか予測がつかない。
同作者の「BASARA」のように、最終目標があるわけでもなく
(あるとすれば恋人との再会か?しかしそれすら中間点に過ぎないような…)、
何をもってクライマックスとするのか、わからない。
結果的に悪事を行うキャラクターもいるが、その人物を“敵”として描いている風でもない。
最終的に「壁」になりそうなのは、ドクロマークの彼だが、果たして。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-03-24 17:14:19] [修正:2010-12-13 11:32:02] [このレビューのURL]

純情で経験もない女子高生がエロゲ声優をする、というラブコメ漫画。

女子高生がエロゲ声優、というぶっとんだ設定は
作者があとがきで描いている「可愛い女の子を恥ずかしがらせたい」
という描写のための舞台装置にすぎないと思う。
なんというか、主人公の子を恥ずかしがらせて、
それを「可愛い!」と思えるかどうかが、この作品を好きになれるか否かの分かれ目になる。
声を聞いただけで絶頂とか、指を舐めるとか、そこら辺の設定についても同じ。
ありえない設定ばかりが出てくるが、それを、「ありえない、くだらない」
と思う人は多分全く評価の対象にならないだろうと思う。

エロ関連の話とはいえ、演じているキャラたち自身がエッチなことをする描写は(直接的なものは)無い。
成年向けになりそうなところを、間接的なものに留めて、
なおかつ、どうエロさを保つかということに作者は腐心しているようにも思える。
ちなみに、この漫画の作者は成年コミックも執筆しているが、絵的には平面的なキャラデザで、
エロさというよりもファンシーな感じの絵柄。

毎話毎話こっ恥ずかしい展開なので、色んな意味でページをめくり難い。
エロゲー製作が舞台なのに主役のカップルがあまりにも純情すぎる。
それでいてやっていることは変態一歩手前。
ある意味ギャップがすごいといえばすごいのかも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-07-10 20:36:07] [修正:2010-12-13 11:18:22] [このレビューのURL]

絵の上手さは圧巻。とてもインパクトがあるし、「こりゃすごい」と思わせるものがある。

話の内容も面白い。

ただ、連載・休載期間が長いと、なーんとなく今後の展開が読めてしまう。
むろん、作中で伏線や、今後がわかるような描写がそれとなく入っているからなのだが、
一つ一つの大きな流れがゆっくりゆっくり進んで行く感じなので
毎週読んでいて「おお、今度はこういう展開とは!これは予想外!」という驚きの楽しさがあまり無い。
むしろ「やっと終わったか」という感想の方が大きい。
これではいくら絵や話が良くても、「面白い」という感想が薄れてしまう。
それが残念である。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-07-10 20:14:21] [修正:2009-07-10 20:14:21] [このレビューのURL]

この作品で面白いと思ったのは、作者が言いたいであろう主張をキャラクターに言わせているその内容である。

ともすれば、いわゆる厨二病ともいえそうな内容かもしれないが、個人的には「なるほどな、面白い」と思われるものが結構ある。

また、魂の理論(?)というか世界観も凝っているなあと思う。

なんというか、単に娯楽作品ではなく、何らかのテーマを立てて物語を作っているというスタンスを感じ取ることができるので、そこはとても好きだ。

ただ、残酷な方へ、不条理な方へとストーリーが流れていく傾向があり、
それが後の展開との関係で、読者にとって腑に落ちる内容かというとそうとは言えない場面が多い。
全く無意味な描写ともいえないが、そこさえ加減すればもっと多くの人に受け入れられる漫画になるのではないかと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-07-10 20:06:27] [修正:2009-07-10 20:06:27] [このレビューのURL]

アニメ化で話題になっているので漫画版も読んでみた。

アニメの可愛らしい絵柄に比べ、デザインがややあか抜けない。
そこで大分損をしているなと思ったが、ストーリー・構成はそれを補って余りある良さがある。
思わずニヤリとするような比喩やギャグ、穏やかで淡い恋愛描写、
決して下品にならずに、大正のお嬢様という雰囲気を崩していないのも素晴らしい。

アニメから入った人は、漫画のキャラデザの古臭さに敬遠してしまいがちと思われるが一度読んでもらいたい。
アニメのぽわわんとした雰囲気とはまた違った(アニメはアニメで良いが)
少女たちのしっかりした雰囲気が描けていると思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-07-10 19:51:22] [修正:2009-07-10 19:51:22] [このレビューのURL]