「polojo」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2013年05月11日

8点 ROOKIES

ルーキーズはまぎれもない青春漫画の名作です。

森田しのヒット作『ろくでなしBLUES』も十二分に面白かったですが、本作では野球がメインテーマになっているので不良どもは成長と同時にチームプレーを覚えていきます。それはつまり『ろくでなし?』よりも不良が『仲間』の大切さを知ることの説得力を一段と強くしています。

野球の試合は迫力満点。もちろん、ケンカシーンも少なからず存在します。

お涙ちょうだいシーンが過剰だったり、川藤氏の純粋すぎる人間性が嫌いな人はいるかもしれませんが。

この作品はドラマ化、映画化しましたが、漫画にあった汗臭さ、汚らしさがなく魅力が半減していました(俳優さんたちの演技は思ったより良かったです)。

ともかく映画を見るぐらいなら、漫画を読んでください。

ひじょうにおすすめです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-14 01:31:31] [修正:2013-05-14 01:31:31] [このレビューのURL]

8点 YAWARA!

柔道に美少女とラブコメをミックスし、国民的漫画になった本作品は浦沢氏の名前を一気に有名にしました。

この漫画の肝は、まず主人公の柔ちゃんの魅力です。強く、美しく、女の子らしい彼女は読者の心を掴んで離しません。

そしてストーリーのテンポの軽快さ。一巻をすらすらと読んでしまいます。のちの同氏の持ち味となる、女の嫉妬とか人間の深い闇なんてものはこの漫画には存在していません。

すっきりした絵ですので、柔道の試合も見やすくスピード感があり、柔道にまつわるそれぞれのドラマはある程度しっかり描かれています。

僕個人としては、YAWARAは浦沢氏の作品の中で、一番すぐれた作品だと思います。このひと、人間の重いドラマを描くよりテンポアップにものごとが展開するストーリーが向いているんじゃないかなと。。

「浦沢といったら『MONSTER』『20世紀少年』だろ!」と思っている人は、是非とも読んでいただきたいと思います。

また逆に上記のシリアスな作品が嫌いで浦沢作品を避けている人にもおすすめです。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-14 01:15:52] [修正:2013-05-14 01:15:52] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

2013年現在、人気、実力ともに最高峰の漫画の一つではないでしょうか。おそらく数十年後も多くの人々に読まれる漫画であると思います。

この漫画は「復讐劇」と「ファンタジー」と「中世ロマン」を見事に融合させています。ガッツは復讐をモチベーションとして、強大な相手と親友を殺す旅にでます。その復讐心がガッツ生まれるエピソードも途中にありますが、読者も充分すぎるぐらいにここで物語を読み進めていくモチベーションとガッツへの共感を手に入れることかと思います。

(もちろん、それまでの話も十二分に面白いです)

絵のタッチは動静で、非常にメリハリがあり、豪快さと綿密さを兼ね備えた見事なものです。ときにポップな絵などを入れて、読者を緊張しっぱなしにはさせません(ギャグがつまらないのは置いておきましょう)。背景にも、丁寧にペンを入れて細部にまで作者の熱意が込められています。

さらにすごいのは、この作者はものすごい研究熱心だそうで、衣服を描く際には服飾の図鑑を参考にしながら描き(なので、ベルセルクに描かれている衣服は全て作成可能だそうです)、主人公・ガッツの筋骨隆々として肉体にリアリティを出すために、人体の図鑑を参考にするだけでなく、自分自身を鍛え上げたという話さえあります。

戦いも面白く、たとえば敵を倒すときにも、ガッツが無双するだけでなく、脇キャラにも見せ場をつくり、軍隊的なストラテジーを駆使して相手の軍団を倒すこともあります。もちろん魔法もあり、ファンタジー感満点です。

ただマイナスポイントというか懸念なんですが、このベルセルクは連載が開始して20年以上たつのですが、終わる気配が『ワンピース』以上にありません。もともと掲載誌が隔週なうえに、作者がかなり休載していますので、単行本も年1ペースです。作者自身も「死ぬまでに頭の中のストーリーすべてを描き切れるか不安だ」と言っているそうです。

漫画としてのクオリティは、日本最高レベルだと思いますので、是非とも読んでいただきたいですね。非常におすすめです。








ナイスレビュー: 2

[投稿:2013-05-13 23:31:19] [修正:2013-05-13 23:31:19] [このレビューのURL]

まさに『ポケモン版ジョジョ』、まだ緻密な戦略やシリアスなストーリー展開で読者を大いに楽しませてくれます。何より、ポケモンという存在に大いなる愛と敬意を感じます。

ただ、この漫画はその外の部分で非常にツキのない作品というか、『もっと売れても良い』作品だと思います。(多分、読んだ人であればそう感じるのではないでしょうか)

その要素を書き下ろしてみました。

1.作画者の交代
初期の作画は真斗氏。しかし、体調不良を原因に途中から山本サトシ氏に変わっています。真斗氏が描くキュートなキャラクターから、クールな雰囲気を好む山本氏に変更になったことは僕自身かなり残念でした。
まぁ、この好みは人それぞれなので一概に不幸ではないと思いますが。

2.連載誌の購読対象が独特
もともと『小学生シリーズ』に掲載されていましたが、この小学生シリーズは読者が小学4年生であれば、「小学4年生」を、小学校6年生であれば、『小学6年生』を読むのが普通となっています。(まれに、そうじゃない人もいるとは思いますが)購読者が定期的に確実に入れ替わるという雑誌での掲載は、かなりリスクを伴うんじゃないでしょうか。
そして、『小学生シリーズ』が廃刊になった後も、『コロコロイチバン!』と『ポケモンファン』というあまり有名じゃない雑誌へ引っ越しました。


3.ポケモンというコンテンツによる大人のファン層の獲得の難しさ
この『ポケモン SPECIAL』は子供はもちろん、大人が読んでも十二分に楽しめる作品だと思います(私も単行本を集め始めたのは、大人になってからでしたが思い出補正抜きにしても面白かったと思います)。しかし、大人の漫画ファンは「ポケモン」という題材というだけで、眼中に入れていない人も多いんじゃないでしょうか。

上記の3つが、この漫画の抱えるどうしても外すことのできない足枷だと思います。ただ根強いファンを獲得し続けているのは事実ですし(どうやら1000万部突破しているみたいですし)、何度もいうように作品としての質は非常に高いので、『ポケモン』というだけで敬遠している人にこそ是非とも読んでほしい、おすすめの作品です。








ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-13 21:04:19] [修正:2013-05-13 21:04:19] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

同作品がコミックボンボンに掲載されていた時に、リアルタイムで読んでいました。作者はこの前にも、ボンボンにいくつか掲載作品を載せていて、非常につまらなかったのですが、この『クロスハンター』はただ単純に「つまらない」のではなく、「外道」ともいえる最低の作品です。

まずは、画力が非常に低い。人物の顔がかき分けられていない、そのくせ同じ登場人物でもコマごとに、顔や体格にムラがある。効果線や擬音語が全く良い演出となっていない。そして絵にオリジナリティがない。悪役が気持ち悪い。
アクションシーンの迫力がない。ヒロインが可愛くない。(なぜか八重歯だし・・・)

次に、ストーリーがありきたり。それだけなら、王道路線に行くということでまだ理解できますが、そのうちにあるセリフなどにセンスや考えられた節がない。

とかなりトホホなできになっていますが、これだけなら「つまらない漫画」なだけですがある理由がこの漫画を「外道」たらしめています。

それは、ものすごい勢いで多作品から要素をパクっている点です。昔、新人漫画賞の受賞作品が多作品のトーレスを多用していたことが問題になりましたが、もしかしたらそれよりもひどいかもしれません。

後にインターネットでパクリ検証のウェブページができていて、びっくりと納得をした覚えがあります。(連載当時は、まだ僕もあまり漫画を読んでいませんでしたので『ドラゴンボール』からの引用ぐらいしかわかりませんでしたが・・・)

こんな外道な作品を描いた作者にも、これを通した編集者にも今更ながら怒りを覚えます。と同時に、引用された作品への敬意と評価が相対的に上がりました。(この作品を読んで良かった唯一のことかもしれません)

私自身、ボンボンがコロコロに負けていることにちょっと残念であり「ポケモンのようなキラーコンテンツを・・・!」と思っていたのですが、こんな作品を連載しているようでは、コロコロに負けますし、廃刊にもなりますよね・・・

というわけで、全くおすすめできない作品です。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2013-05-13 20:35:16] [修正:2013-05-13 20:35:16] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

ドラマが大ヒットしましたね。僕は柴咲コウが大好きですが、ちょっと感じが違うんじゃないかなぁと思います。

『ドクターコトー』は漫画でももちろん感動作です。所々に、涙腺が緩くなる話もありました。ただこの作品を読み進めていくうちに、「あぁこの作者、絶対にサディストだ」と思うようになり、2、3周と何度も読むうちにそれは確信に変わりました。

『コトー』に限らず、医療漫画は生死を伴うような話が大半を占め、かつある程度のドラマを加えなければいけません。なので、「突然の不幸」だったり「幸せからの凋落」を描く必要があります。その落差が激しければ激しいほど、読者からの共感や同情は増します。その作者による「徹底的な叩きのめし」が必要なのは、充分よく理解できます。

しかしながらこの『ドクターコトー』は、その叩きのめしが「えっ、そんなところまで!?」と言ってしまいそうなぐらい徹底しています。最後はコトーがなんとかしてくれると思いながらも、目を背けてしまいそうな場面も多々あります。その演出が過剰と言えば過剰です。

まぁそんな風に読んでいるということは、もうコトーの島の人々に大きく感情移入している証拠ですが。

非常に面白いし、おすすめですが、ドラマと同じ感動を求めているのならば注意が必要です。







ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-13 19:50:57] [修正:2013-05-13 19:50:57] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

80年代には熱血スポ根漫画からの脱却を試み、さわやかでハンサムな少年たちが主人公になるスポーツ漫画が主流になりました。

その漫画の一角を握る名作です。

「高校柔道部」という劇画との相性ばっちりだと思われていた舞台をあえて、ポップなタッチで仕上げています。

仲間を情熱と友情を持って、集めるなんてことはせず、「中学でも柔道をやっていたから高校でも柔道するかー」ぐらいの勢いであっさりと仲間は集まります。

そして主人公はかなり序盤から彼女持ちで、もう一人の主人公に想いを寄せるヒロインもギャグとロマンスに活躍します。あっさりしているので、この2人が主人公を取り合うなんて昼ドラ的なことはしません。

つまりこの漫画は試合外のドラマをかなり省いています。この作品がヒットした所以は、単純に試合の面白さ、柔道という武道の面白さを研ぎ澄ませた
所にあると思います。(しかもスーパー必殺技はなし)

試合の勝敗もなかなかシビアで、予想できないような展開などもかなり多いです。作者が柔道経験者であることが大いに活かされています。

そのテンポの良さ、軽さというメリットの分、読んで心に残る作品かと言われれば微妙ですし、『カリスマ性』を持った作品ではないかと思いますが、読んでいる間はとても楽しい時間を過ごせますし、男性、女性問わず読むことができますので、かなりおすすめだと思います。






ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-13 19:32:30] [修正:2013-05-13 19:32:30] [このレビューのURL]

ドラマ化で一躍人気になった、タイムスリップドクター漫画(そんなジャンルは多分ないですが^^;)の「仁」で有名な村上もとか氏の作品です。

激動の昭和を生き抜いた龍という一人の男の人生ドラマです。

正直、同氏の作品の中でもっとも過小評価されているのではないかと思っている作品であります。

この物語の素晴らしいところは、龍の経験してきたものがその後の人生に大きく影響しているように描かれている点だと思います。

龍が会得してきた武術や、企業を経験することによって会得したリーダーシップなどが、後の活躍に大きく役に立っています。「それまでの経験の何が役に立つかわからない」という人生の普遍的ともいえる性質を見事に表現していると思います。

また、ダブルヒロインや、実際の歴史上の人物と龍を違和感なく絡めさせる技術は人間ドラマに深みを与えています。そしてこの手法はのちのヒット作「仁」でもいかんなく発揮されています。

最後が若干駆け足ですし、最後みんながどのような人生を送ったのかはうむやむになっている点も多いですが、そこは読者の判断ということでしょう。それまでの面白さを減退させることはあまり無いかと思います。

非常におすすめです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-13 18:57:53] [修正:2013-05-13 18:57:53] [このレビューのURL]

落語家の世界を描いた尾瀬あきら氏の作品。

尾瀬氏は、これまでの作品からして閉鎖的な社会や、マイノリティの世界を描くのを得意としているようです。

絵のタッチは温かい雰囲気なのですが、どことない息苦しさや閉塞感を漂わせています。もはや職人芸の世界だと思います。

若干の説教臭さがありますし、話の展開も良く言えばクラシックで正統派、悪く言えば古臭いですが、何か夢を追いかける人は共感できる点も多々あるのでは。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-13 18:31:12] [修正:2013-05-13 18:31:12] [このレビューのURL]

もう作者が、好きな構図、好きな登場人物、好きなセリフをこれでもかというぐらいに書き込んでいます。

日本橋先生は本作品以前の連載はすべて打ち切りだったそうで、打ち切りられる前に思い切り自分の表現したい描写を描きまくったのでしょうか。

なので内容が濃い。セリフが極端に多いとかではないのですが、なぜか1巻を読むのに膨大なエネルギーを消費します。

絵は、非常に上手だと思うのですが、かなり実験的なデザインにしているコマも所々に見受けられます。

説教臭さは人によっては鼻につくかもしれませんが、それは読者に伝えたいことがはっきりとある、芯のある漫画である証拠なのかなと思いました。

漫画家だけでなく、ものづくりに従事している人には、是非とも読んでほしい漫画だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-12 21:22:53] [修正:2013-05-12 21:22:53] [このレビューのURL]

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