「佐々木裕健」さんのページ

総レビュー数: 58レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年06月12日

人気の面で問題があったのか、早々と打ち切りになってしまったが、少年誌に福本を投入するというのは実に面白く、有意義な話なのだから、多少無理してでも続けるべきだった。


福本作品は、現実社会の厳しさ、理不尽さと、その中であっても人間らしく生きることの尊さを描き続けており、そういう意味ではものすごく道徳的だったりする。

「孤立せよ・・・」「オレの正しさは、オレが証明する」といった数々の福本節は、明らかに読者層を意識したものである。

少年マガジンを読む少年たちの中には思春期、反抗期の真っ只中にいる子たちはたくさんいるだろう。世の中の汚さに気づき始める年頃だろう。そんな少年少女たちにむけたメッセージが不発に終わってしまったことは、とても残念である。

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[投稿:2007-06-12 21:53:23] [修正:2007-06-12 21:53:23] [このレビューのURL]

作者のデビュー作であり、出世作であり、現時点での最高の作品。

週間連載に耐えられる力量の無い状態で連載を始めてしまったという感じがモロに出てしまっている。

また、少年誌で表現できるようなテーマを超えていて、そういった意味でも無理が感じられる。

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[投稿:2007-06-12 20:49:59] [修正:2007-06-12 20:49:59] [このレビューのURL]

中学生や高校生、おばさんたちの日常、そのなかのちょっとした出来事を丁寧に、的確に、しかも面白く描写している。

「安心して読める」ことと「面白い」こと、この二つを器用に満たした作品。

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[投稿:2007-06-12 18:44:40] [修正:2007-06-12 18:44:40] [このレビューのURL]

感動する性質の漫画ではないが、すばらしい作品である。作者の目の付け所やその切り口には、ただただ舌を巻く。

つまらない新聞の4コマよりこの作品の方がはるかに、社会を風刺できている。

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[投稿:2007-06-12 18:08:55] [修正:2007-06-12 18:08:55] [このレビューのURL]

原作ものでありながら、変形、逸脱のさせ方が大変面白い。

主人公の策士、戦術家ぶりがあまり伝わってこない点(荒木や福本のように感心できない)、救いの無い展開の重々しさと絵柄の不一致がマイナスポイントであった。

単純に比較できるものではないかもしれないが、後の短編集に収録された、主人公が女の子バージョンの封神演義の方が面白く、完成度も高い。

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[投稿:2007-06-12 21:34:51] [修正:2007-06-12 21:34:51] [このレビューのURL]

萌え漫画、ハーレムものに限りなく近い存在でありながら、決定的に違う何かが入り込んでいる。

一人の男性に複数の女性という構図は、それが純愛の体裁をとっていようがいまいが、男に都合の良い世界観であることにかわりはないし、また、腐るほどありすぎて陳腐なパターンでもある。

そんな世界観に「女装癖」と「同性愛的展開」が入り込んでいるため、「男に都合の良い世界」も「予定調和」も吹っ飛ばされ、極めて独特な変態世界を生み出している。

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[投稿:2007-06-12 20:44:35] [修正:2007-06-12 20:44:35] [このレビューのURL]

はっきりいって、点数がつけにくい作品。とても面白くなる要素を持っていながら、致命的な欠点があり、結果その面白さもそがれている。最終的には2点〜8点の中間として5点とした。

中盤までは、絵柄の軽さと内容のバランスがギリギリ保たれていた。中盤以降は内容がシリアスになりすぎて、それまでに培ってきた作品の明るい雰囲気との整合性がとれておらず、しかもそのシリアスな内容を支えきれる性質の絵柄ではないため、読んでいて苦痛になった。ジョギングのつもりだったのに、フルマラソンを強要されているかのような感じ。(上手く例えられませんが)

あと、主要登場人物を美男美女(という設定)で固めてしまうことにより、いまいちリアリティに欠けるし、必然性の無い設定だと思う。

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[投稿:2007-06-12 19:09:10] [修正:2007-06-12 19:09:10] [このレビューのURL]

得点の通り、人生を変えるほど感動できる名作とおすすめするつもりはないし、可もなく不可もなくと言った程度の内容だと思う。

しかし、個性的でありながらマニアックに陥らず、粒のそろった短編を送り続けたこと、最近の少年誌にこういう漫画が無い事実からも、なかなか得がたい才能だったのだろう。

決して「芸術」ではないが(そうして見るに耐えられるほど深い作品ではないが)「優良な商品」としての価値を持っている。

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[投稿:2007-06-12 17:33:46] [修正:2007-06-12 17:33:46] [このレビューのURL]

手塚治虫の正当な後継者の一人でありながら、手塚を越える意思や情熱が無いことを証明してしまっているような作品。

日本の漫画史からみてもあまりに重大な存在である「ときわ荘」を実体験を元にネタにしているのだから、つまらないわけが無い。
しかし、そのおいしいネタを作品として結晶化する際により良いものにしようという工夫、努力が微塵にも感じられない。(過去の話や絵の使い回しが多すぎることは、その極端な例)

過去の栄光を省みず、のた打ち回りながら死ぬまで前進し続けた手塚に対して、過去の仕事の年金だけで細々と生きようとしている藤子A。

切ない。

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[投稿:2007-06-12 16:18:32] [修正:2007-06-12 16:18:32] [このレビューのURL]

4点 DEATH NOTE

大場つぐみ=ガモウ説に一票。

絵柄や雰囲気こそ違えど、ストーリー展開やトリック(そして登場人物の名前のセンス)のレベルは『ラッキーマン』とたいして変わらないように思える。(逆に言えば、『ラッキーマン』が過小評価とも)後付ルールでストーリーを引っ張った感もある。

「友情・努力・勝利」の「努力」以外を真逆にした主人公の造詣は衝撃的だった。

連載中、真っ先に読み続けはしたが、二度読むほどの価値は無い。

主人公の頭脳戦のみに主眼を置き、「正義とは何か?」とか「実の息子が犯罪者だった時の親の行動は?」といった難しいテーマを全て切り捨てたのは潔しとも取れるが、それがゆえに一過性の価値以上のものは、この作品には無い。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2007-06-17 00:11:04] [修正:2007-06-17 00:11:04] [このレビューのURL]

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