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9点 BECK

音楽漫画最高峰という評も多い名作。主人公ユユキが歌うシーンの表現と迫力が評判ですが、使いどころは意外に抑えているところに工夫を感じます(他の演奏者やユユキはギターのみというシーンも多い)。
音楽漫画としてのウンチクは説明がほぼないですが、音楽の魅力など本質は伝わって来ます。比重としては青春漫画な感じですが、ギャグが笑えるように基本明るいのが特徴。友情(良い奴が多い)、恋愛(ヒロインがかわいい)、グッと来る話を混ぜながら(苦しい中支えてくれる人達には特に感動)、話を展開して、34巻の長編ですが熱量は維持して、綺麗に収束させましたと思います。
サクセスストーリーながら他作品にはそうそうないほど、苦労や失敗が目立ち、最後の大成功に説得力がありました。連載中なら中だるみ的に感じたかもしれない下積みだったので、完結後一気読みで良かったなと思います。要因である業界のリアルみたいなのは、現在はステマという言葉があるほどより増している感じなので、良いところ突いてるなと思いました。
気になったのは序盤はさすがに絵に癖以前に下手さが目立つのと(次第に最後まで向上する)、話は綺麗に終わったもののエピローグをキャラ立ちしていた脇キャラ達中心にもっと見たかったですね。このサイトでも既に高い評価ですが、自分も一票を投じたいと思います。一昔前の作品ですが、現在でも十分読むに値する作品です(むしろ一気読み出来るのが大きい)。


ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-09-28 01:53:09] [修正:2016-09-28 01:53:09] [このレビューのURL]

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-08-28 12:35:27] [修正:2016-09-23 19:22:24] [このレビューのURL]

最近ジャンプのマンガ、というか少年マンガに盛り上げ所でくどいばかりにナレーションとかモノローグを多用するという演出をやるものが多くなった気がする。

そういうの読む度に、「うぜぇなあ」、「絵を見りゃ分かるんだから黙ってろよ」、とか思っちゃう。マンガの描き方の教科書とかに「何でも文字で説明するのはやめましょう」とか書かれてた気がするんだけどなあ、とか思っちゃう。マンガ描かないけど。
でもある時ふと、これってもしかして富樫のマネしてるのかなあと気づいた。そういえばハンターにはやたらとナレーションとか多い。キメラアント編からやたらと多くなった気がする。

ハンターハンターは超絶おもしろいマンガだから、みんな影響を受けて、富樫のカッコよくて一番マネしやすい部分をマネしたのかなあ。
だとしたらみんな面白いモノが描きたくてこの演出を取り入れて、結果的にサムイことになってんのかなあ。だとしたら呪われてるな。とかなんとか思ってしまう。

なんか、この人の文章が持ってる特殊さって、普通の人が目指してるものと違う気がする。なんというか詩的なんだよな、ポエム的というか。
(ポエムって言ったら昨今バカにされるけどさ、あれは間違ってると思う。)

少ない言葉でこちらの想像力を引き立てることが出来る言葉の使い方というか、そういう才能があるからあの演出も許される、様になってるのであって、普通の人がやってもダメだよなあ、なんて思った。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-09-15 16:30:02] [修正:2016-09-15 16:30:02] [このレビューのURL]

ヤクザ、超能力者といった社会からやや外れた人たちの日常をユーモラスに描いた漫画。

パッと見は地味だがやってる事は非常に高度。
作中の登場人物は誰しも実に人間らしい。
彼らには彼らの事情があり、仲間同士で配慮しつつもあくまで身勝手に振る舞っている。
当人たちは大まじめだし、何もおかしな事はしていないのに、
それを外から眺めると大爆笑になってしまう。

コマ割りやセリフの整理も行き届き漫画として無駄なところがない。

ストーリー的には良い話の裏側のクソ話が多い。
例えば、ずっと友達だよと言いながらしれっと裏切って
裏切りで得た余裕を使いその友達を助けるといったイメージ。
毎回で主人公を変えるショート形式で、どこから読んでも大丈夫。
だが気に入ったなら最初から読んでみるのがオススメ。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-07-25 08:58:02] [修正:2016-07-25 09:02:46] [このレビューのURL]

原作以外の「レミゼラブル」じゃ最高の出来ではないかと思うほどの作品。漫画媒体の魅力を存分に活かしているので、原作とも別次元で競えるのではと思います。作者の連載作を全部読んでいますが、もともとの安定した実力に加えてキャラ描写、画力、演出全ての面で成長が感じられました。現在の最高傑作だと思います。みなもと先生の同漫画化作品を読んで先に大まかに把握したのが今となっては惜しいほど(あれはあれで楽しめたしギャグはともかく上手く要約してたんだなと再確認は出来たが)、全8巻で忠実かつエピソードが豊富、ダレた感じもないまま円満に終われた感じで綺麗に完結しています。古典名作をこのような形の質量で漫画化というのがもっと広まって欲しいと漫画好きとしては願います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-07-23 11:46:03] [修正:2016-07-23 11:46:51] [このレビューのURL]

輪廻転生を題材に長年に渡る主人公、ヒロインの宿縁(宿敵的)を描いた作品。まず「惑星のさみだれ」では痛いキャラやノリが目立ったものの、こちらではそれは抑えられています。本筋が中心なので目立たずに済んだというか。そして何よりストーリーが全6巻と思えないほど壮大です。

過去、現在、未来それぞれの時代や場所を舞台(編)として、リンクさせて行く手法で唸らされました(感覚的に「火の鳥」の猿田などに近い)。特に現世の主人公以外の登場人物達も舞台ごとに配置しつつ、未来の世界を過去生とする時の円環を利用したのが効いたなと。後半やや霊学というSF的な説明調が増えてテンポを削いだなと思うところ、最後に本筋と関係ない部分で少し謎を残したところはありましたが、全てを現在に集約して、輪廻転生というものに肯定的な深みを感じつつ余韻を残した畳み方は見事でした(握手のシーンは感動)。最近「さみだれ」の方は一時の高いネット評も落ちている感じですが(批判も目にするようになった)、こちらの作品の方はそういう人にも薦められるのではと思えるほどの作品でした。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-07-08 00:20:03] [修正:2016-07-08 00:20:03] [このレビューのURL]

ラジオDJを下地に展開する、どこかサイケな四方山話。

地方のローカルラジオから展開するサクセスストーリーかと思いきや、意外とラジオ以外の話題や描写も多く、まだまだ序盤、導入の段階という雰囲気で、既刊2巻を読んだだけでは全体図や着地点を想像できません。作品の出発点は「ラジオと恋愛の漫画」だそうで、今後はそっちにウェイトを移していくでしょう。

「じゃあ手探り状態のこの漫画は面白いのか?」ということですが、凄く面白いです。肩の力を抜いて楽しく読める作品です。
主人公・ミナレはかなり愉快な感性を持った人物で、彼女というレンズを通して映る作中の日常はとても魅力的です。
1つの話題に対するミナレの考え方、リアクションは人間臭さとクレイジーさを併せ持っていて飽きませんし、軽快なテンポと独特のユーモアを織り込んだ会話の応酬が読者を作品世界に引き込みます。
全編通じて読み手を緊張させない漫画で、王道のギャグテイストではなくシニカル・シュール寄りの作品です。大人向けだと思います。

地方ラジオを主軸に置いた漫画作品は珍しいですし、ラジオ界隈のトリビア収集だけでなく、大人な恋愛や奇抜な登場人物、少しズレた人間関係といった多様な要素も内包しながら展開するであろう今作に期待を禁じえません。
安易な萌えに流されない沙村作画も健在で、キャッチーな表紙もポイントです。

少しコアな印象がありますが、だからこそ漫画好きに薦めたいタイトルです!


3巻以降の展開で必要を感じれば追記するかもしれません。
漫画大賞2016 6位入賞作品('16/6/30時点 既刊2巻)

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-06-30 01:33:57] [修正:2016-06-30 01:33:57] [このレビューのURL]

元祖・漫画家漫画。バクマン。の二人は、計算高すぎて鼻に付きますが、
まんが道は言わずもがな両藤子不二雄がモデルになっており、キャラクターへの不快感ゼロ。
不快感があるとしたら、武藤と初期の日上のみ!

それにしても主役2人が非常に愛らしいキャラクターでたまりません。
彼らは真っ向から、王道を愚直に描き続けます。
友でありライバルだという関係性が2人を強くしたのですね。

また、当時お二人が描かれた作品がそのまま掲載されており、当時の漫画文化を感じて面白いです。
決して当時の漫画自体が面白い訳ではないので、悪しからず。笑
やはり時代性があるのでね。。。

昔から藤子F先生は夢のある作品を描き、A先生はコンプレックスをぶつけたり、現実主義な作品を描いている風潮が伺えるので、興味深いです。
特にF先生の、ライオンと子鹿の作品はめちゃくちゃ優しい。笑

手塚治虫や寺田博雄、当時まんが道を真剣に目指した仲間との出会いが、本当にドラマティックです。
つくづくこの時代の漫画家は純粋に、真剣に漫画に臨んでた事が分かります。
「邪道漫画を目指す」なんて発言したら、テラさんに「ばかっ!!」と一蹴されますからね。

とにかく、過去の漫画家さんにリスペクトのある方、
漫画通(を名乗りたい)という方は必ず通るべき道でしょう。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-06-28 21:55:28] [修正:2016-06-28 21:55:28] [このレビューのURL]

最凶最悪の道徳の教科書。
これでもかというリアリティ溢れる痛みの表現に、読み手も想像力を働かさずにはいられない(はず…)。

おそらく、まともな方はこの作品に多少なりとも嫌悪感を抱くのではないでしょうか。
残酷性だけでなく、ゴチャゴチャして情報量が多く、癖がありスロースターターな作風も相まって、作品に入り込む敷居はかなり高めになっていると思います。

しかし、これは例えば「殺し屋1」の様な、娯楽暴力漫画等とは性質そのものが違います。
作者のメッセージや問題提起は、キャラクターによってきっちり代弁されています。

めちゃくちゃ当たり前の事を言いますが、読み手がまず敷居を跨げるか、
そしてこの物語やメッセージをどの様に想像、解釈出来るかで評価が分かれてくると思います。
「そんなに小難しく漫画を読みたくない」という方はスルーしていい作品です。

また、低評価を付けられている方を軽んじている訳では決してありません。
(私も、世間的に評価されている「風の谷のナウシカ」を、前述のゴチャゴチャした読みにくさという点で、思考停止してしまったクチなので。)


色々書きましたが、作品そのものの性質としては、「寄生獣」とも変わらない気もする、崇高なテーマの作品だと思っています。
そして特筆すべきは、この作者は時代の先見性に優れ、キャラクターやセリフが洗練されています。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-06-28 21:49:46] [修正:2016-06-28 21:49:46] [このレビューのURL]

こんなに面白い漫画、今の今まで見逃してたんだ…ってくらい、出会えて良かった作品。


バレエがテーマではあるけど、心理描写やキャラの成長の過程が非常に丁寧。
初っ端からドロドロしてたのが、良い掴みになっている様に思います。

所見こそ、淡白な絵や、セリフやリアクションから古臭さを感じたのが正直なところですが、
主人公の魅力やストーリーに夢中にさせられたので、2巻くらいからはまったく気にならずに読めました。
キャリアが長いだけあって、本当に実力のある作家さんだと感じました。(偉そうにすいません。)

色々衝撃的な展開だという前情報だけあったのも影響してか、最後まで緊張感持ちながら見れました。

この作者を一気に信頼しちゃって、日出処の天子やアラベスク、テレプシコーラ2部等、主要作品を買い揃えちゃったのですが、
絶版されているものも多く、ネット以外での入手難易度が高かったです。。笑

じっくり読んでレビューを増やしていきたいと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-06-21 22:43:51] [修正:2016-06-21 22:43:51] [このレビューのURL]

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