「gundam22v」さんのページ

輪廻転生を題材に長年に渡る主人公、ヒロインの宿縁(宿敵的)を描いた作品。まず「惑星のさみだれ」では痛いキャラやノリが目立ったものの、こちらではそれは抑えられています。本筋が中心なので目立たずに済んだというか。そして何よりストーリーが全6巻と思えないほど壮大です。

過去、現在、未来それぞれの時代や場所を舞台(編)として、リンクさせて行く手法で唸らされました(感覚的に「火の鳥」の猿田などに近い)。特に現世の主人公以外の登場人物達も舞台ごとに配置しつつ、未来の世界を過去生とする時の円環を利用したのが効いたなと。後半やや霊学というSF的な説明調が増えてテンポを削いだなと思うところ、最後に本筋と関係ない部分で少し謎を残したところはありましたが、全てを現在に集約して、輪廻転生というものに肯定的な深みを感じつつ余韻を残した畳み方は見事でした(握手のシーンは感動)。最近「さみだれ」の方は一時の高いネット評も落ちている感じですが(批判も目にするようになった)、こちらの作品の方はそういう人にも薦められるのではと思えるほどの作品でした。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-07-08 00:20:03] [修正:2016-07-08 00:20:03]

月別のレビュー表示