「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

実録の失踪生活を描いた漫画(終盤はアル中治療記)。作者の他作品を知らないで読んだのですが、絵柄の親しみやすさや描写力がさすがベテランだと思います。ホームレス生活までしていた訳ですが(後半は配水工として働いてる)、丁寧かつ面白くおかしく描き、楽しそうにみえるという凄い作品だと思います。こうなっても人間生きていけるんだって感じなので、こっちの方が下手な他の元気づけることを意図してる作品よりも元気が出る漫画かなと思ったりしました。

意図的に暗い感じを排除していると前置きしつつも、実際に作者が失踪生活している間は作中にもあるように、実社会の欝から抜け出して活き活きとして、規則正しい生活と後に襲ってくるアルコール中毒から逃げられている、警察に発見されなければ戻るつもりは一切なかったところは考えさせられるところでした。巻き込まれた家族は大迷惑という大前提の突っ込みがあるので、この辺は目くじら立てずに読める人向けの作品ではありますが、色々な賞を得たり話題になっただけの作品ではあるかと。ただ終盤のアル中病棟話が半端だなあと感じました。続編が出ているらしくそれも読まないと一段落してない終わり方でした(読む予定ですが)。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-04-24 08:55:41] [修正:2016-04-24 08:55:41] [このレビューのURL]

タイトル通りの人類荒廃後の世界観は独自で面白く、原作設定を用いただけで内容が違うらしいですが、そこは原作未読だったので違和感はなかったです。絵柄が可愛く、主人公のサバサバした性格も良いと思いました。人類の滅びに対して悲壮ではなく哀愁を出せていた1、2話は出来が良かったと思います。しかしその後4話が深みのない日常話で全6話(合計1冊)で終わったのが物足りなさがありました。最初2話のノリで全1冊なら短くても納得の出来だったと思うのですが。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-04-23 10:00:14] [修正:2016-04-23 10:00:14] [このレビューのURL]

3点 生活

登場人物達が現代で必殺仕事人みたいなことをする話。前作「僕の小規模な生活」は面白かったのですが、これは途中で読めなくなりました。設定的にもこんな狭い街中設定で犯罪者ゴロゴロの治安の悪さ(作者自身同じ特異なニュースを繰り返す報道に影響されてる可能性が高い。実際は日本は世界的にも相当治安が優秀だが)という最大の突っ込みどころがありますし。前作の湿っぽいダウナーな雰囲気もこっちだとただ盛りあがりを欠くだけになります。

なんと言っても実録漫画だからこそ許された感もある画風がアクションを含むこっちでは足枷にしかなってません(本のサイズ的にもコマが小さいのも前作では情報量が豊富だが、今作では読みにくさに)。前作が受けて他にも実録漫画でコアな人気を得た作者オリジナル作ってことで、強固な支持層による高評価なのかもしれません。今年実写映画化されるようですが(これで作者作品に興味を持った)、相当な映像クオリティが評価されるには必要になりそうな気がします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-04-23 04:55:34] [修正:2016-04-23 04:55:34] [このレビューのURL]

漫画家になるまでの作者実録漫画は他にもありますが、かなり底辺に位置する独自性、葛藤など心理描写、同じ底辺の周囲に対するシニカルな分析と意外な作者のバイタリティとか見るべきものがある作品。下手にもみえる絵ですが表現力と読みやすさはあります。

笑いの要素がほとんどないのが残念ですが、上記のバイタリティでなんとか欝作品にはならないギリギリのラインを保っています。奥さんとの関係は現実だからこその驚きがありました。あれだけ振り回されストーカー扱いされ、何度も関係切れたかなの繰り返しや危機があったのに最後は落ち着くことが出来たことは事実は小説より奇に近いものがあります。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-04-23 02:21:46] [修正:2016-04-23 02:21:46] [このレビューのURL]

「マンガで分かる心療内科」の心理学部分に焦点当てた学園版的な作風。作者が専門家ではないのですが、よく勉強している感じで、心理学ウンチクにギャグを絡めて面白かったです。絵がやや雑なシーンが散見しますが、この作風なら許容は出来ます。サブキャラが増えて、ノリが良くなり、人情的な話も入ったりして、さらに面白くなって来たところで終わったのが残念でしたね。あと数巻は続いて欲しかったです。あとがきで作者が再開への未練から最終話という表記をしなかったところに続編への期待を持ちたいと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-04-15 21:13:01] [修正:2016-04-15 21:13:01] [このレビューのURL]

設定の発想(記憶を飛ばせる薬)は面白いと思いました。ただ一話完結の連続話ですが、あまりにも「記憶は大事なんだよ」という定番メッセージを説教臭い感じで主張している序盤数話で読めなくなってしまいました。画力や演出などは水準には達していると思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-04-09 01:09:30] [修正:2016-04-09 01:09:30] [このレビューのURL]

8点 聲の形

[ネタバレあり]

生々しい障害者へのいじめで連載中話題になった感のある作品ですが、それもテーマの1つという感じでいじめ、人間関係全般を扱っている感じの作品だと思います。それがむしろ良かったですね。健常者である主人公石田の転落、苦悩やそこからの再起など心理描写も含めて良く描けていたと思います。

ヒロインであり聴覚障害者の西宮のかわいさはそれが多少あざとくなる面はあったとはいえ、それでも障害者の苦しみ、彼女が抱える自虐など彼女との交流が安易じゃないところも描けていたと思います。作品としてはヒロインがかわいいのは純粋に評価出来ますし。彼女との恋愛要素を主題ではなく、奥ゆかしい感じで描いていたのも良かった(ただラストは性的なことももうハタチなので扱っても良かったのではと思うが)。
脇を固める人物達も生々しい嫌な部分を描きつつ人間臭かったところにときに腹立ちつつも理解はしました。

終盤衝撃の西宮自殺騒動から話の収束がやや上手く転び過ぎではと思う部分は感じつつも、最終巻石田のこれからの生き方への決意と本当に西宮に謝罪して和解した時は感動もあり、後味良く綺麗に終われました(島田達との決着を描かないのは良かった。島田達の本心は悪意にも向き合う石田の決意をみると改心してなくても構わない訳で、彼らにもし苦悩があったり、改心まで描いてしまうと安易に見える部分もある)。連載中は話題になり過ぎた感もある作品であって、その反動で細部に批判も多かったイメージでしたが、練られた本質を捉えつつ心に響く良作だったと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-04-04 20:05:34] [修正:2016-04-04 20:05:34] [このレビューのURL]

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