「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

イギリス都市伝説設定を用いながら刑事もの要素を入れつつ、バトル漫画として昇華させた作品。作者の前作より画力があがっているところやイギリス都市伝説は勉強になり面白かったです。

あとは地味に纏めた感じでしたが、引き伸ばしなく
おそらく打ち切りでしょうが綺麗に全9巻で締めたのは良かったです。

前作から見てもダークな設定、雰囲気になりながらも芯の部分じゃ王道少年漫画を捨ててない作風は継続しており、今回も活きていたと思います。

上司刑事のセクハラ行為がギャグにもならない不快さだったのともう1つパンチがあればと思うところはありましたが、手堅い良作だったと思います。作者の次回作名作「レミゼラブル」も完結後読む予定ですが楽しみです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-06-29 00:19:03] [修正:2015-06-29 00:19:03] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

既に有名作品だと思いますが、それだけのものがある
と思います。デブリという宇宙ごみに注目した設定が
斬新ですし、主人公が宇宙ごみ処理仕事から
木星開拓宇宙飛行士を目指す中での哲学的な
話も「ここ(地球)も宇宙なんだ」とか
言って一瞬「え?」っとなった後で「おお」と感銘
を受けたりしました。画力も力があり最初は粗い
ですが、徐々に整って行きます。色んな話が盛り込まれて
全4巻ですが不足を感じないほど密度が濃かった
です。愛に関しては賛否両論のようですが、1人で生きて
1人で死んで満足な人もいるだろうと思う点では1つの
主張に過ぎないと思いますが、1つの立場としては筋が通って
いた方かと。対論としてロックスミスという主人公の
ラストでの主張にも否定的な人物もいましたし(彼の
エピソードも印象的。アニメ版にはない)。

アニメでも結構知られている作品のようですが、やはり原作の
方が良いと思いました。向こうにある軽すぎて、悪ノリ
ではという話がこちらにはありませんし(オリキャラ
使ってのオフィスコメディや恋愛話)、向こうでクライマックスに持って来て焦点当てたテロとの戦いが愛という
言葉で切り捨て的に後味がやや悪いのが、こっちではすぐに単発話で終わって、紹介に留まり尾を引かず粗が目立ってませんから。

そういう意味でもアニメしか見ていないという人、短い
漫画で面白い作品を探している人にも特にお薦めの作品
だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-06-28 12:01:16] [修正:2015-06-28 12:01:16] [このレビューのURL]

1話完結が基本の職業物語で最初から最後まで面白いです。
画力が最初からあって多少崩れますが最後まで
高いまま。キャラデザも親しみやすいです。
内容がサービス業の薀蓄の解説だけじゃなく、人の生き方
、人と人との関わり方まで触れる内容まで進んで哲学にも
入っていて読んでいて刺激を感じました。
この辺に関しては他の薀蓄系と違い考えを変えるだけで良いので即効性もあります。
話も最初はオチが読みやすいのからちょっとした捻りが加わって、後半の方が熟成感がありました。

最初はただのマスコットヒロインかと見えた涼子が主人公
になって、最上・水無月・朝霧という三者三様の先輩一流コンシェルジュと触れ合い、自分のコンシェルジュ像を確立
するという大きな物語が存在している辺りも読み進めてどんどん面白くなったと思います。最上主人公でヒロイン涼子でスーパーコンシェルジュ話で進んでたらマンネリ傾向になっていた
でしょうが、最上の存在感を抑えて他のキャラ話も交えて
涼子を中心とした良い成長群像劇になったかと。
仲間との協力や雰囲気が良いのでただの職場って感じじゃなくてアットホーム感があったのも良いですね。
雑誌関係で急遽の終了だったようですが綺麗に畳んでいるので
質が高いまま終わったと思います。
付録4コマも結構面白くてキャラ達の掘り下げに貢献していました。

欠点は政治の話になった時に明らかに特定の主張をする
キャラを賛美して(対論は示さない)、その逆は容赦なく貶してる感じだったことです。現実のモデルとなる人をかなり酷似
したまま出しちゃうのでここへの偏り感は残念になりました。作者はブログで炎上事件を起こしたことも
あるらしく勇み足気味らしいですが(ガッシュの作者を誹謗中傷してしまったようですが)。しばらくするとこの手の話をグッと抑えたこと(この漫画の推す某政党が政権交代されるほど不人気だった時事が大きかったと思われる)、それ以外上記の普遍的な価値話は良く出来ていたので欠点は低めに見て、職業もの1話完結型を探している人、特にサービス関係に興味がある人にはオススメしたい漫画です。十分完結しているので第二部的なプラチナム以降は話の内容、質的にも蛇足だと考えます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-03-02 18:25:02] [修正:2015-06-22 01:23:52] [このレビューのURL]

一昔前のホラーパニック漫画ですが、人類の死活命題(本作は食糧)と危険な科学技術について考えさせられる設定は今でも十分に通じるかと思います。時代が変遷して登場人物が変遷する3部構成(10歳、13歳、20歳)ですが、それぞれの話に繋がりと変遷ならではの面白みがあり、全12巻で中だるみなく一気に読み切れる面白さがあります。作者が舞台作家らしくテンポの良さ(現在の漫画ならどれだけ引き伸ばされたか)、たまにハッとするセンスの良いセリフは上手さがあります。

画力はあれど絵柄に癖が強く、年齢に合ってないような老けキャラ達の連発、悪人は見るからに悪人相の少年漫画の悪い意味での定番、キャラ達の年齢設定は地位や行動みるともう5歳はあげても良かったのでは、三部は展開にご都合色が強い、など問題点も感じましたが、チャンピオンの暗黒時代を支えたとの評もあるだけの隠れた名作だと思います。大団円でまとめながら一抹の皮肉を残すオチも印象的で良かったと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-06-16 21:54:58] [修正:2015-06-16 21:57:09] [このレビューのURL]

物足りない。これが総評ですね。一話完結系で設定、主人公とヒロインのキャラも悪くない、それでも基本のストーリーが感動系なんですが、作者がこの系統を狙ってやって無理してる感があるんですね。絵に癖はあれど画力は素晴らしいですが。おそらく作者の実力がフルに発揮されるのはこの分野ではないと思いました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-06-16 21:38:39] [修正:2015-06-16 21:38:39] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

野球は好きなのに野球漫画はあまり読まない。どうしても嘘臭く作りもの感が拭えない。そんな自分でもこの作品は満足出来るほど、理論と実践のバランスが良く作りこまれていた作品だと思います。主人公がプレイヤーではなく監督の異色作品なのですが、それだからこそ理論・戦略・戦術・頭脳戦要素が非常に多いです。

それでも心理戦漫画にありがちな誰かが最初から全てを読み切っていたとかになる訳じゃなく、予想外の展開が起こり、その度に策を練り直す作業をするのでリアル感があがりましたね。采配の要素があっても、それが全てじゃない力勝負に委ねる限界も描かれており、野球の奥深さが描けていたと思います。試合のパターンも多彩で大量先制してから、追い上げられて最後はヒヤヒヤとか他スポーツ漫画じゃ滅多に見られないものがあったりします。

試合以外にも理論的な練習、学校人物の周辺関連の話も面白く、高校野球の表層じゃないシビアな舞台裏を描きながら、バランス良く話が進んだと思います。主人公のポッポ監督がダントツでキャラが立っていましたが、他キャラも派手さはありませんが、個性はあったと思います。浦沢直樹氏に兄弟弟子らしく、作風や絵が良く似ていますが、画力もあり作品が必要以上に汗臭い感じにはならないで個人的には良かったです。ただこういう漫画の仕方ないところですが、全国大会行ってからは因縁・伏線などに乏しく、会場から動かずにゲストキャラと連戦状態になったので熱量が落ちたかなという感じはありました。ただそこでしか描けないものだってたくさんあったのでよく粘ったとは思います。

全44巻と非常に長いですが読み応えがあり、面白さも安定して綺麗に完結した珍しい長編漫画です。野球・心理戦漫画として最高峰の面白さがあります。ただ野球ルールくらいは一応は知っていて、観戦出来るくらいの最低知識は必要でしょうね。それくらいの知識があれば、物語を楽しみつつ野球通レベルまで引き上げてくれるかと。個人的にはもっと有名になっていても良いのではと思うほどの近年漫画の名作だと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2015-05-30 13:22:29] [修正:2015-06-13 19:15:32] [このレビューのURL]

終盤の恋愛絡みで連載中に騒ぎが起こった作品かつ競艇というマイナー競技を題材とした漫画で長いなあというのが読む前の印象だった作品です。最初の6、7巻くらいが競艇学校でレースにはなかなか行きません。これがつまらないことはないのですが、いきなり敷居を感じました。しかしこれがあってこそという作品だったのは間違いないです。

ここでルールと基礎を覚えたことが競艇の奥深さをその後理解できるという格好になり、完全に初心者でも門戸を開くようになりましたから。それからは安定した面白さを保ちました。主人公波多野、ライバル洞口が無双する訳ではなく、それなりに挫折があり(怪我の下りは印象的。古池さんという主人公に物言う師匠がついたのも良かった)、課題を克服しつつ互いに地位が上下するのは面白かったですね。時間をかけてトップレイサーになって行きます。周辺人物達も実力、地位様々ですがそれぞれの活躍を描けていたと思います。

「帯ギュ」に比べると登場人物の人間性に黒さも出ますが、人間臭くて良かったとは思います(本当の腹黒人間はほとんど居ませんし)。終盤はその恋愛絡みは多少縺れましたが、積み重ねて来たのものが活きて実に綺麗に畳んで関心しました。恋愛絡みもありますが、普段はレース・競艇絡みの話が「帯ギュ」に比べると多いです(競艇選手の私生活の厳しさを逆に描けているが、息抜き部分がないとも言える)。浮気と言ってもキス1つしてないし、波多野は最後にはちゃんとケジメをつけた訳で(その選択も人として正しいもの)、人物達が納得する良い落としどころに行き着いて良かったです。振られた青島が行き着いた心情独白には感動しましたしね。なんだかんだで終盤の人間ドラマにも盛りあがりを感じました。

全30巻と長いですが、競艇という独自の世界を正面から描き切った功績は大きいと思います。レースの奥深さ、選手達の舞台裏も分かり敬意を抱けました。ギャンブルなのに不思議な爽やかさもあります。クオリティは同等だと思いますが、個人的な好みは「帯ギュ」以上でした。スポーツ漫画の名作だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-06-13 14:45:48] [修正:2015-06-13 14:45:48] [このレビューのURL]

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