「ごまあぶら」さんのページ

[ネタバレあり]

これには相当びっくりしました。
大事なシーンの後、当たり前のように「なかったこと」になっているんです。
クスリで眠らされてレイプされる話の後、その話に出てくる人たちは一回も出てこないし、それ自体何の関わりもなく過ぎ去っていくのです。
そのようなことがたくさんあって進んでいきます。

中身は最初の巻から引き込まれていきました。
日常を書いているはずなのに、気付いたら非日常にいる。そんな毎日。
空気がBECKに似ていると思ったときもありました。ただ、こっちは残酷すぎます。

人間の嫌なところを書いて、否定して、自分のいいようなところだけを肯定して、主人公が一人の人間として偶像をかき消していて。
抉るのがほんとにうまい作者でした。

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[投稿:2006-06-29 14:39:10] [修正:2006-06-29 14:39:10]