「そのばしのぎ」さんのページ

増田剛の「御石神落とし」はコメディ・ファンタジーの要素を加えながら、明治以降に日本が取り入れてきた諸外国の習慣に疑問を投げかける作品ですが、
こちらは隔絶されたムラに踏み込んでしまった為に起きた事件と愛憎劇をシリアスに描いている。
民俗学でもタブー視されていた性の分野であるだけに、現在のモラルとのギャップに登場人物達は悩み、殺人こそ起こらないが一歩間違えれば津山三十人殺し事件のような猟奇事件になりかねない怖さがある。

どちらも赤松啓介の影響などが大きいだろうが、寺山修司も映画などでこういった土着的な世界観は得意としていたんじゃないないだろうか。100年位経たないと理解されない事かもしれない。

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[投稿:2010-09-17 14:56:59] [修正:2010-09-17 14:56:59]