「そのばしのぎ」さんのページ
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- ネット上には漫画にしろ映画や音楽にしろ、色々な素人レビューが溢れかえってます。 そんな中で読んで面白いなと思っていたのが映画「シベリア超特急」やエド・ウッド作品のレビュー... 続きを表示>>

「銀河鉄道の夜」と言えば宮沢賢治の有名な童話のひとつであるが、
実際には途中の原稿が紛失されており、完全な形では現存していない。
また、何度も推敲を重ねて書かれており、初期形と最終稿では、
展開が異なっている。
初期稿では物語の最後にこのブルカニロ博士なる人物が登場し、
夢の四次元鉄道について講釈をたれる。
ゆえになぜジョバンニが銀河鉄道に乗り込む羽目になったのか
理屈としてわかりやすくなっているのだが、賢治はこれを蛇足としたのだろう。
最終稿ではばっさり削って読者の想像にゆだねたのだと思う。
本来は最終稿だけ読めば良い物なのだが、敢えてこのアウトテイクまで漫画化してしまった所にますむら氏のマニアぶりが伺える。
音楽でもそうだが、異なるテイクを聴き比べる事により、作品のできる過程を感じ取る事ができる。マニアの楽しみなので公的には不要な物ではあるが、こういうお遊びは嫌いではない。
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[投稿:2010-11-01 21:34:30] [修正:2010-11-01 21:34:30]