「shun」さんのページ
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- 1985年生まれ(性別:男性)
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少年、青年、少女、レディースのジャンル問わずに挑戦します。
ネタバレせずに、読んだだけで自分が思い出せるように書くことが目標。
点数は漫画的評価であって、好きか嫌いかの指標にはしないこととします。
構成・画・作品特有の評価点で評価することを基準とします。
歴史的価値も評価には含めますが、今見て面白いかどうかを重視します。
他の方と比べると、点数は全体的に厳し目になっています。
点数の意味合い補足。
3点以下:作品として失敗していると感じる作品。不快感や不満や批判を書かざるをえない作品。
4点:読み終えたが、あまり人に薦めはしない作品。
5点:漫画としてある程度評価するが、あと少しの作品。
6点:読む価値のあるおすすめしたい作品。秀作。
7点:高い完成度の作品。この点数以上であれば、成功している作品と評価する。
8点:読んで本当に良かったと思える作品。何度も読み返す価値のある作品。
9点:名作。個人的漫画史に足跡を残す作品。感動や驚きのある作品。
10点:後世に残したい、自分に大きく影響を及ぼした作品。啓蒙したいと思える作品。
基本的には完結した作品について評価します。どうしても書き伝えたい作品だけ連載中作品も評価します。

8点 アオイホノオ
作者の自伝というか1980年台描写漫画と言える。
当時の芸大の雰囲気や、当時のオタクの雰囲気を、作者のフィルターを通してみることが出来て面白い。
面白さの一つは、作者の分身である主人公を通してオタクの観点を解説するところにあると思う。
現代のビデオやインターネット等の、情報があふれた時代では考えられない情報への渇望が、
熱すぎるほど伝わってくる。もちろん特殊な観点なのかもしれないが、熱すぎて面白い。
あだち充や高橋留美子や原秀則などの才能を開花させ始めた漫画家たちに、自分がやりたかったことを先取られたと落胆するが、
面白さの分析を交えた賞賛と、第三者の未熟者ならではの見下しの観点により、卑屈ではあるが嫌味に感じない。
「俺だけはわかるが実は作者はこういう事を考えているのだ。しかも楽だ。俺にもできる!」(しかしやらない)
基本的にこの流れで話は進んでいくが、今や様式美となっている漫画のテクニックを、
主人公を通して、それを最初にやった素晴らしさがよく分かる内容になっている。
主人公だけだと、落胆→賞賛→見下し→やらない のループで単調になりがちだが、
主人公と錯綜するGAINAX設立メンバーが時代を掴むまでのストーリーを交えて、
2つのストーリーが同時進行し、単調にならないようになっている。
こちらもまた、キャラクターが生きていて面白い。
なかなか前に進まないもどかしさが大きくなってくるが、展開が遅いというよりも
当時の時間を大切に(濃度を濃く)進めていると感じた。
漫画の方程式を崩し始めたニューウェーブ達を、今も楽しめる良い作品になってきた。
当時をリアルタイムに味わっていない私でも、十分に楽しめた。1980年台以前の生まれの方は、なお一層楽しめるだろう。
吼えろシリーズとは違った面白さがある良作です。
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[投稿:2014-08-21 10:59:24] [修正:2014-08-21 10:59:24]