「団背広」さんのページ

総レビュー数: 137レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年05月03日

[ネタバレあり]

「谷仮面」があまりに素晴らしかったので、その勢いでこの漫画も全巻読破。まず柴田ヨクサルが割と格闘漫画をしっかり描けていることにびっくりしたりして。
いや、もうなんか典型的な格闘「マンガ」なんだけど、現実と虚構のこのギリギリ中間あたりに立ってる感じがしていいのよ。みんな変な技しか使わないけど妙に生活感あるし。
月雄なんて預金が5000円しかないんだぞ!ブルーカラーは大変だよ!

とにかく出てくるキャラがもうみんな個性的で、イキイキしていていいよなあ。マキの友達たちとかさ。
ただなんか脇役の個性が強すぎて、主人公がかなり目立たなくなってしまってるけど…
まあ、坂本ジュリエッタとか、一部の脇役が異常すぎるから仕方ないような気もするが。あんまり主人公だけが活躍する漫画でもないしなー。
つーか坂本ジュリエッタは沢田研二歌わなくなったなぁ、あれが好きだったのに…

そんなわけで面白いキャラクターが山ほどいるこの漫画だが、中でも俺が好きなのが崎山香織とルチャマスター。
崎山香織が過去の悲惨なトラウマを「化剄双按」で吹っ飛ばしたあのシーンには痺れたぜ!何をされてもめげない女っつーのはかっこいいな。
あとルチャマスターは馬鹿だから好き。「俺はガンダムの最終回のガンダムくらい強いぞ」ってセリフにかなりウケた。実際はビグザム程度の強さだったけど…

そして現在、クライマックスに向けて加速しつつあるこの漫画。
ラストだと思われる渺茫戦もしっかり脇役を活かす展開になっていたので一安心だ。完結したらまた少しレビューを書き足しましょうかね。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-09-24 23:36:22] [修正:2005-09-24 23:36:22] [このレビューのURL]

10点 谷仮面

[ネタバレあり]

うおっ、おもしれー!超おもしれー、っていうか最高!!
思春期高校生の無駄に一直線なパワーを、そのまま「とんでもない馬鹿力」として漫画にしたこのアイデアは素晴らしい!読んでてこんなに爽快で気持ちいい漫画は久しぶりだよ!

とにかく仮面高校生・谷はムカついたら殴る。殴って壁を破壊!校舎を粉砕!不良をアッパーで屋上まで吹っ飛ばす!
こんなマンガもマンガな馬鹿らしい描写を恥ずかしげもなく、むしろ思い切ってやってくれるからすごく楽しいんだよなー。なんかガキのころに特撮ヒーローが活躍するのを見て心から楽しんでいた、あの感覚を思い出したぞ!
それに脇役もちゃんとキャラ立ってるし(変な奴ばっかりだが)、なんかセリフの節々に普通じゃない変な味があって、いいねえ。

全編通して面白いが、特に後半の告白シーンが最高だった。
せっかく島さんに告白してもらったのに、「ああ、そんなわけない。これは夢だ…」と逆に落ち込む谷!
そして「あんまり夢の中の俺をナメるなよ!いいか夢の中の俺は凶悪犯だ!」と逆ギレする谷!
うあー、なんかその気持ちわかるぞ!その無軌道っぷり、最高だッ!!

いやー、ここまで読んでて楽しかった漫画は久しぶりだわ。
え、ちょっと絵が下手?知るか!気にすんな!気にしなけりゃ最高なんだよ、この漫画は!
で、点数。まぁ正直これに10点つけるのはどうかとも思うんですが…でもそれくらい楽しんだからなあ。典型的な名作しか10点つけちゃいかんってこともないだろうし。
つーわけで10点満点!最高!谷最高!

ナイスレビュー: 3

[投稿:2005-09-24 23:05:44] [修正:2005-09-24 23:05:44] [このレビューのURL]

手塚治虫は初期の作品よりも後期の作品があまりにも有名であるため、「火の鳥」「ブラックジャック」などの鮮烈なテーマ性を初期の作品にも期待すると肩すかしを食らってしまう。
なのでこの漫画も変な期待をせずに、「古き良き時代の名作」として楽しむのが良いでしょうな。手塚だって最初から漫画の神様だったわけじゃないしね。

そういう風に割り切って、微笑ましい気持ちでこの本を読んでいたら…驚いた。つーかビビッた。
あれが出てくるんですよ、あれが。遊園地で有名な世界一金にうるさいネズミが出てくるんですよ!
ミキマウス・ウォルトデズニイとかいう中途半端な名前で出てくるんで、多分許可も何も取ってないただのパロディ。
おいおい、手塚も無邪気に漫画書いてる時代があったんだなーとか思いながら読んでたけど無邪気すぎだよ。一番危険なところをパロってるじゃねーか!
そんなヤバい内容を含みながらもこの作品が普通に出版されているのは、やはりライオンキングの件で向こうにも負い目があるからでしょうな。あーあ、微笑ましい気持ちで読んでたのになんか大人の事情が垣間見えちゃってちょっとゲンナリ…

そうそう、黒田硫黄が「大王」にてこの作品のオマージュ的な短編(題名もそのまま「メトロポリス」)を書いているので、それと比べて読んでみるのも面白いですよ。
黒田版と手塚版の「お前は人造人間だ」「えー」の違いがはっきりしすぎてて笑える。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-09-16 21:41:03] [修正:2005-09-16 21:41:03] [このレビューのURL]

えっここで終わり?マジで?おーいちょっと!手塚ー!!と天国に向かって叫びたくなる作品。
読後の消化不良感はかのプリンセス・ハオに勝るとも劣らないレベル。なので、まぁ読む場合には覚悟しておいたほうがいいかと…

しかしもったいねぇなぁ、すごく面白い素材なのにさ。
最初の映画じみた始まり方からしてこりゃ傑作じゃねぇかとか思ったし、冷凍睡眠を長く続けると頭がおかしくなるという設定もすごくSF的で面白いし。
狂った悪人とそれに惹かれる女のドラマとか、人間が体に大穴開けられてゴミみたいに死ぬ描写とか、光る部分がたくさんあるのになー。ホントもったいねーわ。誰か映画かなんかでリメイクしてくれよ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-09-16 21:11:32] [修正:2005-09-16 21:11:32] [このレビューのURL]

7点

結構ストーリーめいたこともやっているが、基本は取材漫画。
コンビニがなぜ儲からないのか?漫画雑誌の原価はいくらか?などの業界の裏事情を鈴木みそが徹底的にピッキング。
「金」がいかに世の中を回り、いかに使われて商品やサービスと化していくかがよくわかる大人向けの社会化見学漫画。

その手の話が嫌いでなければ読んで損無し。鈴木みそ先生はこの手のものに慣れてるからか、すごく読みやすいしね。


(05.9/12追記)
3巻のカフェの話にやられた…。どんなひでえ終わり方するんだろうと思って読んでいたら、すごくいい話にまとまっていてびっくり。
料理音痴な娘の料理を食って、「不思議な味だが…うん、うまいぞ」と言う親父さんにホロリとしてしまったよ。
あー、この手の親子ものにはホント弱いんだよなー、俺。なんか秘孔を突かれた気分。

鈴木みそはたまにこういうすげえいい話作るから、ただの取材漫画家と切って捨てれないんだよ。基本的にシビアな物の見方をする人だけど、そういう人だからこそ書けるものっていうのがあるんだよな。
とにかく3巻にやられた。+1して7点!

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-05-19 17:28:27] [修正:2005-09-12 21:24:37] [このレビューのURL]

このノリってあれだよね、「テクノ番長」思い出すよね。と言ってわかる人は多分一人もおらんだろう。
いやー、なんか平野耕太と同じくらいこの人は開き直ったオタクだなーと思ってね。

すげーネタの面白さが不安定で、ゲラゲラ笑ったあとに急激に冷めるような落ち着かないギャグ漫画。「ラブやん」もそんな感じだし、これはこの人の個性なんですかねぇ…
でもネタの爆発力は結構高いので、まぁ掘り出し物を探すような気持ちで読んでみても損は無いかと。
とりあえず俺は、思いっきり変態仮面パクってる水っ球さんのインパクトとキスシーンの「眼鏡邪魔ッ!」にやられた。ほんっと真面目に漫画書く気ないよな、この人…最高だ!

ところで原作者としてクレジットされているゆうきまさみ先生のテイストは、田丸浩史がガッスガス削ってしまったのでほとんど残っておりません。ファンは気をつけよう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-09-12 01:44:27] [修正:2005-09-12 01:44:27] [このレビューのURL]

なんかシンプルすぎる絵がなぁとか思って食わず嫌いしていたが、読んでみると結構面白い。
命を安く扱っておらず、その割に食人シーンなんかのバッドテイストも併せ持つという、このバランスの良さがいいわな。うむ、頑張ってるねぇ。
まだ序盤あたりしか読んでないが、そのうち全部読もう。

しかし、こういう俺のような漫画辛党でも抵抗感なしに読める少年漫画ってのはいまや貴重なんだよなぁ。ギャーギャーうるさい世間のせいでハードなものが作りづらくなっちまったんでさ。
最近やたらに「漫画や映画、ゲームのせいで子供の死に対する感覚が鈍磨している!」なんて声を聞くが、んなこと言ってる連中はこの漫画が子供に大ウケしてるって現状を見てから物を言えよ。映画化もゲーム化もしたし。
完結したらまたレビューするとしよう。

あー、こういうハードな部分やバッドテイストのある漫画が、もっと日の目を見れる状況になりゃあいいんだけどな…ま、期待薄かね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-09-11 02:18:27] [修正:2005-09-11 02:18:27] [このレビューのURL]

おう、ジャンプでキチガイ漫画が連載してる。いい傾向だ。
もっと夢に出てきそうなくらい危険な変態やらキチガイやらをいっぱい書いて、子供らにガンガントラウマを植え付けてやってくれ!

一時期話題になった「ドーピングコンソメスープ」がなかなかウケた。本家よりパロディネタのほうが面白かった気もするけど…ドーピングコンソメ仙道とか。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-09-11 02:02:15] [修正:2005-09-11 02:02:15] [このレビューのURL]

そこまで嫌いでもないけど、ネタが小学生レベルな感じがしてなんとも…
1巻につき1回しか笑えねぇような感じ。
シュールなギャグ漫画目指すんだったらもっとハイセンスなものが欲しいな。まぁ、それじゃジャンプの読者層にはウケねぇから仕方ないんだけど。

でも、少し前のジャンプでは俺も笑えたギャグ漫画、あったんだけどな…最近じゃさっぱりだ。
俺がスレちまったのか、ジャンプが幼稚になっちまったのか。どっちかな、両方かな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-09-11 01:33:38] [修正:2005-09-11 01:33:38] [このレビューのURL]

何か惜しい。もう少し、あと一歩踏み込んで欲しかった。
「長い夜」も「路地裏」も、もっとショッパくできる。もっと深く描くことができる。
こう、胸をかきむしりたくなるような童貞っぽい悶々をもっと強く描いてほしかった。本当にあと一歩足りない感じ。
「真夜中の聖火ランナー」なんてすごくいいアイデアなんだから、こんなすぐに妥協せずにもっと深く描いてほしかったなぁ…そうすりゃ傑作になったかもしれないのに。

それにしてもこの本、ページ数半分にできるんじゃないだろうか。どうにも無駄が多い気がする。
コマ割りをもっと考えてなおかつ無駄な部分をカットしていけば、上手くまとまったいい作品になれたと思うんだけど…
そういう無駄というか、ダラダラした部分を見せたかったのかもしれないが、それならそれでまだ見せ方というものがあるはず。
「敷居の住人」や藤子不二雄の短編とかを見習って欲しいな。これで1000円はちょっとあんまりだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-08-10 02:12:24] [修正:2005-08-10 02:12:24] [このレビューのURL]