「polojo」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2013年05月11日

まさに『ポケモン版ジョジョ』、まだ緻密な戦略やシリアスなストーリー展開で読者を大いに楽しませてくれます。何より、ポケモンという存在に大いなる愛と敬意を感じます。

ただ、この漫画はその外の部分で非常にツキのない作品というか、『もっと売れても良い』作品だと思います。(多分、読んだ人であればそう感じるのではないでしょうか)

その要素を書き下ろしてみました。

1.作画者の交代
初期の作画は真斗氏。しかし、体調不良を原因に途中から山本サトシ氏に変わっています。真斗氏が描くキュートなキャラクターから、クールな雰囲気を好む山本氏に変更になったことは僕自身かなり残念でした。
まぁ、この好みは人それぞれなので一概に不幸ではないと思いますが。

2.連載誌の購読対象が独特
もともと『小学生シリーズ』に掲載されていましたが、この小学生シリーズは読者が小学4年生であれば、「小学4年生」を、小学校6年生であれば、『小学6年生』を読むのが普通となっています。(まれに、そうじゃない人もいるとは思いますが)購読者が定期的に確実に入れ替わるという雑誌での掲載は、かなりリスクを伴うんじゃないでしょうか。
そして、『小学生シリーズ』が廃刊になった後も、『コロコロイチバン!』と『ポケモンファン』というあまり有名じゃない雑誌へ引っ越しました。


3.ポケモンというコンテンツによる大人のファン層の獲得の難しさ
この『ポケモン SPECIAL』は子供はもちろん、大人が読んでも十二分に楽しめる作品だと思います(私も単行本を集め始めたのは、大人になってからでしたが思い出補正抜きにしても面白かったと思います)。しかし、大人の漫画ファンは「ポケモン」という題材というだけで、眼中に入れていない人も多いんじゃないでしょうか。

上記の3つが、この漫画の抱えるどうしても外すことのできない足枷だと思います。ただ根強いファンを獲得し続けているのは事実ですし(どうやら1000万部突破しているみたいですし)、何度もいうように作品としての質は非常に高いので、『ポケモン』というだけで敬遠している人にこそ是非とも読んでほしい、おすすめの作品です。








ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-13 21:04:19] [修正:2013-05-13 21:04:19] [このレビューのURL]

ドラマ化で一躍人気になった、タイムスリップドクター漫画(そんなジャンルは多分ないですが^^;)の「仁」で有名な村上もとか氏の作品です。

激動の昭和を生き抜いた龍という一人の男の人生ドラマです。

正直、同氏の作品の中でもっとも過小評価されているのではないかと思っている作品であります。

この物語の素晴らしいところは、龍の経験してきたものがその後の人生に大きく影響しているように描かれている点だと思います。

龍が会得してきた武術や、企業を経験することによって会得したリーダーシップなどが、後の活躍に大きく役に立っています。「それまでの経験の何が役に立つかわからない」という人生の普遍的ともいえる性質を見事に表現していると思います。

また、ダブルヒロインや、実際の歴史上の人物と龍を違和感なく絡めさせる技術は人間ドラマに深みを与えています。そしてこの手法はのちのヒット作「仁」でもいかんなく発揮されています。

最後が若干駆け足ですし、最後みんながどのような人生を送ったのかはうむやむになっている点も多いですが、そこは読者の判断ということでしょう。それまでの面白さを減退させることはあまり無いかと思います。

非常におすすめです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-13 18:57:53] [修正:2013-05-13 18:57:53] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

サラリーマンマンガの表の傑作が「課長島耕作」ならば、裏の傑作はこの「宮本から君へ」だと思います。

新井英樹の初期の作品ということで、画力はまだまだ低い時期です。
しかし新井絵の特徴である『生々しさ』や『生活感』の片りんを所々に垣間見ることができます。

このマンガの面白い点はストーリー展開を読者の予想を裏切りながら、物語が展開します。

例えば宮本が七転八倒しながら頑張り続けるという点は、他の熱血系主人公と同じですが、「これだけ宮本は頑張ったんだから、報われるだろう」といった予測というか願望はあっけなく覆されることが多々あります。

「うわぁ」とか「またかよ・・・」とか読者はそのたびにがっかりするのですが、本当にまれに努力が報われた瞬間は宮本と同じぐらいに「よっしゃああ!!」という気分にさせてくれます。

そしていつの間にか、宮本に感情移入していることに気づいてしまうのです。だから宮本に投げかけられる登場人物のセリフもまるで自分にかたられているかのように心に突き刺さるのだと思います。

『課長島耕作』も十分に傑作ですが、島耕作のあまりの有能ぶりや幸運が鼻につく人には、是非ともおすすめの漫画です。
(むしろ、人生うまく行っていない人が多いので、島耕作より感情移入できる人は多いと思うのですが・・・)

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-05-12 21:00:17] [修正:2013-05-12 21:00:17] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

非常にあらゆる要素のレベルの高い作品だと思います。
画力、ストーリー、演出、起承転結の滑らかさ、SF設定どれをとっても作りこまれた漫画だと思います。

宇宙生活を描いた日常系と言えますね。荒唐無稽な設定ではないので、地上生活は案外ふつうだったりして丁度良い塩梅の近未来の風景だと思います。

人類が発展と出てくる新たな問題。プラネテスで語られている問題も現実には表面化していませんが、ここの問題もある程度リアリティを持っています。(特に中東の問題なんて、かなり深刻な感じがするしなぁ)

エイリアンもミュータントも出てこない、近未来の生活を疑似体験するには、かなりおすすめの面白い漫画です。キャラクターたちも一人一人個性がありグッドです。

敢えて難癖をつけるならば、時折セリフとキャラの表情があっていないコマが数か所あるような気がします。あってないというか、過剰なんです。例えばキャラが怒るシーンがあります。こっちとしては、軽くイラッとする所なんだろうなーと思います。そしたらものすごい怒り顔が待っていて、「えっ?そんなに血走った眼で眉間にしわを寄せるところか?」とこっちはセリフと顔の不一致に若干混乱してしまいます。トラウマに踏み込まれたわけでもなく、完全にオーバーリアクトなんだなーと思います。

しかし『宇宙兄弟』とはまた違った角度で宇宙へのロマンを語ってくれるおすすめの漫画です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-05-17 20:41:48] [修正:2013-05-17 20:41:48] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

インテリ、スポーツマン、軍事知識も豊富、多趣味で紳士のキートンの活躍を描いた作品です。

画力は今より低いですが、浦沢氏の得意芸ともいえる「ヨーロッパ人のかき分け」の技術はすでに完成されています。ロシア人、ドイツ人、イタリア人、英国人など白人をかき分ける技術は本当に素晴らしいものがあると思います。

この漫画はストーリーというものがほとんど存在しません。極端な話キートンと周りの人の生活を描いた「日常系」ともいえます。

よって漫画を面白くする要素は、かなりの部分キャラの魅力、もっというと主人公・キートンの魅力に左右されています。そしてこのキートンが非常に魅力的な人物です。

読めば読むほど、キートンという人物の魅力を知りたくなります。また、どの巻からよんでも全く問題ないです。

読んで何かが残るということは、ないかもしれませんが、おすすめです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-17 03:08:38] [修正:2013-05-17 03:08:38] [このレビューのURL]

この作品の優れているところは、様々な視点からサッカーというスポーツをとらえているところだと思います。

監督視点、選手視点、スタッフ視点、スポンサー視点、立場の違う人が混ざり合って物語を作っています。

なので、ギャグシーンが多くても決して物語が軽くならず、厚みのあるストーリーとなっています。

物語を繰り返し読んで、クラブサッカーとは何かということを考えることができる素晴らしい漫画となっています。

絵のタッチはポップで良いデフォルメがされていて読みやすいため週刊誌向きといえ、何度も読み返せる作品としての強度を有しています。

おすすめです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-17 02:49:07] [修正:2013-05-17 02:49:07] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

小学生の時、クラスで唯一のボンボン派だった自分。

反骨精神より、コロコロコミックよりボンボンが優れていると思っていました。しかし、ヒット作を連発するコロコロに比べて、ボンボンは今一つのものばかり。今見るとターゲットとなる年齢があいまいだったのでしょうね。

この『真・女神転生 デビルチルドレン』もその一つです。ものすごい面白いのですが、いかんせん「えーっと、これは少年誌としては行き過ぎてやしないかい?」と思ってしまう程の、エッジの利いた残酷表現です。

これがメジャーな雑誌に掲載されていたのならば・・・と思わずにはいられないのです。この漫画を戦略的に世に広めることができなかった、ボンボン編集部と講談社に残念な気持ちを隠せずにはいられません。

ともかくおすすめです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-16 00:02:50] [修正:2013-05-16 00:02:50] [このレビューのURL]

8点

[ネタバレあり]

自身も数多の山に登っていた石塚氏が描いた登山漫画。この情報を知る前に『岳』を読んだ際に、山に対する限りない愛と敬意が伝わってきました。

ここまで「おれはこれを描きたいんだ!」とひしひしと伝わってくる漫画になかなか出会えません。

ストーリー運びがうまいわけでも、画力が高いわけでもありません(『孤高の人』の画力には到底及びません)。この漫画は、危険で過酷、死人がでることもザラという山という存在が、なんだかんだで好きなんだという三歩の、そして作者の情熱を楽しむ作品だと思います。

カテゴリー上は青年誌ですが、山にあこがれる少年たちにもおすすめできる良い作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-15 23:51:24] [修正:2013-05-15 23:51:24] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

絵は雑で、キャラクタのデザインもコロコロかわる、話は目的からそれあっちにいったりこっちにいったり、挙句の果てには、長期の連載休止・・・

こんな目も当てられないような惨状の漫画になぜ多くの人の心をつかんでいるのか。

ハンターハンターは王道的なストーリーと王道的なキャラクターに絶妙なスパイスを加えた作品だと思います。

ちょっとビターなシロップがかかったホットケーキみたいなものでしょうか。少年たちが、ちょうどよい背伸びをして見られる漫画です。ゆえに、大人が見ても十二分に面白いんです。

ストーリーが一本化せず、バラバラになっていますが、これは本当に冨樫氏が描きたいものを描いているのでしょう。そして、冨樫氏は描くからには面白いものを提供しようとしているのか、どのストーリーも綿密な設定と練りこまれた演出があります。ここら辺の手は決して抜かないのがプロということでしょうか。

でもできるなら、隔週でいいので描いてほしいですね。


ナイスレビュー: 2

[投稿:2013-05-15 23:29:31] [修正:2013-05-15 23:29:31] [このレビューのURL]

8点 ROOKIES

ルーキーズはまぎれもない青春漫画の名作です。

森田しのヒット作『ろくでなしBLUES』も十二分に面白かったですが、本作では野球がメインテーマになっているので不良どもは成長と同時にチームプレーを覚えていきます。それはつまり『ろくでなし?』よりも不良が『仲間』の大切さを知ることの説得力を一段と強くしています。

野球の試合は迫力満点。もちろん、ケンカシーンも少なからず存在します。

お涙ちょうだいシーンが過剰だったり、川藤氏の純粋すぎる人間性が嫌いな人はいるかもしれませんが。

この作品はドラマ化、映画化しましたが、漫画にあった汗臭さ、汚らしさがなく魅力が半減していました(俳優さんたちの演技は思ったより良かったです)。

ともかく映画を見るぐらいなら、漫画を読んでください。

ひじょうにおすすめです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-14 01:31:31] [修正:2013-05-14 01:31:31] [このレビューのURL]

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