「佐々木裕健」さんのページ

総レビュー数: 58レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年06月12日

「リアルな恋愛模様」と「ピュアな純愛物語」
これは本来二者択一であり、両方を同じ作品で表現することは根本的に不可能である。

なぜなら、リアルな恋愛には、嫉妬や打算、計算、浮気がつきものであり、それはピュアとは正反対である。
また、ピュアであるためには、どんな誘惑にも負けない、並々ならぬ精神力が必要であり、優柔不断な普通の男にそれを達成することは不可能である。

以上の事実を踏まえた上で、優柔不断な男の子が「リアルでピュアな純愛」をすることは可能か?否である。
それでも、そのような話がもてはやされるのはどういうわけかだろうか?口当たりの良いチープな感動ゴッコのようにしか思えない。

『アイズ』よりかは、アイデアの面白さがあった。しかし甘ったれた恋愛観に支配された作品を受け付けることはできない。

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[投稿:2007-06-13 06:41:02] [修正:2007-06-13 06:41:02] [このレビューのURL]

おいしくて食べやすいマクドナルドのハンバーガーのような、大人も子供も無邪気に楽しめる東京ディズニーランドのような作品。

一時代を築き、これからも語り草になるであろう、永遠のファンタジーである。

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[投稿:2007-06-13 06:26:02] [修正:2007-06-13 06:26:02] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

物語終盤のストーリー展開、あれがどうしても納得できない。

娘を殺された主人公が犯人を追い詰める。だが、残念ながら時効がきてしまい、法で裁くことができなくなってしまった。そこで主人公は自らの手で裁こうと犯人を殺そうとするが、その時娘の幻がそれを制止し、結局復讐はならなかった。そしてその後、主人公は「殺さなくて良かった。こんなことをしても、娘は喜ばない。」と言う。

実に陳腐な話である。

福本伸行は「殺人は絶対悪。主人公には絶対に人殺しをさせない。」という倫理観を持っており、それ自体を否定する気は毛頭ない。
しかし、娘を殺された親の怒りが、こんなあっさりした形、使い古された展開やセリフであっさり変化してしまったことに納得がいかない。あれほど人の心のひだのひだまで執拗に描写してきた福本にしてはあまりにお粗末過ぎる。

そしてもっとひどいのは、実は時効を迎えておらず、時効にできるかできないかの、ギリギリの心理戦へとストーリーの流れをスライドさせてしまったことである。
結局、主人公は自らの手を汚すことなく、復讐を達成してしまったわけである。
『るろうに剣心』でも批判したようなご都合主義的展開と言えよう。

最終巻を読み終わった瞬間、即、古本屋に売り飛ばした。

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[投稿:2007-06-13 05:49:34] [修正:2007-06-13 05:49:34] [このレビューのURL]

人気の面で問題があったのか、早々と打ち切りになってしまったが、少年誌に福本を投入するというのは実に面白く、有意義な話なのだから、多少無理してでも続けるべきだった。


福本作品は、現実社会の厳しさ、理不尽さと、その中であっても人間らしく生きることの尊さを描き続けており、そういう意味ではものすごく道徳的だったりする。

「孤立せよ・・・」「オレの正しさは、オレが証明する」といった数々の福本節は、明らかに読者層を意識したものである。

少年マガジンを読む少年たちの中には思春期、反抗期の真っ只中にいる子たちはたくさんいるだろう。世の中の汚さに気づき始める年頃だろう。そんな少年少女たちにむけたメッセージが不発に終わってしまったことは、とても残念である。

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[投稿:2007-06-12 21:53:23] [修正:2007-06-12 21:53:23] [このレビューのURL]

少女漫画(厳密には違うが)の最も良質な部分が表れた作品。

多少ホラーめいた結末もあるが、大半はハッピーエンド。にも関わらずチープな話になっていないところが良い。

また、この作品において、登場人物全てに名前が存在せず、そのことが現実からの適度な離脱感と普遍性を与えている結果となっている。

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[投稿:2007-06-12 21:41:25] [修正:2007-06-12 21:41:25] [このレビューのURL]

原作ものでありながら、変形、逸脱のさせ方が大変面白い。

主人公の策士、戦術家ぶりがあまり伝わってこない点(荒木や福本のように感心できない)、救いの無い展開の重々しさと絵柄の不一致がマイナスポイントであった。

単純に比較できるものではないかもしれないが、後の短編集に収録された、主人公が女の子バージョンの封神演義の方が面白く、完成度も高い。

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[投稿:2007-06-12 21:34:51] [修正:2007-06-12 21:34:51] [このレビューのURL]

作者のデビュー作であり、出世作であり、現時点での最高の作品。

週間連載に耐えられる力量の無い状態で連載を始めてしまったという感じがモロに出てしまっている。

また、少年誌で表現できるようなテーマを超えていて、そういった意味でも無理が感じられる。

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[投稿:2007-06-12 20:49:59] [修正:2007-06-12 20:49:59] [このレビューのURL]

萌え漫画、ハーレムものに限りなく近い存在でありながら、決定的に違う何かが入り込んでいる。

一人の男性に複数の女性という構図は、それが純愛の体裁をとっていようがいまいが、男に都合の良い世界観であることにかわりはないし、また、腐るほどありすぎて陳腐なパターンでもある。

そんな世界観に「女装癖」と「同性愛的展開」が入り込んでいるため、「男に都合の良い世界」も「予定調和」も吹っ飛ばされ、極めて独特な変態世界を生み出している。

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[投稿:2007-06-12 20:44:35] [修正:2007-06-12 20:44:35] [このレビューのURL]

約10年前に某漫画批評系掲示板でこの作品をネタにパクリ論争をしたことが懐かしい。今思うと、別に法的に問題になる盗作では決してないし、作品の質と売り上げは必ずしも一致しないのはこの作品に限ったわけではないのだから、あんなに熱くなる必要もなかったわけだが。

いずれにせよ、『幽遊白書』がなければあの箇所は存在しなかったのだろうなあ、と思わせるくらいの、器用なだけの貧相な作品です。

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[投稿:2007-06-12 20:34:00] [修正:2007-06-12 20:34:00] [このレビューのURL]

絵柄がもともとシリアス向きではないし、そのシリアスな部分とギャグの部分がとけあっておらず、水と油のような状態のまま存在しており、正直、「どちらか片方にしてくれ」と感じた。というか、この絵でドロドロシリアスは読みたくない。

作者が職人に徹さず、我を出してしまったことが作品の統一感にマイナス方向に働いてしまった。

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[投稿:2007-06-12 20:15:44] [修正:2007-06-12 20:15:44] [このレビューのURL]

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