「佐々木裕健」さんのページ

総レビュー数: 58レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年06月12日

感動する性質の漫画ではないが、すばらしい作品である。作者の目の付け所やその切り口には、ただただ舌を巻く。

つまらない新聞の4コマよりこの作品の方がはるかに、社会を風刺できている。

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[投稿:2007-06-12 18:08:55] [修正:2007-06-12 18:08:55] [このレビューのURL]

3点 H2

この作品の中頃くらいから、無駄なコマを挿入して物語の密度を薄める手抜きをするようになってきた。(例えば「青空」。それまでは限られた場面で効果的に使っていた。)

『タッチ』が最高の完成度を誇っていたのに対し、この作品は途中から迷走に迷走を重ねた結果、適当に幕を引いてしまった、という感じがする。

そしてその傾向は、連載終了後の作品にも続くことになる。

くしくもあだち充の賞味期限が切れたことを示すことになった作品。

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[投稿:2007-06-12 18:03:05] [修正:2007-06-12 18:03:05] [このレビューのURL]

得点の通り、人生を変えるほど感動できる名作とおすすめするつもりはないし、可もなく不可もなくと言った程度の内容だと思う。

しかし、個性的でありながらマニアックに陥らず、粒のそろった短編を送り続けたこと、最近の少年誌にこういう漫画が無い事実からも、なかなか得がたい才能だったのだろう。

決して「芸術」ではないが(そうして見るに耐えられるほど深い作品ではないが)「優良な商品」としての価値を持っている。

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[投稿:2007-06-12 17:33:46] [修正:2007-06-12 17:33:46] [このレビューのURL]

1巻だけなら、ちょっとエッチな、和服な純愛ものとして見ることも可能。

ターニングポイントは2巻から。

女の子をたくさん登場させ、ハーレム状態を作っておき、でも本物のハーレム路線にはせず、ぬるい展開を維持、最後は1巻の純愛路線に戻ってめでたしめでたし。


別に世の中にどんな不道徳なエロ漫画があっても構わないと思うが、「ごまかしのある純愛」は嫌いです。「純」じゃないから。

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[投稿:2007-06-12 17:19:40] [修正:2007-06-12 17:19:40] [このレビューのURL]

単純にヴィジュアル面で、源氏の愛人たちの描きわけがきっちりできていないのはマイナス。ただでさえややこしく、それでいて重大な物語の核である人間関係が余計に分かりづらくなってしまい、「解読」に手間取ってしまう。

その点さえ除けば、複雑で難解な源氏物語の世界を、質を落とさず明確に漫画に翻訳できている。この作品を読むのと読まないのとでは、原作の難解さに対する抵抗が全く違うほどである。

現代とは全くかけ離れた平安時代特有の常識とか規則とか貴族社会とかが自然と伝わるように描かれており、その中で幸福も不幸もかみしめて生きていく人間模様を素直に楽しむことができる。


ちなみに、光源氏は現代で言えば木村拓哉のようなものであり、かっこいいことは認めざるをえないが、人間的に好きか嫌いかでいえば、判断が分かれるところである。(例えば谷崎潤一郎は嫌いだったらしい。)

この作者は光源氏の人間性に対してとても肯定的な見方をしており(要するにキムタクを「いけ好かないかっこつけ野郎」とは微塵にも感じていないファンのようなもの)、それゆえに、光源氏が不幸に陥っても「あんなにたくさんの女に手を出したんだから自業自得だ」というような突き放した表現があまりされておらず、終始同情的なまなざしを送り続けており、そこが受け入れられない人にはきついかもしれない。

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[投稿:2007-06-12 16:41:17] [修正:2007-06-12 16:41:17] [このレビューのURL]

手塚治虫の正当な後継者の一人でありながら、手塚を越える意思や情熱が無いことを証明してしまっているような作品。

日本の漫画史からみてもあまりに重大な存在である「ときわ荘」を実体験を元にネタにしているのだから、つまらないわけが無い。
しかし、そのおいしいネタを作品として結晶化する際により良いものにしようという工夫、努力が微塵にも感じられない。(過去の話や絵の使い回しが多すぎることは、その極端な例)

過去の栄光を省みず、のた打ち回りながら死ぬまで前進し続けた手塚に対して、過去の仕事の年金だけで細々と生きようとしている藤子A。

切ない。

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[投稿:2007-06-12 16:18:32] [修正:2007-06-12 16:18:32] [このレビューのURL]

3点 あずみ

登場人物の命や運命に対する容赦なさ、その中でも懸命に生きようとしたり、逃げてしまったりする人間たちの群像劇は単なる感動を越えて、民主主義、平和主義はおろか、警察さえもろくに機能していないような初期江戸時代の生々しさを感じることができ、その点だけでも十分個性的である。

10巻までならば満点の価値があった。

しかし残念なことに、作者はこの作品を作品として美しく完結させようとする意思は皆無であり、あずみという永遠の少女をただただ長く描き続けることのみを目的としている。
主人公を偏愛するあまり、作品としての価値を捨ててしまったわけである。

この姿勢自体は、非難はしても仕方の無いことではあるが、あずみに萌えたいのではなく、完成された物語に浸ることを願っている人にとっては、10巻前後以降は蛇足以外の何物でもない。

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[投稿:2007-06-12 16:04:04] [修正:2007-06-12 16:04:04] [このレビューのURL]

3点 ARMS

作品の完成度自体は大変高い。
長編でありながら、物語に破綻なく、上手にまとまっている。勢いだけで押し切らない、構成の上手さには感心さえしてしまう。

では何故、得点が低いか。

それはこの作品(と言うより作者の)哲学、善悪に対する考え方が甘いというか、奇麗事に過ぎるところがあり、しかもその哲学にしたがって勝者と敗者、幸福に生きるものと不幸に堕ちるものの線引きが露骨に反映しているように(少なくとも私は)感じられるためである。

悪役として登場しておきながら、敗北後あっさり考え方を変えるなど、人間や正義に対する洞察が単純すぎるように思われる部分がストーリー上数多く見られる。(その点では、まだ前作の『スプリガン』の方が多様な人物を出し、まっとうさせていた。)

まあ、一言で言えば私の好みではなかったわけです。

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[投稿:2007-06-12 15:32:26] [修正:2007-06-12 15:32:26] [このレビューのURL]

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