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10点 潔く柔く

様々な登場人物が織り成すオムニバス形式の群像劇。

それぞれの話はどこかで、誰かでつながっていて、
「人が、人と関わって、ある関係が、動く、変化する、生まれる、無くなる、残る」
そういうのがこれ以上ないほど見事に描かれた、傑作としか言いようがない作品。

とある話では主役だった人が別の話では脇役になり、さらに別の話では憎まれ役になったりもしながら、
いろいろな人がそれぞれの話の主役になり、自分たちの物語を紡いでいく。
一つ一つのエピソードはどれも暗く、重く、地味なものばかり。
みんな弱くて、苦しんで、迷い込んで、立ち止まる。

15歳のときに大切な存在を失い、自分の時間が止まってしまったカンナ。
「冷血人間」と言われながらも、実は熱いものを隠し持つ梶間。
作中の数多くのエピソードすべては、「カンナサイド」と「梶間サイド」のどちらかに大別される。
喪失感と罪悪感に押し潰されてしまったカンナをあくまでも深く話に絡ませる「カンナサイド」と、
どちらかと言うと梶間が脇役的な役割に徹し、彼を取り巻く周囲が魅力的な「梶間サイド」。

どのエピソードも非常に秀逸ではあるものの、それぞれのサイドが互いに全くの無関係とも
思えるままに物語は進んでいく。
しかし終盤、それらが時間も場所も超えて縦横無尽に紡ぎ合い、一つにまとまっていく。
その加速度的な勢いに圧倒される。 凄い。 本当に凄い。

そしてそのつながりがカンナを再生へと導いていく。
人と人とのつながりが。 ゆっくりと静かに流れていった時間が。 魂を揺さぶるような言葉が。
「無事23歳になった?」
カンナは止まってしまっていた物語を紡ぎ始め、再び自らの人生を歩み出す。
自分の弱さと、過去と、正直な心と向き合いながら。 潔く、柔らかく。

最後は何気ない日常の1コマで終わりを迎える。 敢えてその場面で締めることに意味があるのだろう。
彼の今となっては決して報われない思いを、忘れられていく情景に添えて送るのだ。
描ききったすべての登場人物に、作者から感謝の意と愛を込めて。
そこでこの作品はカンナのためだけにあるわけではないということに気付く。

魂の再生と評されたこの物語。
作中で未来は誰の上にもあるのだということを逆説的に提示してくれているのかもしれない。
少なくとも生き残った者はそう信じて生きていくしかない。
みんな前を向いて自分の道を歩いて行く。 代わりなんてない、自分の物語を。 進め、進め、進め!

ナイスレビュー: 4

[投稿:2011-01-04 01:31:57] [修正:2011-01-04 01:32:28] [このレビューのURL]

常識-非常識、理性-本能、客観-主観、条理-不条理というような相反する世界を同時に熱く描くヨサクルワールドに感心して引き込まれる。
前作品と同様に異種多様なサブキャラが多くて時としてうっとうしいと思える部分もあるが効果的に楽しませてくれる。主人公はいったい誰なの?
と思えるくらい菅田にはじまり、巨乳のそよ、悪の権化(?)狂気の谷生と不思議な絶妙なバランスで濃密に絡み合っている。将棋を夢中で指した経験のある人間からすると谷生の将棋以外は、基礎から応用まで非常にしっかりしていて、盤面の駒の動きが途切れても正確に繋がっていく楽しさもある。
ヨサクルの人生観だろうか、「どうせ短い人生、命懸けて一つのことに没入して誰も見たことのない領域の感性を体感したい」という飽くなき尋常でない、不条理な努力や意志がとても面白く共感できる。
鬼将会の存在が明らかになってからは、格闘バトルの様相を呈してきて、まさかエアマスターの最強格闘家の一人ジョンスリーまでが登場して将棋を指すとは、ぶっ飛んでしまった。ほんとうに命を賭けた将棋が展開され出して、ちょっと息苦しさもあるが、現実のトップ棋士レベルを逸脱しすぎない程度で驚きや発見を今後期待する。菅田、そよ、谷生のそれぞれの凄まじい生い立ちが大人になってからの生き方を決定してる人生の不可思議さもストーリーの面白さを裏付けている。過去のたぶんどの漫画にも類似しない、敢えて言うなら「寄生獣」に似たような不気味さと深い人間愛に支えられたヨサクル節を堪能できる傑作だと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-03 23:08:55] [修正:2011-01-03 23:12:11] [このレビューのURL]

久米田先生のブラックユーモアには驚かされました
つぼにはまりまくりです!!
キャラも可愛いですし
客観的に見た欠点は、
人を選ぶ漫画ということ、絵のバラツキぐらいですかね;
背景のすごく細かいところまで時事ネタなどが盛り込まれていて
読み返せば読み返すほど面白い!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-03 06:38:36] [修正:2011-01-03 06:42:48] [このレビューのURL]

休載の連続だけど神漫画だと思います。

いろんな名作とされてる漫画ってありますけど、純粋に来週どーなんだろ、続きがとにかく読みたいって思った漫画です。
おそらくそれは作者の世界観なんでしょうかね。
戦闘ものの漫画だと、敵が強い⇒勝てない⇒仲間がいる⇒底力
的な展開が多く、結局は主人公も仲間も生き残るんですよね。何もなかったかのようにダメージも回復して次の話に進みますし。
この漫画は主人公も殺しかねない漫画なので、どーなるかなんて想像できません。恐ろしく強いとされていた仲間も敵も一瞬で場外にしちゃったり、常に何が起こるか分からない心理戦の描写がやばいです。
絵が汚いとか休載の作者自体の質は悪いけど、漫画自体の内容の濃さはすばらしいと思いました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-02 23:20:56] [修正:2011-01-02 23:20:56] [このレビューのURL]

ダークファンタジーの金字塔。本当に面白すぎる。

終始ダークな話で、ものすごく深い。かと言ってパックのように明るいキャラクターを入れることによって疲れさせない。
ここまでの話は普通書けないだろう。
ストーリーの構成もさることながら、やっぱりそれをひときわ際立たせる絵が素晴らしい。圧倒的な画力だ。

エログロはこの話には欠かせない存在。これがないと成り立っていないと思う。

序盤は確かに微妙だけど、それがうまく繋がっていき良い具合になっている。
黄金時代編は本当に凄すぎるとしか言いようがない。特に触のシーンは圧倒的迫力で今まで読んできた漫画の中でも一番の衝撃が走った。
魔法編はいらないとか言う人も多いけど、重要だと思う。この魔法編がベルセルクにさらなる深みを与えてくれているはずだと信じたい。

とにかく圧巻。いわゆる混沌の世界を見事に描いている。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-02-27 23:09:50] [修正:2010-12-30 22:48:23] [このレビューのURL]


哲学的な作品です。
大勢の人がレヴューを描いているのでそれ以上のことは書けないのですが、
ハチ、愛さん、フィーさん、憧れてしまいますね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-26 23:13:53] [修正:2010-12-26 23:13:53] [このレビューのURL]

この漫画の本質は人間関係だと思います
黄金時代編なんてまさにそう。
プロムローズ館でのグリフィスの言葉
それにガッツはグリフィスとの関係に大きな溝があると感じる
など緻密な感情描写があってこその「蝕」だと思う
「蝕」のときのグリフィスの行動に矛盾が感じられない
だからこそこの漫画は面白いのだと思います

とても深い漫画だとおもいます
絵で嫌いとか思う人がいると思いますが
ぜひ読んでほしい

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-08 17:45:26] [修正:2010-12-26 13:10:53] [このレビューのURL]

10点 妖女伝説

名作ですな。確かに「人生に影響」を与えられたかも。

一つ一つの話が良く練られています。
とくに「月夢」、「砂漠の女王」なんかは
「素晴らしい」という言葉以外浮かんでこない。

星野氏は余韻の残るラストを描くのが上手いですな。
ホントに泣かせます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-12-24 11:40:30] [修正:2010-12-24 11:40:30] [このレビューのURL]

10点 寄生獣

今現在、読んだ事のあるマンガで2(4)番目に好きなマンガです。
もちろん10点で、面白さの根本を見た気がします。
スラムダンクとリアルのように
雪の峠、剣の舞、七夕の国、ヒストリエ、どれも寄生獣よりも絵の上手さも
話の作りこみも、セリフまわしも、キャラ設定やその読者への定着のさせ方も上のマンガです。ヒストリエにいたっては化けたというほどの差があると思う。でも結局一番面白いのは寄生獣。

はっきりいって特に差がある最初の2巻が逆に1番おもろい。ウデに入ったドリルのついた蛇のような生き物をウデを縛って進めなくする。そんな簡単に防げるのだったらみんなやってる。ミギーが他の寄生獣より賢いのは、体の制御に回す文を思考にまわすからと、ウソでも説明できるけどそういうのは好奇心の強い年頃だからという説明どまり。高3にしてはみんながたいよすぎ。心臓を貫かれたときの死因ははショック死です、あんな方法ではたすかりあせん。だめなとこだらけ。

じゃあなんで面白いのか。相手をどういう人間だと思っていて、自分は相手にどういう人間だと思われたいかが行動、言動に反映される。そこに人間と寄生獣の違いを持ってきたことやろう。寄生獣は人間風なことまでしか出来ない。面白さの本質が人間を知るということと直結している。だから、それ町やよつばとなどキャラ設定や、人と人の距離感のとり方の上手いマンガは面白いけど、その面白さの正体自体を過剰なまでに、はっきりいって過剰に突きつけてきたことは寄生獣以外知らない。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-12-22 08:44:16] [修正:2010-12-22 08:44:16] [このレビューのURL]

10点 SLAM DUNK

ひさびさに読んでみました。

前に読んだのが数年前で、展開は分かっていても緊迫感があったのはさすが名作。

漫画を読んでいていつも思うのは、どれだけその世界に引き込ままされるかどうかだと思う。設定がおもしろくても読者置いてきぼり感があったりしてはダイレクトにおもしろさが伝わらないけど、バスケに知識がなくても問題なく読めるのがスラムダンク。これをきっかけにバスケ始めた人が多々いるのも分かります。バスケのおもしろさが素人でもビシビシ伝わってくるといった感じです。
あと登場人物のバックグラウンドがあんまり描きすぎてなくていい!あんまやるとダレかねないし。
他の漫画で試合ばっかだと飛ばして読んだりするけどこの漫画は1ページも飛ばせない。一瞬、一瞬が見逃せないのである。

専門的なことは分からないけど、絵の構図?みたいなのも素人が見ても分かる素晴らしさ。井上先生半端ないです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-21 14:10:13] [修正:2010-12-21 14:10:13] [このレビューのURL]

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