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8点 BECK

音楽漫画では個人的には最も完成度が高い作品だと思います。

映画化されたけれど、コレはのだめと異なりまさに漫画でこそ面白い作品です。

なんでかというと本作品は「音が分からない」「コユキの声が分からない」ところがほんとはポイント。

のだめの場合はクラシックですでに「音源がある」から映像化しても崩壊しない(どころか映像化したほうが良いタイプ)なのに対してBECKは「音源が無い」ので「この音、あるいはコユキの声どんだけすごいんだよ」ということを「個人の想像力で補う」タイプなわけで、本当は映像化に最も適さないまさに漫画が漫画である所以を体言したような漫画。

漫画で読まなければ意味が全く無いんです、ホントはね。この手の漫画に偏見がある人(実は私)もぜひ。意外と漫画の深さを知ることができます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-11-03 20:35:15] [修正:2011-02-02 19:39:21] [このレビューのURL]

この作品は「2度」読むことを半ば「強要」しているという意味で「深くて傲慢な漫画」だと思います。

この漫画の主人公は子供全員と言えばいえなくもありませんが、実は明確に「中核」になる子がいます。
そしてその中核の子が誰かを認識した上でないと途中で戦っていく子供たちのうち少なくとも10人を通して語られる主張哲学が明確にならないという意味で2回読まないと理解できないつくりになっている(この点はすごいと思う反面立腹)。

タイトルが「ぼくらの」。「ぼく」とは誰かということです。

これ11巻の圧巻の表現技法からなる最後のあの子のラストシーンでさりげなくもはっきりとカミングアウトされています。
1巻の衝撃のラストに加担するのが何故かれでなければならなかったのかという時点で本作を描いている段階であの子をラストにしようなどというやっつけ仕事でもないのは明らかで、本作はなるたるに比べて非常に完成度が高く洗練されています。
いや洗練されすぎていてそっけなく味気なく感じるほどに。

細かいところに気がつかないと「またガキが死んでいくあの展開か?」でおわってしまうので残念。

それを考慮してかアニメでは上記で述べたことに気がつかなくても良いようにまさにこの部分に関連していくところのみに大幅な「改変」が行われまして、「二人の妹」に関する話が完全に飛んでしまいました。

この漫画で表現上最も評価すべき11巻のあのラストシーンがなくなってしまったわけで、漫画で読まないと意味が無い作品の筆頭に上がります。

アニメ化にあたってアニメ監督の森田宏幸さんは「子供を助けたい」と鬼頭さんに「改変」許可をもらうにあたって鬼頭氏は「魔法を使わないならばOK」と答えたそうです。
この回答にも深い意味あります。「死んで生き返る展開はやめてくれ」と暗にいっているわけですから。

それにしても最近、読解力を求める漫画増えました。漫画を読む年齢層にあわせると必然的にこうなってしまうのかわからないですが、IKKI、エロティックF、アフタヌーン、イブニング、スピリッツとモーニングの半分以上はこの傾向が強い。漫画は日々色んな意味で進化していると感じる反面、単純な娯楽性は逓減していくわけで複雑でもあります。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-11-05 16:50:53] [修正:2011-02-02 19:28:56] [このレビューのURL]

横山三国志よりはるかに史実どおりで展開します。

でもやはり本作品も「エンタメ」であり「歴史学習」ではないということを伝達したいです。
本作についてはフィクションということではなく「意図的に記述を止めた」ことでエンターテインメント性を強調したことについて。

本作品の場合、なぜ本作をあそこでラストにしたかについて作者自身が明確に巻末で述べておられるのですが、一言でいえば「あの後の史実を生理的に受け付けないから描きたくなかった」そうです。

確かにあの後を漫画で描くとグロい。歴史をそのまま描くことをつまり先生は意図的に拒否したわけですが、これによってよりエンタメ性は際立ったといって間違いない。

その後の劉邦及び勝利側の人々がどうなったか気になる人は徳間書店の「史記」がもっとも読みやすいのでお読みになるといいかも。なぜ漫画はあそこでラストなのかがはっきりします。この点について考える時、横山先生は「漫画が漫画である理由」を常に意識しておられたのだなあと感心してしまいます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-11-06 17:24:57] [修正:2011-02-02 19:19:56] [このレビューのURL]

本作品は万人受けのノリでモーニングで連載され始めたことを考慮する時、はっきりと破綻しているのだと思います。

主張されている哲学性(荘子のような主張)が理解できない人にとっては完全に「上から目線」的な漫画に思われるのでいつのまにか人を選ぶ作品になってしまった気がします。

でも吉岡弟の話で出てきた蟻と鳥の話は重要ですよ。このテーマ扱っている漫画家さん本当に多いです。個人的には理解されずに高みを目指していくことの感覚はきらいではないので高めに点数はつけますが、人を選ぶのかな。

同じ観点で蒼天航路、G戦場へブンズドア、ぼくらの、ピンポン、シグルイ、古谷実先生の後期作品、かなりつっこんだアタリでは、なるたるかな。

意外なところではワンピースの随所にちりばめられた哲学的発言部分や宇宙兄弟の生き方の提示に相当する絶妙な決め台詞もこの系統でしょうね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-11-03 17:14:26] [修正:2011-02-02 19:13:46] [このレビューのURL]

期待して読み始めなかったもののすぐに、ページをめくっていくごとに夢中になって読みふけってしまった。
まず最初に表紙を見て絵に拒否反応があったけど不思議と美しいとさえ思えてきました。
セリフは非常に少ないけど絵が力強く物語っているので、調度いい具合の活字量でした。
あとこの作者さんは裸族かってぐらい裸がでてくるのが多いけど不思議とエロさを感じないです。
肉体美というのがよく表現されているんではないでしょうか。もうこれは説明するより読んだ方が手っ取り早いので絵で嫌悪感がある人にもぜひ読んでもらいたいです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-02-01 11:16:04] [修正:2011-02-01 11:16:26] [このレビューのURL]

監督が主人公の変わった設定の漫画。敏腕監督だけどすぐにチームが開花するわけでなくだんだんと実力をつけてく様がおもしろい。
サッカー好きでなくてもつい熱くなれていい!

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-02-01 11:14:07] [修正:2011-02-01 11:14:07] [このレビューのURL]

7点 トリコ


現在のジャンプのなかではかなり面白いと思います。

なんというか
はいはい面白い面白いって感じで毎週よんでます。

つまりとても面白いわけですが。


絵に関しては食べ物がものっそいうまそう(笑)


はっΣ(°□°)!!今日ジャンプ発売日?早くトリコ読みてー!

と、今後多くの人がなるように期待を込めて
この点数をつけさせていただきます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-30 17:04:15] [修正:2011-01-30 17:04:15] [このレビューのURL]

 ウエケンこと上野顕太郎はギャグ漫画家である。彼をギャグ漫画家たらしめた幾多の先達達は世界に誇る漫画文化の黄金伝説である。ウエケンは、人類の笑いのために今日もギャグを妄想するのだ、ヒマだからな!

『怪異!夜は千の眼を持つ』


 ……しょうもないネタはともかく、『夜は千の眼を持つ』は生粋のギャグ職人ウエケンによる文字通り千変万化のギャグオムニバス集だ。一貫性のあるストーリーや主人公などは無く、作品内の短編である『キャプテントラウマ』シリーズや『サチコと友人』シリーズなどを除き、レギュラーキャラもほとんど存在しない。それどころかそもそも「漫画」としての体すら意図的に放棄した回はあるは他作品のコラージュのみで構成された回はあるは、と毎回読者の予想の斜め上をスイッチバックしながら登るような超展開が頻発する。
 しかしこのようにとりとがもないように見えつつも作品を貫く一貫性は確保されている。ギャグへの絶対的な信仰が。

 ギャグ漫画というジャンルは創作も定義も非常に難しい。言葉遊び、一発ギャグ、不条理、パロディ、メタフィクション、これまで様々な方向性のギャグ漫画が現れては人々を笑わせ、そして作家達を疲弊させていった。
 『夜千』の魅力は、そんなギャグ漫画、いや、ギャグに限らず様々な漫画の歴史的堆積を、ギャグ職人であると同時に無類の漫画好きでもあるウエケンが咀嚼した上でギャグの万華鏡として我々に広く開陳してくれる事だ。本作には本当に色々な種類の笑いが存在する。
 毎回毎回手を変え品を変え様々なアプローチから繰り広げられるギャグまたギャグ。キャラの個性や定型的演出に頼れないため、そのコストパフォーマンスは恐ろしく悪い。その分ネタの純度の高い回の破壊力は強烈極まりなく、(1ページで)『レ・ミゼラブル』全ストーリーを描ききったり、大昔の絵物語や貸本漫画のフォーマットを無駄に忠実に再現したり、とその非効率にもほどがあるこだわりの数々には感動を禁じ得ない。
 特に意味深だった回は、水木しげるや石原豪人のタッチをこれまた忠実に再現して昔の妖怪図鑑のパロディをやった回だが、紹介しているのは妖怪ではなく、赤塚不二夫を筆頭とする過去から現在に至る様々なギャグ漫画家達の肖像だった。作家、それもギャグ作家とはどこか妖怪じみた存在であるという認識の表れだろうか。

 欠点としては、毎回バラエティに富んでいるのはいいのだがクオリティにバラつきがあるように思われる部分だ。笑える回の破壊力は凄いが、どこをどう笑うべきか頭をひねってしまう回も時々ある。
 それと絵柄がややのっぺりしすぎている点も気になる。他作家のタッチを再現した回や超絶作画の回などはともかく、作者の地の部分の絵柄が昔と比べても何か野暮ったくなってしまっているような気がしてならない。これら欠点についてはまぁ読者の好みよりけりだろう。

 つい先日、本作の第3集が登場したが、そこで作者は何と妻との死別という自身の実体験を基に描いた非ギャグの傑作ドキュメント漫画『さよならもいわずに』をまるまるネタにするという恐ろしい快挙に及んでおり、これには心底「ええぇ??!?」と驚愕した。これが、殉笑者の業という奴なんだろうか。
 『夜千』は千変万化のギャグものづくし、ギャグ物産展だ。コストパフォーマンなど度外視して急勾配を軋り登るギャグの三重連蒸気機関車であり、謎の感動をもよおさずにはいられない。一時期ネット上でクオリティの高さで話題になった一休さんと『ゴルゴ13』等のかけ合わせ漫画も本作で楽しめる。一気読みには向いていないので、毎日少しずつ枕元でヒマな時にでも楽しむのが良いと思われる。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-29 22:52:39] [修正:2011-01-30 02:17:14] [このレビューのURL]

鳥山明は正真正銘のプロだ。
あくまで読者に娯楽を与えることを考え、ビジネスライクに使命をこなしている。
だから、読者に余計な笑いや感動の押し付けをせずに、淡々と漫画を描く。

人を選ばず楽しませるには、創り手はあくまで創り手として、その影を受け手に悟らせないことが重要だと思う。
誰にも媚びず、誰も拒まない中立性が、単純明快に万人に受ける娯楽性になるのだから。

そしてその中で垣間見せる、さりげない笑いや感動がこの漫画の娯楽性に付加されることで、この漫画を最高峰の少年漫画に押し上げていると思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-29 11:24:50] [修正:2011-01-29 11:24:50] [このレビューのURL]

この作品を今初めて読んで、内容だけで評価したら7〜8点くらいかもしれない。
しかし「大人向けのラブコメ」というジャンルを開拓し確立した、バイブルと呼ぶにふさわしいこの作品には、やはり10点をつけたい。

毎回毎回読むたびに、読者をハラハラニヤニヤさせてしまう話運びのうまさ。
主人公とヒロインがくっ付きそうでくっ付かない、いい感じの距離感。
絶妙なタイミングで茶々を入れてくる、キャラの立った脇役たち。
ラブコメの完成形を見る思いである。

ほどほどの長さで話をきちんと完結させているのも素晴らしい。
ヒロインをさえない主人公のどこに惚れさせるのか、既に亡くなった最愛の旦那さんという心の障壁をどう乗り越えさせるかという難関を完璧に料理し、読者の納得度を充分確保した上での完結。

終盤だれてしまったり尻切れトンボで終わってしまう作品が多い中、最後まで読みきった満足感を与えてくれる点は高く評価されて良いと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-11-22 09:19:24] [修正:2011-01-29 01:41:11] [このレビューのURL]

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