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 少年マンガ史上の唯一無二の天才、荒木飛呂彦先生の代表作と言えばやはりみんな大好き「ジョジョの奇妙な冒険」だが、その個性的すぎる作風が仇となって一見さんにはやや敷居の高い作品となってしまっている部分があるのは否めないだろう。むろん第一部から順を追って読んでいけばいいだけの話だが、20年来に及ぶ長大なボリュームを前に尻込みする人も多いのではないか。

 そんな場合に荒木入門として真っ先におすすめしたいのが本作「バオー来訪者」である。すでにさんざん言われてきた事だが、

・正統派で感情移入のしやすい主人公と物語展開。

・一方で特異なキャラクターデザインやセリフ回しなどの、作者ならではの無二の個性も味わえる。

・何より幸か不幸か単行本2巻足らずのボリュームの為に読みやすく、かつ物語的にもきれいにまとまっている。

 などの理由のおかげで、荒木初心者にもある程度安心してお勧めしやすい作品には仕上がっている。

 しかしッ、短かろうと読みやすかろうと荒木は荒木、上記のような理由だけで本作の魅力を語りきれるとは無論思っていないッ!個人的に本作に強く惹かれたのは、本作が「仮面ライダー」に代表される”異形者”としてのヒーローの格好良さと悲しみを、実にスマートに継承していたからである。

「悪の秘密組織の人体実験により誕生した悲劇の改造人間が悪と戦う」という仮面ライダー以来の伝統を色濃く受け継ぐ本作だが、荒木飛呂彦はそこに様々なSF的意匠をふんだんに盛り込むことでそんなヒーロー像を見事に描き直してみせた。(本作が連載されていた80年代中期、仮面ライダーシリーズは休止状態だった。)

 生物兵器を体内に寄生させ、それの放つ分泌液によって促される”変身”の原理。そして変身を「武装化現象(アームド・フェノメノン)」と呼称するこのセンス。これらに端的に表れているSFマインドが本作を単なる「北斗の拳もどき」以上の作品に仕上げており、変身ヒーローに付いて回るある種の野暮ったさを見事に解消している。一方で、不気味な寄生生物「バオー虫」にも見られるように、バオーは格好良さと不気味さの同居したキャラでもあり、安らぎの中にもどこか悲しみの残る最終回の余韻と併せて、石ノ森章太郎以来の「悲しき異形者としてのヒーロー」の魅力を再確認する事もできる。

 また注目すべきはバオーのキャラクターデザインである。バオーはしつこく語ってきたように”変身”するヒーローだが、顔や皮膚が分泌液の作用で異形と化す一方、服装は変身前の少年、橋沢育朗の普段着のままなのである。優れたデザインのおかげで違和感なく仕上がっているが、仮面ライダーなどとの一番の違いはそこだろう。昔のヒーローとは特殊なコスチュームを身にまとったり巨大化したりするものだったが、近年はどこにでもいそうな普通の少年少女が、普段着のまま超能力を駆使したりして戦う作品の方が少年誌には多い。「ジョジョ」の波紋やスタンドもそんな系譜に属するが、バオーのデザインにはそんな新旧のヒーロー像の混交が見て取れる。そういう面からも興味深い作品ではある。

 前述のSF的意匠や作者特有のセンスが当時の大多数の読者には受け入れられにくかったのか、本作は短期間で連載を終えた。しかしその個性ゆえに少なからぬ熱狂的なファンも獲得し、それが後のジョジョ人気や現在の「能力系バトル漫画」の人気にも連なっていく事となった。
 わずか2巻たらずのボリュームの中に、実に様々な魅力の凝集した豊穣で味わい深い一作である。魔人ウォーケンのように明らかにどこかの漫画キャラのそっくりさんも出てくるが、現在「唯一無二の孤高の天才」の地位を確立し、他の漫画でもさんざんネタにされたりパロディされたりする荒木先生も、若い頃は他作品のマネをしていたというのも微笑ましい話であるw

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-04 00:59:53] [修正:2010-03-04 23:14:03] [このレビューのURL]

9点 レベルE

『幽☆遊☆白書』でジャンプ編集部と対立した冨樫のガス抜き的作品。短編集であるため、話はあまり広がらず幽白の仙水編やハンターのキメラ=アント編ほど重くはない。「天才的な悪人」ではなく「天才的な意地悪」を主役にしてしまったところが素晴らしい(笑)。読者の予想を見事に裏切る展開や、無駄なシーンが無くテンポよく進んでいく展開はいかにも冨樫らしい。食人鬼編の切ないラストでありながらベタベタのお涙頂戴演出を行わずにサラッとどこか哲学的にまとめるあたりも藤子・F・不二雄を髣髴とさせる。しかし、本作や『HUNTER×HUNTER』を読む限り冨樫はとことん「少年漫画的」な展開を嫌う漫画家であることが伺える。だからこそ「少年漫画の殻を容易く打ち破る」作品を描くことが出来る、今のジャンプ(と読者)にとっては貴重な存在なのだと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-03 03:34:12] [修正:2010-03-04 22:40:32] [このレビューのURL]

終始異様な雰囲気に包まれた怪作。
すでに登場人物の風体(造形)からして異様です。
この絵で拒絶反応をおこす人もいるでしょう。

ストーリーの方はさらに異様。どの話も説明の仕様がない程に、突飛な展開のオンパレード。笑えるやら、不気味やら。
それでいて、否それ故にルンペン達の行動はとても痛快です。

見事にアッチの世界が描かれている作品、刺激的でブットンダものが読みたい方は是非。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-04 16:28:26] [修正:2010-03-04 16:28:26] [このレビューのURL]

高橋留美子の最高傑作はこれだと思う。
現実設定のところにありえない住民キャラ、そして適度に散らばるギャグとシリアスな名シーン。そのバランスが実に見事で、ストーリー展開も最後まで息を抜かせず最後も完璧な締めをしている。
何度読んでも涙が出て、そして切なくしかし新鮮な気持ちで読める漫画もそうは多くはない。
まあラブコメの理想系はこの作品だと思うし、ここまで完璧かつ綺麗な終わり方をしている作品も実に少ないだけに、貴重だと思います。

まあ不満点を言えば、就職、受験で住民がちゃかして喜ぶところとかちょっと不愉快なことがあるのと、全体的に少し重い展開なので気軽に読むには難しいのと二階堂キャラの失敗ぐらいですかね。
それでもラブコメ漫画の金字塔であることには変わりません。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-03 11:23:13] [修正:2010-03-03 11:23:13] [このレビューのURL]

 
面白い。ドキドキワクワク夢中になれる。
途中までは・・・。

大地震?による都市機能の崩壊、人間の極限状態を上手く表現・描写し、
キャラクタ創世・絡みも上手い、そしてストーリーも秀逸。

しかし終盤からフィナーレにかけて、いったい何を訴えたかったのか、
読者をどこへ導きたかったのかが私には理解できなかった。

せっかく途中まで夢中になれたのに、最後でテンション下がりました。

非常に惜しい作品。
ただ読んで後悔はしないと思います。
 

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-02 15:14:07] [修正:2010-03-02 15:21:07] [このレビューのURL]

設定の矛盾がどうたらこうたらと言ってはキリが無いので、子供の時に読んだままの評価を。

バトルが面白い。ワンパターンなのに画力が素晴らしいから引き込まれる。
子供だからインフレもそこまで気にならない。
ただ一つ残念だったのは、フリーザをトランクスに瞬殺させてしまった事。
絶対悪にして、超サイヤ人化した悟空をも苦戦させたあのカリスマとも言うべきフリーザの扱いには、子供ながらにドン引きしました。
あれはやっちゃいけないインフレだった。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-01 15:25:52] [修正:2010-03-02 14:42:19] [このレビューのURL]

8点 FAIRY TAIL

俺はこの漫画を友達から借りました。

最初はみなさんと同じように某人気海賊漫画に似ていると罵りました。
しかし読むとそんな事はどーでもよくなりました

確かによく言えば王道ファンタジー
悪く言えばマンネリ化したどこにでもある作品なのかもしれません

でも俺はこの作品の何かにひかれました。
それが何かはわかりませんが、今では全巻自分で買っています。

どの漫画にも賛否両論あります。仕方ないことです

でも俺はこの作品が大好きです。

あまり批評しているかたに文句などは言いたくないのですが…

1つだけいえるのは0点などということは絶対にないということです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-01 17:24:34] [修正:2010-03-01 17:24:34] [このレビューのURL]

一部だけで言えば8点だったんですけどね。
大蛇丸とかすごい魅力的な敵キャラだったし。

実はイタチがいい奴だったって後付けで全てが台無しになった気がします。
普通に悪者のままのイタチをサスケが倒して木の葉戻ればいいのに。今のサスケの行動全く意味不明です。

あと、冨樫先生を尊敬しているからか、HUNTERXHUNTERのパクリが多すぎです。

中忍試験→ハンター試験
筆記試験→トリックタワー+ドキドキ二択クイズ
二次試験→狩るものと狩られるもの
三次試験→最終試験

暁→旅団
チャクラ→オーラ
性質→念の六系統

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-01 02:17:20] [修正:2010-03-01 02:17:20] [このレビューのURL]

初期のDr.スランプ的世界観から抜け切っていない時期を超えると、あとはコミックでなく週刊誌で読むべきマンガでした。コミック発刊まで待てませんでした。したがってバトルループに入っても、面白い話を読み返しているようなもので、飽きが来なかった。数時間後、数日後に借りればいいものを、わざわざ皆ジャンプ買って読んでいた。それくらい飢餓感を煽られるマンガでした。しかも年齢層も広かった。いま読み返すと、大人の事情が作品を冗長な物にしてしまっていて残念に思えますが、当時は大人の事情に感謝して読んでいました。この作品のように世代を超えた多くの人たちを熱狂のるつぼに巻き込むマンガに、もう一度でいいからリアルタイムに会って体験したいものです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-01 01:58:15] [修正:2010-03-01 01:58:15] [このレビューのURL]

10点 SF全短篇

凄いですよね。
飽きないですもんね。

子や孫、多くのこれからの世代にも読んでほしいですね。
僕は本を大事に扱う神経質なので、子どもが出来ても僕の本は読ませませんが(´・ω・`)

1巻の作者の娘さんのあとがきを読むと、
F先生が、作品から想像した通りの人間性でますます好感が持てました。


抜粋
・父は人一倍「不思議な話」が大好きであった。それも人づての話だけでは納得できず、自分の目で確かめずにはいられない性格だった。日本の漁船が首長竜の死体を引き上げたというニュースが広がった時も、様々な雑誌かや新聞の記事を読み比べて鑑定を心待ちにしていた。結果、ヒレの組織からウバザメと推定され、残念なことになったのだが、それはそれで嬉しそうなのである。

作者のファンになったらA先生の「まんが道」も合わせて是非。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-01 00:51:15] [修正:2010-03-01 00:51:48] [このレビューのURL]

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