「ごまあぶら」さんのページ

すばらしきかな現実。
演出を控えめに、事実であったことを淡々と書いていく漫画。
しかし、ああ、なんて希薄な体験なんでしょう。
社会不適合者の作者自身を主人公として、理を通し、わが道を行く姿はおそろしくもありながら、どこかうらやましくもなりました。
失踪し、ホームレス生活、拾われて住み込み配管工。アル中で入院生活の三篇が主ですが、いつも捜索願を出している妻がいて、関わってくれる人がいて。
一人の物語であって自分のいいようにしているだけなのに他人の温かみがわかるんです。
主人公視点のみですから、煙がっているけど、とても包容力のある人間の心情がしみてきました。

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[投稿:2006-01-30 08:07:15] [修正:2006-01-30 08:07:15]