「パンダマン」さんのページ

 愛すべきバカ愛にあふれた漫画。バカな人達以外もいい味でてるけど愛すべきバカ達のほうが頭一つ分抜けている気がします。

 冒頭のセリフどおり、「力強い躍動」を感じられる作品で、非常にテンポがよくフットワークが軽い。ムダのないコマ割りに精一杯のムダを詰めた感じがたまらない。最初の方は特に絵が雑に見えるが画力が低いわけじゃなくむしろ高いほう。話に勢いを付けるために書き殴った結果じゃないかと思う。

 作者はこれが長期連載初めてっぽいんだけど、「もうこれで10年以上メシ食ってます」ってくらい成熟した漫画力がある。特に話の構成力が非常に高い。自然すぎて気付かなかったけど1巻と3巻の各話の配置はベテランジョッキー並の手綱さばき。引き締め方やゆるめ方のタイミング、力の強弱は絶妙で、読者心理を良く考えている。
 
 重くなりすぎず軽くなりすぎず、突っ走る時はとことん突っ走る。読者は何も考えず笑える疾走感を楽しめる漫画。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-23 20:29:32] [修正:2010-03-23 20:29:32]