「パンダマン」さんのページ

総レビュー数: 134レビュー(全て表示) 最終投稿: 2006年11月22日

 作者が「正義の味方」の欠点に気づいていないのがわかった時点で作品に入れなかった。この日本ではよくつかわれる「正義の味方」の意味を作者は少しでも考えたことがあるのかなぁ

 「義」とは「人が進むべき道」を指す言葉で、それの正しい方向を「正義」というのです。だから、人の数だけ信じる道があり、似ているようだけどみんな違うわけです。
 だけど、この主人公は正義、正義うるさいけど、この主人公の「正義」が全然見えてこないから気持ち悪い。それがはっきりしていないのに主人公を信じる人達も気持ち悪い。
 しかも自分の正義を疑わず突っ走りまくる馬鹿な性格に、巨大ロボットという強すぎる暴力の力までゲットしちゃったこの恐怖。これでどうやってこの作品に入っていけばいいんだぁ

 まぁ、こうなっちゃってるのも少しわけがあって、「ロボットモノ」には、昔の作品のオマージュ的な意味でわざと同じような話や設定にしたりします。他のロボットものの作品でも設定が似てたりするのはそのせいで、もちろんこれもそう。それもかなりのもの。だから、「正義の味方」という単語が出てきてもわかるんですが、それにしてももうちょっと考えて欲しかった。

 絵はうまいし、ロボットのデザインもかっこいい。コマ割りも派手でいい。けど、いかんせんロボットは形がゴチャゴチャしてるから、色分けでもしないと敵か味方かもわからない。色変わるロボットまで出てくるともう混乱の極み。
 あともう一個ダメだしすると、無痛覚症の人の苦しみもわからずに適当に出してること。これは無知とは罪と言っていいかもしれない程の問題。

 がんばってはいるけど、読んでて色々虚しくなってしまった。アニメ化されたみたいだけど、こりゃ相当人物像にテコいれしないと見れないかも。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2009-04-28 00:16:43] [修正:2009-04-28 01:13:46] [このレビューのURL]

 元々職人系の番組なんかが好きでよくみるんですが、元溶接工という異色の経歴を持つ作者。その作者が描く溶接工漫画。興味が出ないわけがない。
 そしてそこには、地味ながらもびっくりな溶接工ワールドが待っていた!。・・・なんだか陳腐なキャッチコピーみたいになっちゃったけど、本当にそんな感じです。溶接を知ってる人にはなんでも無いことも知らない自分には、ヘェーと思う体験談が多数ありました。

 でも一番のこの作品の魅力は、全部にわたって作者の愛情が詰まってること。作者の溶接工の仕事やキャラクターへの愛情が読んでいるだけで伝わってきます。特に女性キャラは愛らしいというか、出てくるだけでなんだか話がなごみます。絵柄も作品と非常に合ってて良い世界観をかもし出してます。

 これを読んだ後、自分の変化に気づきました。日常にある溶接部分を見ると、その裏で戦っている溶接工の日々をなんだか想像している事を。地味だけど、なんだか世界が広がった気分です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-28 00:44:53] [修正:2009-04-28 00:44:53] [このレビューのURL]

 極度な潔癖症になってしまった少年。
その潔癖症が、周りの人と自分との間に大きな壁を作りだし、少年の世界を閉鎖的なものにするというアイデアが素晴らしい
 暗くなりそうなのを愛と情熱と笑いで吹き飛ばしてて全体的に明るい話で読みやすい
 こういう暗くならないように配慮してくれてるところが嬉しいね、なんだか

 閉鎖的な空間にいる少年が、冷たそうにみえて実は熱く、他人の為に自分の世界を飛び出していくのが読んでて気持ち良かった

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-15 02:58:15] [修正:2009-04-15 02:58:15] [このレビューのURL]

 3月のライオンってタイトルがいかにも少女漫画家っぽいなぁーっと思ったけど、読んでたらぴったりだった
 暖かくなりそうで肌寒く、強くあろうとするほど孤独になる

 プロ棋士の少年の目で見る世界は、どこか寂しく孤独で少し痛いが少し暖かい。
微妙な空気を表現するのは本当にうまい
 まぁそれが面白いかどうかは別問題かもしれないが悪くないなぁ、こういうのも
 
 毎回の話の表紙が秀逸で、風の強い川の側を散歩してる絵が、肌寒さが出てもどこか暖かい感じが非常によく出てて好きです

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-04-15 01:58:36] [修正:2009-04-15 01:58:36] [このレビューのURL]

 しょっぱなから既に99人も人殺していたり、課外授業で悪党殺しをしていたり、説明もなく人が武器に変身したりと、ツッコミ魂に火をつけてくれる漫画

 年中ハロウィンのような世界観はなかなかいいし、話のテンポも悪くないが、全体的に底が浅い

 「考えるな、感じるんだ」というブルース・リー先生の教えを忠実に実行するとこんな感じになるのかもしれない
 うん、考えることも必要だな、やっぱり

 漫画とは関係ないけど「マカチョーップッ」って叫びながらスローモーションでブロックぶっ壊すCMが一時期頭から離れなかったのはいい思い出

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-04-11 07:34:58] [修正:2009-04-11 07:34:58] [このレビューのURL]

 面白さを追求する小説や漫画とは目的が違う官能小説。
 その裏側というのはどうなっているのか、どういう想いで書いているのか、ちょっと興味があったので読んでみたら予想以上に面白かったです。
 馬鹿がつくほど純粋な新米編集の主人公と、主人公が尊敬する女性官能小説家とが真のエロを追求していくのに、なぜか二人の関係はやたら純粋なものっていうギャップの面白さ。これにはやられた。どうしても先が気になってついつい読んでいた

 突き詰めていくと、普通の面白さを追求するエンターテイメントも、官能小説とその方式や演出がなんら変わりがないというのが書いてあったシーンは衝撃だったし笑えました。

 まぁ内容からお子様には紹介できないけど、エロの世界がコンピュータやらインターネットを発展させた原動力であるのは確かな事だ。その原動力をまともな視点で捉えている作品というのはあまりないんじゃないでしょうか。そういう意味でも結構貴重だし、作者は大真面目で書いていると思う。まじめでまともで面白い作品だと思いました

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-10 18:37:46] [修正:2009-04-10 18:37:46] [このレビューのURL]

 色々平凡以下というかなんというか
読んでも、つまんないとも面白いともいえない話
面白い設定のキャラクターは出てくるけど魅力的でもないんだよなぁ
うーん これがこんなに続いてるのがよくわからないなぁ

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-10 02:30:18] [修正:2009-04-10 02:30:18] [このレビューのURL]

 もうなんにも考えなくてひたすら面白いことを追求したノリが良い漫画って疲れた心には結構必要だと思う

 軽音部に入った少女達の日常を描いただけ、女の子度100%。系統としては「あずまんが大王」とか「らきすた」のような4コマ漫画。内容はあるようでないよう。でもそれが大事
 疲れた心にはちょうどいいです
 絵もかわいいし、キャラクターはイキイキしていて非常に愉快。
 ただ4コマというより、普通の漫画に近い感じなので4コマ嫌いの自分でも読めたのが良かった

 残念なことが1巻で一年という非常に速いペース。しかし連載ペースは遅いということ。3巻で終わっちゃうのかな、やっぱり。少し残念だ。

 アニメ化されると全然知らなかった人気作品がブックオフに並んだりするので助かります
 普段は興味ない分野なのでアニメ化されてなかったら出会っていなかったかも

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-10 02:06:36] [修正:2009-04-10 02:06:36] [このレビューのURL]

 読んだ感想は面白いという以上に怖かったです。この怖さを正確に表現できるかわかりませんが、この作品が架空の世界、架空の話でありながら戦争の闇の部分を的確に捉えている作品なので長くなりますが書いてみます

 「殺人マシン」という言葉に疑問を思ったことはないでしょうか。殺人者ではなく殺人マシン。この「マシン」という部分に戦争の暗闇の一部があるとは日本人ではあまり想像できない事かもしれません。
 第一次、第二次世界大戦で戦闘の長期化が起きると、兵士は人を殺す罪悪感と命を奪われる緊張感から、精神を蝕まれ銃を持っていても発砲しなくなったそうです。その割合は7割強。これは軍隊としてはかなり深刻な状況でした。
 事態を深刻にとらえた軍上層部は、徹底的な訓練を行います。徹底的な訓練というと聞こえがいいですが、実際は心の底から殺人できるように洗脳していきます。人の形をした銃を撃つターゲットを見たことがあると思います。あれも人をみたら躊躇なく殺せるようにする方法の一つで、これは非常に効果がありました。厳しい訓練を受けたものほど、より冷酷に効率よく人を殺せるようになっていきました。訓練は大成功でした。兵士達は敵兵だけではなく民間人でも平気で殺せるようになっていました。それこそマシンのように。
 しかしここで問題が起きました。戦争が終わり帰ってきた兵士は、元の生活に戻れなくなっていました。心から人を殺す事を「訓練」されてしまった為に。
常識的な行動、すべき事はわかっているのですが戦場から心が戻れないのです。そして自分たちが知らずに人間以外のものになっていた事に、背負いきれない十字架を背負ってしまっていた事に気がつきます。多くの者が殺人者となったり、人を殺した罪悪感から自殺者が多数の出ました。これは現代の戦争を経験した多くの国で問題になっています

 この作品の主人公も普段は温厚ですが、一度戦闘になると非情な殺人マシンへとスイッチが入ります。「スイッチ」を読者にもわかりやすく表現された青く灯るランタンがとても印象的です。そして殺した後に自分の凶暴さと罪悪感で絶望します。これはとても現実的でよく描かれていると思いました。
 作中では、一見非現実的非人道的な特殊部隊が色々出てきます。しかし、戦争という空間はやってしまってはいけないというリミットが外れやすい所。想像したことをやりたい、やってしまう事が許される世界。非現実的と思われる行いが現実になる世界。その異常さがこの漫画ではエンターテイメントの範囲で表現されています。正直怖くて寒気が止まりませんでした。
現実の世界でも厳しい訓練を行い洗脳するよりも、攻殻機動隊のように脳を直接いじって一流の兵士を作る研究が行われています

 この作品は戦争が起こす狂気の世界とそれが残した爪痕を少しでも実感できるかもしれません。ただ架空の世界で書かれているからかろうじて読めますが、この漫画で表現された狂気の世界が虚構ではなく「リアル」だという事を本当に感じた時怖くなります
 この暗闇を本当に照らすことなど出来ない事かもしれない。でも、それでも考え模索するこの作品には意味があり、それだけの価値がある

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-04-10 01:13:07] [修正:2009-04-10 01:13:07] [このレビューのURL]

 なんだかやっとフットボール好きな人にも勧められるフットボール漫画が出た感じ

プロのサッカークラブからのまともな視線から描かれているのが逆に新鮮
キャプテン翼から最近までのフットボール漫画は、複雑なフットボールの内容を漫画の中で紹介することから逃げて、ありがちな必殺技対決になるものが多かった。
しかし、この漫画は非常に専門的な事をだれが読んでもわかりやすく書いてある。試合の流れをどうやって監督がコントロールしているのか、選手の管理はどうなっているのか、クラブを支えてる人達はどのような苦労をかかえているのかなど、説明文章ではなくストーリーの中でさりげなく出してくるなど感心してしまう事が多い。現状の日本のフットボールクラブの内容をよくとらえている。
 所々で原作者が本当にフットボールが好きなのが伝わってくる
 こういうフットボール愛みたいのが詰まってる作品は面白さの安定感が全然違うなぁ

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-01-26 03:53:48] [修正:2009-04-09 23:29:07] [このレビューのURL]