「パンダマン」さんのページ

総レビュー数: 134レビュー(全て表示) 最終投稿: 2006年11月22日

 「そこ行く兄さん観てらっしゃい!」と気軽にお勧めできるほど読みやすい王道中国歴史漫画。ここまで出来がいいのは久々
 ハッタリが効いた武将と、ハッタリで終わらせない深みのある作り込みで読者を引きつけ、そんな武将同士のガチンコぶつかり合いで燃えないわけがない。
 知力を生かした知略戦から、暗躍しまくる政治バトルまで見所満載。ミーハーな戦国好きから、戦術大好き君まで大抵の人を満足させる出来映えだ

 もう一つ鉄板理由として加えるなら、主人公の信の存在だろう。単純バカ、真っ直ぐで絶対ぶれない精神、絶対に仲間を裏切らない心と主人公属性をばっちり備えている。他の漫画で言うならONE PIECEのルフィ、ダイヤのAの沢田、ちはやふるの千早なんかがこういう主人公属性持ちの代表例。でもこれらのキャラクターは核の部分は一緒だが、みんなそれぞれちゃんと個性を出している。信は信以外の何者でもないのだ。
 こういった主人公属性をもったキャラに命を吹き込める作者は例外なく力がある。なによりこういった主人公が真ん中にいると、ムードメーカーでもあり話をかきまぜてくれるので話が盛り上がるし、一番重要なのが読んでる側を前向きな気持ちにさせてくれる事だ。そういった意味でこの漫画は信を作り出せた事でほぼ鉄板の面白さを持っている

 加えてこの作品に向ける作者の熱量が半端じゃない。大群同士のぶつかり合いを週刊連載でやってる時点で気合いが違う。
 そんな訳で大抵の人に勧めやすい見所満載な中国戦国時代のお話。この面白さは鉄板っといっていいんじゃないかな

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-06-26 00:29:05] [修正:2011-06-26 23:23:51] [このレビューのURL]

9点 BLAME!

 作者が見せたい世界を読者に見せるのではなく、読者それぞれが想像して世界を作り上げていくという変わった漫画です。

 話にはちゃんと大筋がありますが、他の部分には肉付けする自由なスペースが用意されているので、各人が勝手に脳内補完して想像を膨らませられます。それが新鮮で面白い。小説と漫画のおいしいところをとった感じ。
 だからこの作品には正しい解釈はなく、それぞれが勝手に想像して遊ぶ漫画じゃないかなと思ってます。

 まだ連載中だった当時、話を理解しようとすると脳内にブラムワールドと呼べるようなものが勝手にできあがり、脳内ブラムワールドが想像力を補助してくれるのでアニメーションを見ているような錯覚を覚えました。後半は特にセリフが減っていき、絵だけで表現されるので、その傾向が助長されます。「想像する」から「体感する」に作者がシフトチェンジさせてくれたのかもしれません。

 こんな攻撃的で刺激的な姿勢の作品が成立したのも、SFで凄く重要な背景や色々な小物達で、ずっと想像力を刺激してくれた作者の力量のおかげかもしれません。
 捉え方、見方が自由な新しい漫画を目指したフロンティア精神。想像力をかき立てる世界観。最後まで映像で語る姿勢をつらぬいた作者の精神力と生産力は脱帽モノ

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-25 17:12:34] [修正:2010-03-25 17:12:34] [このレビューのURL]

 面白い。「巌窟王」とか復讐劇が好きな自分にはたまらないものがありました

 架空のファンタージー世界が舞台で、剣と魔法とドラゴンの定番も普通に出てきます。この3つが本格的に世界観に絡めてくるとファンタジー作品は血なまぐさいものになりますが、この血なまぐささが復讐劇とよくあっている。「ベルセルク」もそうだけどファンタジーと復讐劇は相性がいいのかな?
 まぁ自分は剣や魔法なんかよりもファンタジーで一番好きなのは壮大で美しい景色や大げさな仕掛けとか背景部分のほうに目がいくんですが、この作品はそんなポイントも逃しません。美しい景色や大げさなからくりが出て来て楽しませてくれます。

 物語も壮大でこっています。でも定番は外さないので話に安定感があります。例えば出てくる悪役が本当に下衆で憎たらしい。「よっ!待ってました!」と相づちを打ちたくなるくらい定番の悪役が出てきて本当に憎たらしく描かれている。それを主人公がバッサバッサと倒していくので単純だけど気持ちがいい。そうと思えば意外な展開に話が進んでいき話の先が気になります
 主人公は最強剣士で最高の鍛冶屋で、正義感の強い男の子のロマンがつまったようなキャラクターですが、これが意外と大味にならず気にならないのは作者のうまさを感じます

 久々によく練られた復讐劇を呼んで満足です

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-20 23:48:14] [修正:2010-02-20 23:48:14] [このレビューのURL]

 読んだ感想は面白いという以上に怖かったです。この怖さを正確に表現できるかわかりませんが、この作品が架空の世界、架空の話でありながら戦争の闇の部分を的確に捉えている作品なので長くなりますが書いてみます

 「殺人マシン」という言葉に疑問を思ったことはないでしょうか。殺人者ではなく殺人マシン。この「マシン」という部分に戦争の暗闇の一部があるとは日本人ではあまり想像できない事かもしれません。
 第一次、第二次世界大戦で戦闘の長期化が起きると、兵士は人を殺す罪悪感と命を奪われる緊張感から、精神を蝕まれ銃を持っていても発砲しなくなったそうです。その割合は7割強。これは軍隊としてはかなり深刻な状況でした。
 事態を深刻にとらえた軍上層部は、徹底的な訓練を行います。徹底的な訓練というと聞こえがいいですが、実際は心の底から殺人できるように洗脳していきます。人の形をした銃を撃つターゲットを見たことがあると思います。あれも人をみたら躊躇なく殺せるようにする方法の一つで、これは非常に効果がありました。厳しい訓練を受けたものほど、より冷酷に効率よく人を殺せるようになっていきました。訓練は大成功でした。兵士達は敵兵だけではなく民間人でも平気で殺せるようになっていました。それこそマシンのように。
 しかしここで問題が起きました。戦争が終わり帰ってきた兵士は、元の生活に戻れなくなっていました。心から人を殺す事を「訓練」されてしまった為に。
常識的な行動、すべき事はわかっているのですが戦場から心が戻れないのです。そして自分たちが知らずに人間以外のものになっていた事に、背負いきれない十字架を背負ってしまっていた事に気がつきます。多くの者が殺人者となったり、人を殺した罪悪感から自殺者が多数の出ました。これは現代の戦争を経験した多くの国で問題になっています

 この作品の主人公も普段は温厚ですが、一度戦闘になると非情な殺人マシンへとスイッチが入ります。「スイッチ」を読者にもわかりやすく表現された青く灯るランタンがとても印象的です。そして殺した後に自分の凶暴さと罪悪感で絶望します。これはとても現実的でよく描かれていると思いました。
 作中では、一見非現実的非人道的な特殊部隊が色々出てきます。しかし、戦争という空間はやってしまってはいけないというリミットが外れやすい所。想像したことをやりたい、やってしまう事が許される世界。非現実的と思われる行いが現実になる世界。その異常さがこの漫画ではエンターテイメントの範囲で表現されています。正直怖くて寒気が止まりませんでした。
現実の世界でも厳しい訓練を行い洗脳するよりも、攻殻機動隊のように脳を直接いじって一流の兵士を作る研究が行われています

 この作品は戦争が起こす狂気の世界とそれが残した爪痕を少しでも実感できるかもしれません。ただ架空の世界で書かれているからかろうじて読めますが、この漫画で表現された狂気の世界が虚構ではなく「リアル」だという事を本当に感じた時怖くなります
 この暗闇を本当に照らすことなど出来ない事かもしれない。でも、それでも考え模索するこの作品には意味があり、それだけの価値がある

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-04-10 01:13:07] [修正:2009-04-10 01:13:07] [このレビューのURL]

 なんだかやっとフットボール好きな人にも勧められるフットボール漫画が出た感じ

プロのサッカークラブからのまともな視線から描かれているのが逆に新鮮
キャプテン翼から最近までのフットボール漫画は、複雑なフットボールの内容を漫画の中で紹介することから逃げて、ありがちな必殺技対決になるものが多かった。
しかし、この漫画は非常に専門的な事をだれが読んでもわかりやすく書いてある。試合の流れをどうやって監督がコントロールしているのか、選手の管理はどうなっているのか、クラブを支えてる人達はどのような苦労をかかえているのかなど、説明文章ではなくストーリーの中でさりげなく出してくるなど感心してしまう事が多い。現状の日本のフットボールクラブの内容をよくとらえている。
 所々で原作者が本当にフットボールが好きなのが伝わってくる
 こういうフットボール愛みたいのが詰まってる作品は面白さの安定感が全然違うなぁ

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-01-26 03:53:48] [修正:2009-04-09 23:29:07] [このレビューのURL]

 最初読んだ時は、凄い個性的なキャラとおっぱいとメイドさんが印象的な熱い将棋漫画というのが感想・・・だったんだけど思い返してみると色々凄い

 一番凄いなぁっと思ったのが凄いわかりやすい試合展開
 将棋の一流の棋譜って難しくて理解できないんだけど、これはイメージとして伝えてくれるので凄いわかりやすい。どれだけ緊迫した戦いなのかイメージとして理解できる。これは将棋をよく知ってないとわからない芸当だと思った

 後、ただ座ってるだけなのに異常に熱い
 よくこれだけ動きがないのに熱い表現ができるものだ

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-01-24 01:24:46] [修正:2008-01-24 01:24:46] [このレビューのURL]

 昔読んだときは頭がパンパンになりそうだったんだけど、改めて読むとそうでもなくなってました
 でも初めて読んだ人にはちょっと読むのがめんどくさいかもしれない。隠語や部隊内暗号、やたら多い固有名詞、わかりにくい会話は読む側を混乱させ、欄外の注釈はテンポを悪くしスピード感を無くす。けど読まないとわからない単語だったり状況だったり・・・と、まぁ最近のバトルマンガみたいにスピード感がある漫画に読み慣れている人ほど苦痛を感じる所も多いかも知れません
 
 ただし、一コマの会話、一コマの背景に含まれた情報を見つけることで話がつながり、その先の奥深い世界観を見てしまった時の感動は類をみないです。非常に濃密な情報がつまった世界はSF好きには危ないくらいの中毒性がありそうだし、こんだけ流行ったのだからあるんだろうねぇ〜。読んだ当時は異常にこの世界に興奮させられた思い出があります

 漫画では珍しく、やたらと行間の意味を求められるけど、まぁ国語力がそこそこレベルだったオレでも理解できたから大丈夫・・・のはず・・・たぶん・・・きっと・・・

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-09-25 19:54:10] [修正:2007-11-28 23:41:34] [このレビューのURL]

 安彦良和の画風を本人そっくりにマネできるのは、数えるほどしかいないはず。いやここまでできる人はいないかもしれない。トニーたけざき、素直にすげー。
こりゃー確かに、タイトルにトニーたけざきって入れてないと勘違いする人もでてきちゃいそうだもんな。
そんだけ画力あんのに、あんた、なにやってるんだよっていうところも含めて笑いにつながっている
 パロディーのセンス、取り上げるネタの着眼点もいい。とてもいい

 才能ある人の本気のバカってすっごいパワーあるね。ここまで魂こめたパロディーものはそうそうお目にかかれるもんじゃない

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-09-23 21:37:16] [修正:2007-09-23 21:37:16] [このレビューのURL]

9点 capeta

 母親は死んでて、家は貧乏だけど、子供に楽しませる為にカートモドキを子供にプレゼントする父親と息子の友情みたいのから始まる話
 あぁ、なんだ。オレ、こういうの無条件で弱い
もうだめだ
なんだ? 年だからか

 貧乏ゆえにカペタの才能だけでカートレースを走るという作りは、コテコテのはずが、すごいみせる
 シャカリキの時のほうが熱かったって周りはいうけど、曽田正人が昔よりも話の作り方がうまくなってるからそう感じるんだと思う。計算された話の作りは安心して楽しめる

 キャラクターの表情にやどる熱は昔よりも熱いと感じることのほうが多くて、すげー嬉しいです

 玉之浦草之助さん
 私は鼻からもでますよ

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-12-04 07:37:24] [修正:2006-12-04 07:37:24] [このレビューのURL]

9点 PLUTO

 2巻くらいまで、すごい面白い
でも、段々浦沢の悪いとこも出てきた
もうこれは浦沢節として、浦沢の個性として許容しないとダメなのかな

まぁ、おもろいからいいか
今後どんな風にひねってくるのかによって評価は変わってきそう

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-12-02 19:25:41] [修正:2006-12-02 19:25:41] [このレビューのURL]

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