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5.85点(レビュー数:105人)

作者浦沢直樹

巻数22巻 (完結)

連載誌ビッグコミックスピリッツ:1999年~ / 小学館

更新時刻 2012-11-05 16:40:46

あらすじ ケンヂ、オッチョ、ヨシツネ、マルオ、モンちゃん、ドンキー、ケロヨン、が少年時代に遊びで作った世紀末預言書「よげんのしょ」の内容が、成長した彼らに現実となって襲いかかる。ケンジは地球を救うため立ち上がり、数々の謎を解明していく。そして、謎のカリスマ”ともだち”の正体とは?

備考 『21世紀少年』に続く。

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20世紀少年のレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全105 件

5点 臼井健士さん

浦沢先生の「MOSTER」に次ぐ作品。近年に実写映画化もされた。
60年代を過ごした子供たちが大人になり現実の壁にぶつかり苦しんでいた90年代。
幼い頃の空想の世界の滅亡と立ち向かう仲間たち。

が、その空想の世界を滅ぼそうとする悪の首謀者は「自分たちの仲間の中から出てきた」
集団となり組織化された宗教集団は政界・財界をも巻き込み日本政府の中枢にまで食い込む。

主人公を中心としたかつての秘密基地の仲間たちは冴えない大人の日常を捨てて結集する。
だが、敵の策略によりメンバーは極悪人のレッテルを張られて四散。
近未来は世界を滅亡させようとした男が「人類の救世主」として祭り上げられる偽りの世界が構築される。

子供の頃は様々な夢を描きながらも、大人になったとき現実の壁の前に飲み込まれ、どうしようもなく日々を重ねていたかつての少年・少女たちが
「自分たちの播いた種」を刈り取らねばならなくなる。

そのとき彼等は多くの犠牲を払いながらも人類の滅亡を救う真の救世主として生まれ変わることになるのだ・・・・・・。

だが・・・・そうなった後に彼等は本当にこの結末を望んだだろうかと考える。
「否」。
自分たちが歴史の教科書に勇者として記されるよりも、たとえ冴えないサラリーマン生活であったとしても、平和で穏やかな日常を選んでいたことだろう。

夢を描いていた少年時代から大人になったとき、後悔の連なりかもしれない。
だが、それでも彼等の戦いの軌跡を目にすることで人類は再出発のラインに着いた。

終盤のグダグダと「後付けしたかのような」ともだちの正体が残念なのだが、引き込む力は流石だ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-07-25 08:18:48] [修正:2021-07-18 22:58:07] [このレビューのURL]

6点 gundam22vさん

怪しい新興宗教を使った不気味さ、キャラクター、物語の謎や引きつけなどは素晴らしかったと思います(浦沢絵は当然のものとして)。新キャラ続々で寄り道しながらユルユルと迫る感じだったので中だるみ的なのを感じて、リアルタイム読みだと自分を含めてマイナス印象に繋がったのかもしれませんが。これから一気読みする人には軽減される部分もあるかもしれません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-07-30 22:20:13] [修正:2018-07-30 22:20:13] [このレビューのURL]

8点 やじウマさん

 5巻までは最高におもしろい。
 現実が子供時代の馬鹿げた妄想(ロボット、秘密基地、ハットリくんのお面)に浸食されていく様子が、奇跡的なバランスを持って描かれていく。

 だが未来の話になってからそのバランスが少しづつ崩れていく。
 刑務所を脱獄するところなど瞬間瞬間では最高におもしろいのだがどうにも乗れない。
 この原因はなんだろうと考えたが、やはりケンヂの不在が原因だろう。
 五巻までは、作品の裏テーマとして「バンドをやめてアイデンティティをなくしたケンヂが子供時代の自分が生み出した妄想とケリをつけるために立ち上がり、段々と生きる気力を見つけ直す」みたいなものが一応あり、だからおもしろかったとも言えた。
 胡散臭い設定にリアリティを持たせることに成功していたのだ。
 だがそれが未来の話になるとケンヂが退場するわけでそれがなくなる。
 後任のカンナは不思議な能力があったり不幸な生い立ちがあるのだけれど、キャラとしてはいまいち何してたか思い出せないくらいに薄い。(書いてて気づいたけどモンスターのニナと一緒だ。)
 この辺りから伏線の過剰な盛り込みが始まって次第に収拾つかなくなるが、それには主人公の魅力で話を引っ張れなくなったということへの苦肉の策もあったんじゃないだろうか。
 通してみると「1970年の嘘」も「カツマタくん」も大して意味がなかったし。
 リアルタイムで読んでたときはまるで漫画界のトップに輝いていたようなこの作品が実はそういうことで頭を悩ませていたと考えると少し微笑ましい。
 まあ、あまり自信はない。

 結局終盤でケンヂは帰ってくるんだけれどもその頃にはもう話の核は「ともだち当てゲーム」になり、失われたアイデンティティなんてものはどこか遠くへ消えてしまっていた。
結局、最後に漫画は「オトナ帝国の逆襲」のパクリみたいな世界設定の中、死んだ人間が辻褄合わせのために何の説明もなく生き返るという男塾のような展開を見せ、最初の緊迫感などどこにもないゆるい道徳観のエピローグを展開させて終わる。
 
 でもさ、今じゃこういうそれっぽい分析してるけど中学生の頃リアルで読んでた時は本当にすごかったんですよ・・・ 
 新刊がでると朝日新聞のテレビ欄の下全部使った広告出たり、帯に「応募者に浦沢直樹のプライベートライブご招待!」なんていうふざけた事載ってても「すげええ」とか思った。
 15巻のラストなんて初め読んだときは死ぬかと思うくらい興奮したし(ここから地獄だったのに)次巻が3ヶ月後の発売なんて知ってまた「くそおおおお」とか思って・・・
 だから低評価つけるのは当然だけどさすがに1点、2点とかついてるのとか「クソだ」「騙された」とか見ると少し凹む。
 まるで昔好きだった野球選手がボロボロになってるのを見て「昔すごかったとか言うけど昔もたいしたことなかったんじゃないの」とかしたり顔で言ってるガキを見てむなしくなるかのような・・・はぁ・・・

ナイスレビュー: 3

[投稿:2012-10-21 20:51:05] [修正:2016-09-27 22:45:17] [このレビューのURL]

9点 朔太さん

[ネタバレあり]

8年にわたる連載にも関わらず、相当の構成力で企画されており、
読み返すたびに細部の隠し味に舌を巻く思いである。
様々な説明不足の謎が捨て置かれていて、一見、雑なつくりに見えるが、
これは読者の解釈に任せられているのであって、これを面白がるかどうかは、
読者の胆力次第である。

少し特徴を以下に書く下すと、
・登場人物が多いけれど、再出した時には結構重要な役回りをしている。
・主なキャストには、性格付けをするための副ストーリーが存在する。
 例えば、オッチョ。タイでのショーグンとしての活躍や刑務所暮らし。
 無くても良い話だが、それだけでも独立した話ができる位、入れ込んだ
 描き方をする。これは本筋を追うだけの人には辛いだろう。
・”ともだち”は嘘の塊と断じながら、全体に予知力や念力の存在を示唆している

 等々、胆力の弱い読者を振り落としていく身勝手な”浦沢ワールド”だが、
それも結構と多くのファンは割り切っているのではないか?

追記:2016年5月 21世紀少年を含めて、3回目の読み直しをしてみた。
改めて、浦沢氏の構成力に驚嘆する。ストーリーに一切の破たんはない。
全ての謎は説明できている。特に素晴らしいのは、ケンジの姉の一連の行動の謎は説明され、
カンナの超能力すら持つにいたる理由が軽く説明されていた。
ともだちの正体に焦点が合わされがちだが、存在を消去してしまう少年たちの残酷さ
がかくも壮大な復讐劇につながったと解釈できるだろう。
文字通り何度も読み返してしまう名作と呼んでも異論はないだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-13 20:58:27] [修正:2016-05-06 22:29:27] [このレビューのURL]

5点 k0e3n2t0aさん

[ネタバレあり]

物語前半は凄かった。
盛り上がりのテイクオフに時間がかかりつつも、浦沢直樹ならではの恐怖感とかが凄いと感じさせるものだった。一方、風呂敷を広げすぎた感が否めず、後半に回収しきれなかった印象。
加えて、物語中で歌われていた歌を実際に作者本人が歌っていたのをテレビで見たが、あれでは心動かされる人は少ないのではないか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-01-21 17:16:15] [修正:2016-01-21 17:16:15] [このレビューのURL]

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