「ガクちゃん」さんのページ

総レビュー数: 47レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年01月24日

あまりの絵の巧さに当時、アニメーター志望だった私はすごく刺激された。著者の絵はそういう魔力がある。
躍動感とカッコよさと色気。
ただ、巧過ぎてなにかが足らないと思ってしまうのは私だけか。
ものの表現がステレオタイプな部分が若干鼻につくからか。
ストーリーの展開はやけにドロドロとしていて人間の業が作者の哲学をフィルターに展開されていく。作者の漫画デビュー作だが、いきなりの長編でストーリーテラーとしての資質もなかなか。この作品の直前に書かれた「シアトル喧嘩エレジー」という著者の小説も読んだ。著者の本質は若々しい熱さなのだ。

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[投稿:2009-04-19 21:56:53] [修正:2009-04-19 21:56:53] [このレビューのURL]

良作ゆえにここまで続いた、いわゆる大人のおとぎ話。
酒を描こうとすれば、人生を描かにゃならんのよ。という漫画界のど演歌ですな。球慢の第一人者らしく同ジャンルであれやこれと仕掛けていった作者の一つの到達点であり、ライフワーク。南海編しか読んでないけど、まあ、いいんじゃない。ゴルゴ13だって全巻読破してるなんて少数派でしょ。
私の読み方はBOOK OFFなんかで購入した本作をサウナに持ち込んで読むというパターン。作者にゃ申し訳ないんだが。
でもあぶさんがプロポーズした時にゃびっくりしたわい。

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[投稿:2009-04-15 23:39:45] [修正:2009-04-15 23:39:45] [このレビューのURL]

ばかばかしく真面目に面白い。
作者のヘンにリアルな作風は、漫画界にミョーなリアルギャグというジャンルを生み出しのたのではないか。ヘタウマ的な画が個性を際立たせている。しかし、個性的過ぎるがゆえにメジャーには決してなれない運命に。
プロレスという題材、世間様からは日陰者扱いの親父のキャラクターが哀しいくらいに作者の方向性とマッチしている。
リアル×リアルはシュールなのだ。

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[投稿:2009-04-14 22:25:59] [修正:2009-04-14 22:25:59] [このレビューのURL]

サルマタ、ラーメンライス、四畳半…。1時期を表現するアイテムって実はとても少ない。なぜだか、それらがとてつもなく懐かしく思い出される日が来る。若いと苦いって字が似ているよなぁなんてそういう味わいの作品。
作者は、おとぎ話の語り部のように戦争を語り、宇宙を語り、そして男を語る。
当時としては、ブ男が主人公の作品はとても珍しく新鮮だった。いや、かっこいいんだけど。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-04-02 22:56:14] [修正:2009-04-02 22:56:14] [このレビューのURL]

この作品が連載された当時、B級ホラー洋画のテイスト、デザイン的な線、丁寧なマジックの種明かし、といったさまざまなこだわりに作者の個性を強く感じた。作り手がいかにも楽しんで作り上げている味わいが好きだった。
ファンだったんだけど…。
ウケ、売れ線狙いの路線を突っ走ると何かを置き去りにする事になる。
いつから著者の作品を読まなくなったんだっけ。

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[投稿:2009-03-27 23:01:59] [修正:2009-03-27 23:01:59] [このレビューのURL]

町道場の師範を道場破りの流れ者があっけなく破る。
「しょせん道場剣法……実戦の役にたちもうさぬわ」
流れ者もその後、鎖鎌の尾行者にこれまたあっけなく敗れる。
とかげを山鳥が喰らい、山鳥をいたちが狩り、
しかし獲物はテンに横取りされる自然の摂理になぞらえる
こういった丁寧な映画的描写は最近の漫画ではほとんど見られなくなってしまった。
作者は壮大なテーマのまだ一断片しか描いていないという。
ならばそのテーマとは何か?
差別の本質とか、生きる厳しさという事ならすでに描ききっている。
それでは???
自分が思うに人が生きていくうえでの営みそれぞれの曼荼羅図を描ききろうとしているように思える。
すごい作品というのは認めるが、それを読むほうはつらい。カムイ伝と言いながら、内容は正助伝だったり、他の人物だったり。
曼荼羅故に飛躍がなく、息苦しい。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-03-22 10:46:24] [修正:2009-03-22 10:46:24] [このレビューのURL]

狼男伝説が、時に「バンパイア」となり、時に本作となる。
ある種のミステリであり、冒険ものであり、医療ものでもある異色作であり、大衆娯楽性を求められた大家の逆噴射。
仮にこれをマニア系と呼ぶとして、著者のそれら作品群のほとんどが再読に耐える構成となっている。
もんもう病となって毅然としている主人公はディック・フランシスの小説における主人公のようで、大人好み。
もっと評価されていい作品の一つ。

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[投稿:2009-03-16 23:36:50] [修正:2009-03-16 23:36:50] [このレビューのURL]

人々の記憶に残る以上に、父と子の物語である。
特に原作は、父親の人間臭い部分と、飛雄馬の父親への思いが熱い。ライバルに対してよりも父親との二人三脚の物語として今読むと、逆に新鮮。
だって今どきいない。
「やったぜ父ちゃん」って言える男の子は。
息子を持って読むと、また印象が変わる漫画だとも言える。
星一徹は巷で描かれるステレオタイプではなく実はとても繊細なのだ。

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[投稿:2009-02-28 21:49:02] [修正:2009-02-28 21:49:02] [このレビューのURL]

結構、深い。
大人びた子ども達。子供のような大人。
女は強く、男はしょうもない。
リアリティと誇張。
吉本新喜劇のような世界なのに、何もかも一筋縄ではいかない。
連載が長くなって漫画チックにぐちゃぐちゃになってしまったのは残念。
作者自身が、自分はちばてつやとつげ義春を足して二で割った線を狙っている。と言っていて、その絵柄が好きだった。

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[投稿:2009-02-28 21:26:57] [修正:2009-02-28 21:26:57] [このレビューのURL]

鷲尾が好きだ。
作者の作品にはだいたい彼のようなキャラが登場するのだが、その中でも彼はぴか一である。強すぎないところがいい。
ラストの彼のカッコよさはなぜか卒業していく三五への希望を感じさせる。
人生はこれからなのだ。

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[投稿:2009-02-28 21:10:20] [修正:2009-02-28 21:10:20] [このレビューのURL]