「コステロガーデン」さんのページ

総レビュー数: 225レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年06月12日

原作への挑戦状!

この作品はなんといっても数多く登場するキャラの個性と
時代背景をイイ意味で無視した遊び心溢れるアンバランスな世界観だと思います。

登場人物達が身に纏う、特徴あるデザインのコスチュームは古代中国風でありながら、
しばし近未来的だったり、近代的だったりしています。
そんな個性的なコスチュームをまとった彼等の人物像もまた個性的で、
本来ならば古典的雰囲気漂う人物像を、見事アレンジし現代人に馴染み易い人物像に組み替えています。
特にセリフは各々の個性を適格に表しており、セリフだけを読んで、それが誰のセリフなのか判ってしまうくらい。
これは、キャラが多く誰が誰やらという状態になりうるこの作品を
より分かりやすくする為の最良の方法だったと思います。

そして世界観。
民衆の格好や建物は古代中国そのものなのに、
一方ではバスケでインターハイに出たことのある人間がいたり、いきなり「3分間クッキング〜!」が始まったり、
時代という枠が取り外され、ストーリーのシリアスな部分とギャグとが境界線を持たずに混在しています。
それも違和感なく見事にミックスされており、作者のセンスを感じずにはいられません。
そのアンバランスな世界観も最終的にはSF的な広がりすら見せていて、ある意味原作を超えてます。

内容とは関係ないのですが、個人的に気に入っているトコロがひとつ。
それは表紙。
全23巻、それぞれ表紙を飾る人物が異なり、
その表紙を飾った人物は必ず同巻内で活躍(当てはまらない巻も存在するが)をしているという、
この作者の遊び心にも似たこだわりが、なんとも好印象。並べると結構圧巻。

◇この作品の個人的価値=全23部で 2800円也

ナイスレビュー: 5

[投稿:2005-10-13 21:05:17] [修正:2005-10-13 21:05:17] [このレビューのURL]

この奇妙さ、このセンスは世界一イィィィィィィーーーーー!!

長沢節とTony Viramontesを足したようなスタイリッシュな絵!
独特のポージングや「ゴゴゴ」や「ウィリィー」などに代表される擬音使いや台詞まわし!
ブランド名、アーティスト名、楽曲名などを元にネーミングした登場人物やスタンド!
パイオニア的戦闘アイデアと、特殊能力の連続攻撃!

随所に映画や小説ネタが存在し、まんまパクリ(メメントネタとか)もあるんですが、
元ネタを遥かに超えたパワーと「世界」がこの作品にはあるんです。
これぞ荒木ワールド!

どんどんその世界にはまっていく自分を
もう押さえる事はできませんでした。
みなさんも、肩までどっぷり浸かって読みませう!

個人的には
1位=第1部 巧みなストーリーで読ませる力作。すばらしいの一言。
2位=第4部 荒木氏の才能がついに開花したと感じる天才的な世界観。
3位=第3部 王道ともいえるスタンドバトルはジャンプ色強し。
4位=第2部 緊迫感と力強さで最も印象に残った究極生命体とのバトル。
5位=第6部 完成された世界観はハリウッド映画並の出来ばえ。
6位=第5部 スタンドの複雑化で、見た事のないバトルの連続。

ちなみに好きなキャラはワムウと岸辺露伴です。

◇この作品の個人的価値=全80巻で 30000円也。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2005-05-29 14:38:50] [修正:2005-09-14 19:21:50] [このレビューのURL]

壮大な生命を描きだす叙事詩。

まずはスケールの大きさに圧巻。
そして、これだけ世界を広げても
破綻もさほど見つからずにまとめきるという作者の力量には、
すばらしいと誉め讃えるしかないです。
全7巻ですが、内容の濃さと重いテーマも手伝って、
10巻以上の読みごたえを感じました。
(マスの小ささも関係しますが。。)
登場するキャラも非常にたっており、
それぞれがそれぞれの役割をきちんとはたしているのも良。
連載に長い時間を費やした分、世界情勢の影響からか、
当初あった視点がズレていき、それが終わり方に影響してしまったこと、
ナウシカがだんだん神がかり的な存在になってしまったこと、
難しいテーマゆえ、内容が難解になってしまったことのきらいがありますが、
人類の終焉という世界観のなかで生きる
さまざまな種族、生物の観念論の相違は、
現代に生きる我々に大きく訴えかけるものを残してくれます。
とても残念なのは、漫画というよりは絵コンテに近い画風が見づらいのと、
それを悪化させている紙質と印刷インクの色でした。
宮崎作品は「シュナ」にしてもこの「ナウシカ」にしても、
作品の特長を活かす印刷や製本の仕方を、もっと配慮すべきと思いました。

◇この作品の個人的価値=全7巻で 3000円也

ナイスレビュー: 3

[投稿:2005-08-07 21:46:58] [修正:2005-09-26 22:49:25] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

本物のカッコよさを知りたい方へ。。。

最初の方はもてない男の恋愛マニュアル的な匂いがして嫌な感じでした。
また、一昔前のマンガなので、流行もファッションも会話も古臭くて、
今の感覚とはだいぶかけ離れているため、読む年齢によっては良くわからないコトも多いと思います。
とりあえず薄っぺらなカッコよさだけを並べ立てて
恋愛レクチャーを武器にストーリーが展開するというスタイル。
絵もすごく下手というか雑というか。。慣れないと抵抗ありますし。。。

じゃあなんで10点なんでしょう?
6巻から変わるんです。(絵の下手さは変わらない)
なので最初の方をつまらなく感じても我慢して読んでください。
絵が下手だから読む気になれないなんて言わず読んでください。

6巻からは、いつわって生きていた自分のむなしさに気づき、
本来の自分(容姿ではなく信念)を取り戻し、
本当に好きなコトに、一生懸命打込んでいきます。
その主人公のひたむきな姿、生き生きとした姿は、
今までの(6巻までの)中味のない薄っぺらなカッコよさとは全く違う、
「本物のカッコよさ」への変貌としてうまく描かれています。

そして、たった一人の女の子の為だけに、
どんな困難からも逃げずに全身全霊をかけてぶつかるその姿勢。
そんな主人公の生き様に、ひとりの人間としてすごく惹かれていきます。

コンプレックスを持って生きている人、
自分が見つからずに悩んでいる人、
自立することに恐れを抱き嘆いている人
青春現在進行形の人などは
読めば必ず何かを残してくれる価値のある作品だと思っています。
これだけ身のある恋愛(?)マンガは他にないのでは?

大好きです。秋も、ユイも、ミルも、アリサも、ヒデさんも、ラモも、モトミも、
ケイジも、大吉も、和田さんも、ジェイコブも、裏戸も、みんなみんな!

◇この作品の個人的価値=全15巻で 12000円也。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2005-06-03 23:14:07] [修正:2005-09-21 23:18:39] [このレビューのURL]

ナイーブな内面とハードな現実のコントラスト(引用)

コミック巻末にある解説が、この作品の世界観により深みとコクを与えてくれて、
またしっかりとした知識の元で話が成り立っているので、
大人が読んでも楽しめる作品。

主人公ガリィの、戦いの中に自分の存在を求めるの姿が魅力的に描かれ、
彼女と一戦交えるサイボーグ連中も、機械の見た目とはウラハラに、
実に人間臭い複雑な感情を持ったナイスな連中ばかり。
賞金稼ぎあり、格闘スポーツあり、恋愛あり、さまざまな要素を取り入れ、
飽きさせずに作品に広がりを持たせているので、
濃い世界を楽しめると思います。

内容とは別にして面白いのは
映画「ローラーボール」を元にしたストーリーが組み込まれているこのマンガが、
今度は原作として、ジェームス・キャメロン監督の元、映画化されるという事。
映画から→マンガへ→そしてまた映画へ。
珍しい流れだなぁと思いました。
映画大国アメリカとマンガ文化のニッポン、
お互いが刺激し合って、パクり合ってのスキルアップは
映画ファン、マンガファンにとって嬉しい事なので、どんどんやってほしいものですね。

◇この作品の個人的価値=全9巻で 2700円也

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-10-11 19:22:06] [修正:2005-10-11 19:22:06] [このレビューのURL]

7点 AGAPES

闇の中で戦い続けた日々は決して君を裏切らない。。。

絵のテクニックのレベルばかりが上昇して、中味の薄いマンガが多い中、
作者が美しいと思う人間像を惜しみなく登場させるこの作品は、
「Bバージン」同様、読者に何かを与えることを目的に描かれています。

一方的献身であるアガペーを、身を削りながらも純粋に遂行する主人公ユリは
恐ろしい程に健気で、デリケートな存在。
そんな彼を取り巻く4人の男達もまた、底知れぬ闇を抱えながらも戦う戦士。
そして、そんな彼等を支え、見つめる女性たち。
みんなそれぞれ大きな闇を抱えていて、それに潰されそうになりながらも
必死にもがき、光を求め足掻き続ける愛すべき人物像たちです。

作中、太極図を指していった言葉があります。
「光は完全な光ではなく必ず一点の闇をもち、闇は完全な闇ではなく必ず一点の光をもつ。
いっぱい傷付いて落ち込むんだ、救われないほど暗く深く、絶望のどん底で初めて見える光がある
それが本当の希望だよ。」
挫折とか絶望とかを恐れずに飛びこめば、光は見えてくる。という
この国で闇を恐れて生きる我々への大きなヒントがそこにあるようです。

残念な事に打ち切りになってしまった作品なのですが、
打ち切りながらもうまくまとめて終わらせています。
できることなら陽編もダイジェスト的にでもいいから読みたかったです。
「Bバージン」のスターシステムもまたちょっと嬉しい演出でした。

◇この作品の個人的価値=全9巻で 3000円也?

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-09-21 23:21:45] [修正:2005-10-09 22:20:55] [このレビューのURL]

9点 SLAM DUNK

スポーツ漫画のエポックメーカー的作品。

バスケット漫画を描くと
「人気が出ない」「打ち切りになる」
といわれ、タブーされた時期に
その法則をブチやぶるかのごとく
連載当初から抜群の面白さとかっこよさで
今だにトップレベルの人気を誇る秀作。

バスケをあまり知らない人でも、
所々に入る解説のおかげで、物語に自然にのめりこんでいけます。
ひと試合がやたらと長いので、
当時、週刊で読むのはかなり辛いものがありましたが、
バスケ特有の臨場感と細かな描写を駆使することで
だらけたり、飽きたりといった
散漫した内容になることはありませんでした。
逆にこの作品をスピーディーに読みたいと思い、単行本を買うに至る訳です。
ラストが個人的には気に入りませんが、
それはきっと連載終了することが残念で残念でならなかったからでしょう。

このレビューをご覧になっている方達は
ほとんどの方がもう読んでいる作品ではあると思いますが、
もう一度、読み返してみるのも一興かと。

◇この作品の個人的価値=全31巻で 12000円也

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-07-24 16:37:52] [修正:2005-09-21 21:45:56] [このレビューのURL]

10点 花男

[ネタバレあり]

勉強では得れない価値がある。priceless(笑)

松本大洋が放つ独特の世界観の中で繰り広げられる
夢に向かって生きる父と、偏差値の世界で生きる息子との親子の絆。

よく、子は親の背中を見て育つといいますが、
まさにものすごくでっかい背中がそこにあります。
父親としての責任とか義務みたいなものは果たしていないですし、
社会的にも経済的にも、マトモな生き方ではないのですが、
人として、うらやましいと思える部分をもった
主人公の父「花男」は、父として、男として、
とても大切なことを我が子に教えてやる事ができたのではないでしょうか?

そして、夢であったその勇姿を見せ、共有することが出来たのは
「花男」にとっても息子にとっても
何よりの宝となったはず。。。

息子にとって「花男」は、まぎれもない理想の父親像であると共に
彼を見守り、夢を託していた周囲の人たちにとってもヒーローだったのでしょう。

ジーンとしたやさしい感動と、満足感、爽快感に包まれた傑作。
一人の親としてこの作品に救われ、
お金では買えない価値を知りました。(w)

◇この作品の個人的価値=全3巻で いや、pricelessですから。。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-07-23 12:52:53] [修正:2005-09-14 19:15:57] [このレビューのURL]

これぞ漫画!好感度抜群の主人公!

全33巻と長めですが、実際読んでみるとそんなに長い感じはしません。
その理由はシナリオのセンスと構成力のたくみさにつきると思います。
物語全体をみても、ダラダラしたところはさほどなく、
エンディングへ向けて、きっちり足場を固めつつも、
全力で突っ走っている感じを受けます。

主人公の潮ととらが所狭しとあばれまわる爽快さに心踊り、
キメゼリフのひとつひとつに胸が熱くなります。
そして、潮ととらの関係がどんどん変化していくのにもジーンとさせられます。

登場する人物たちが彼等に出逢う事によってなんらかの成長をとげ、
それが後々に互いにとって大きな力となる。まさに一期一会の世界。
その多くの出逢い、いってしまえば多くの伏線が、
パズルをうめるかのように見事にはまっていく最終バトル編の展開はみごと!

最終バトルのパターンとしてよくあるのが、
いままで作品に主人公絡みで登場してきた主なキャラ達が、
「わー」っと出てきて、手助けしたり、クライマックスを盛り上げたりするパターン。
この作品でも、主人公に関わってきたキャラ達が、最終バトル編にどんどん登場してきます。
しかし、その登場の仕方がハンパじゃない。
唐突に「わー」というチープな登場の仕方ではなく、キャラひとりひとりに適切な持ち場、舞台をあたえ、
そこでエピローグ的な要素を盛り込んだ十分な存在感を示し、伏線の消化を見事に終了させているのです。
この構成力とシナリオづくりのレベルは、恐ろしく高いといえます。
こんなレベルの高い作品を読んでしまうと、
他の作品が、
「ポロリのない女だらけの水泳大会」
「王様ゲームのないコンパ」
「マリームをいれないコーヒー」(これはちょっと違うか?)
のような、物足りなさを感じてしまうこともしばしば。
それでも私はこの「うしおととら」レベルのマンガと出逢いたくて、
これからも手当りしだいにマンガを読み漁ることでしょう。。。
一期一会を大切にして。。。

◇この作品の個人的価値=全33巻+外伝1巻で 15000円也。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-05-29 14:06:52] [修正:2005-09-11 14:04:41] [このレビューのURL]

美しいものを求める醜い人間。

絵画や彫刻にとどまらず、アンティークや時計に至るまで、
さまざまな価値ある美術品、骨董品に出逢うことができ、
それだけでも見ごたえ十分。
欲望うずまく業火の世界に生きる人間の姿を、
美術品を通して深く見る事ができ、
そういった人間ドラマ的な要素が、
一話一話よくできていて満足いく作品です。
いい仕事してますねぇ〜。

◇この作品の個人的価値=全32巻で 6500円也

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-08-02 22:25:05] [修正:2005-08-02 22:25:05] [このレビューのURL]

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