「オカシュー」さんのページ

総レビュー数: 252レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月18日

マイブームで勝手にキャッチフレーズを付けるのが流行った事があった。マンガにも読んだイメージだけで付けていく。
モンキーターンに私が付けたキャッチフレーズは。

「静かに熱い」

河合作品をよく読んでいる方なら多少は賛同してもらえるんじゃあないかと思うのだがどうだろうか。
躍動感は少し足りないかなと思う絵柄ながら熱くなる場面の遭遇率がやけに高いのだ。

実は河合マンガを読みだして日は浅い。2年経っていない。
その読書遍歴は「とめはねっ!」で興味シンシン、「帯をギュッとね!」で自分の中の好きな作家リストに登録、そして今やっとこの「モンキーターン」にたどり着いた訳である。

この作品を先延ばしにしていたのにはわけがある。競艇に興味が無かったからだ。
もちろんそれは今までに何度も繰り返してきた過ちだ。思い込みと偏見。

でも。ああ、読んで良かった。そう思える作品であった。

河合作品には女性ファンも多いと思うがこの作品は主に男性に合っている。
特に20歳以上の方に強くお薦めしたい。

その理由としては。

一、大人のバトルだ。
他作品と比べバトル色が特に強い。競艇バトルの面白さは作家河合克敏だから描けた面白さ。
この徹底的取材の上に紡がれた物語は冨樫作品とはまた違った大人の楽しめるエンターテイメントとして仕上がっている。

二、臭っ!
キャラがとても人間臭い。単純に割り切れぬ人のこころ。そして恋愛も大人の味わい。
青島さんは悲しすぎるし超脇役小林さんのお話を解する事は小中学生じゃムリ。
才能の無い人間があがいてあがいてそれでも前に進もうとする姿に感動できるのは苦渋をなめまくった大人の特権。

三、ギャンブルだもの
もーれつに競艇場に行ってみたくなる。そんな時成人なら問題なし。
舟券を買えばさらにマンガが面白くなる(?)

その他御当地競艇場が出てくるの楽しみの一つ。(我が県にもあります)
またトリビアとして競艇という題材は編集者に薦められての事らしい。自分に無縁だったテーマをこれだけ面白く描ききるのはやっぱ凄い漫画家だよこの人。

まぁ、そんなこんなで最後に一言言わせてくれよ。

競艇は水上の格闘技。

「モンキーターン」は静かに熱い!










ナイスレビュー: 4

[投稿:2010-05-09 01:46:42] [修正:2010-05-09 02:30:33] [このレビューのURL]

今、人気の王道少年マンガを挙げるならば「ワンピース」「ナルト」「ブリーチ」辺りであろうか。
しかし王道イコール、ワンパターンでもある。それ系バトルは巷に溢れている為高校生くらいになると批判的な目で見てしまう諸氏も多かろう。

そんな時は「ハンタ」の出番だがそれ以外にお薦めしたいのがこの「覚悟のススメ」だ。
一癖も二癖もある内容はドリアン的漫画といえる。味にハマると癖になる。
 
作者は「シグルイ」で人気作家の地位を確立した山口貴由。しかしここは作品「シグルイ」は忘れていただきたい。シリアスのみの「シグルイ」の作風とは明らかに違うからだ。
原作無しの山口貴由の本質はなかなかのぶっ飛び具合なのだ。

1994年に開始された本作品、編集部が求めたのは「北斗の拳」タイプの漫画であったように思う。
事実、初巻では北斗の拳ばりの悲鳴シーンもでたりする。壊滅した近未来の地球が舞台であり主人公と悪の構図や兄弟どうしの戦いなどモチーフは非常に近しい。

しかしそれだけだ。
上記のかなりのかぶり具合をもってしてもそれだけだと言いきれる程の突き抜けたオリジナリティがそこにある。

いくつか挙げるとするならば。

一、名シーン、名セリフの数々
本当にもう名セリフのオンパレードだ。この辺は「シグルイ」を読まれた方には分かってもらえるのではないだろうか。
エピソード「後方支援」は最高傑作。

二、ちょいエログロ
「シグルイ」レベルはある。男性のイチモツとか下の毛とか妙に強調されているのでちびっ子は大きくなってから見よう。

三、完結してる。
流れるようにキレイに終わっている。最近の漫画に「だらだら引き延ばすなよ」と不満を漏らしている人にはピッタリあうはず。
ラストのオチのぶっ飛び具合もそうとうではなかろうか。

以上まとめるならば異色変身ヒーロー物。ただ異色の度合いがハンパないだけだ。
よって賛否両論なのはこのサイトの評価でも充分承知。しかし最近マンガを貸し続けていた知人に「薦めてくれた漫画の中で一番おもしろかった」との感想を聞きレビューを書く気になった次第だ。

ぜひ山口貴由の本気具合を一度確かめてみてもらいたい。

おっと、そうこうしているうちに「パソコン使わせろ」と我が家の戦術鬼(息子)がやってきた。
最後に名セリフの一つを引用してこのレビューを締めくくりたい。

負けるのが恥なのではない!
戦わぬのが恥なのだ!

そんなセリフを胸に秘め、また一つ稚拙なレビューを書きなぐる。




ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-05-04 03:23:59] [修正:2010-05-04 03:45:49] [このレビューのURL]

子育てを経験された方なら分かってもらえるだろうが、小さい子供が凄くかわいい愛らしいと思える期間はとても短い。
無論かわいいと思える事はその後も度々あるのだが、それ以上に憎たらしいと思える事が増えるのだ。

子供の見る物全てに感動する期間も幼少のほんのわずかであり、すぐ外で遊ぶのでさえDSやってたりする状態になる。
(DSは買い与えねば友達の輪に入れなかったりするし)

よつばと!は子供が天使に思えるほんのわずかな短い期間を切りだして見せてくれているのだ。
現実ではあっという間に過ぎる一カ月を8巻もの巻数にてこれでもかと描き出してくれる。
よつばが可愛く見えない訳がない。天使の期間だけみせつけてくれるんだから。

癒されるわ、癒されるわ。私もメロメロになりかけた。

もちろん作者あずまきよひこの天賦の才あればこそだ。
季節の変わらない夏だけエピソードを8巻延々描き続けて飽きさせないなんてそんじょそこらの作家じゃ出来ない。
マンネリにならないのは奇跡的手腕だ。

人生の輝ける一瞬を見事にとらえた「よつば」物語。
まさに大きく美しく輝き、すぐに消え去る打ち上げ花火のように。
しかしだからこそ人生は素晴らしいのだ。
アイスクリームが、もらえないお土産が、やんだが、ちょっとおいしい牛乳が・・・

また一つ傑作が生まれた・・俺の中で。





ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-12-02 00:07:52] [修正:2009-12-02 00:20:34] [このレビューのURL]

学園怪盗コメディです。良くできていておもしろいです。

コメディは連載が続くにつれてダラダラと同じパターンのお話が続いたりしますがこれは締める所を締めてラストに向かってキチンと進みます。
作者男性の為か少女漫画でありながらコマがスッキリしていて読みやすいです。

和田先生は面白い漫画をたくさん描いているのでこれ以外でもイロイロ読んで欲しいなぁ。
しかしコノ作品、レビューどころか登録もなかったとは・・・とほほ。

某三姉妹怪盗漫画よりもダンゼンおもしろいと思うのですが、私個人は。

所持巻数 全巻

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-09-01 22:39:22] [修正:2009-09-01 22:39:22] [このレビューのURL]

「シェイプアップ乱」の頃から好きだった作者です。
でもこの作品は数年前2〜3巻買って、それっきりでした。

狂四郎を最初読んだ時に今まで以上に下品な下ネタとエッチシーンの連続で「も、もういいや」と思ってしまいました。
これは多分作者が少年ジャンプ時代に描き切れずにたまっていたうっ憤を青年誌で思いっきり(本当に思いっきり)吐き出して描いたのではないでしょうか。

しかしここのレビューを見て「それ程の作品だったか?」と最近続巻を買い続けてみると本当に凄く面白かったです。とてもビックリしました。
ギャグ漫画じゃあなくなっていました。1つ1つのエピソードが素晴らしい。

この漫画ハッピーエンドのエピソードばかりとは限らないので最後までドキドキさせられます。
何が正義で何が悪かハッキリさせていないのも青年誌ならではでとてもうれしい。

ヒロインでさえも時には悪魔のような顔になり他を呪い恨みます。
絶対正義の主人公の薄っぺらい少年漫画に飽き飽きしている高校生以上の人にピッタリの漫画です。

下ネタ、エログロで多くの読者を近づけさせないものの、それが乗り越えられれば大きな感動が待っている、そんな作品です。

所持巻数 15巻

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-08-24 20:25:23] [修正:2009-08-24 20:25:23] [このレビューのURL]

9点 KATSU!

久しぶりにみた新作で(コレ最近読みました)あだち先生の作品は凄い進化を遂げていました。
おかげで野球漫画で無くても先生の魅力がわかるようになってきました。

理由?マドンナ的立場であるものの今までのようないい子ちゃんでないヒロインが良いです。少しヒネた感じや絵柄だと目の下の線など違うヒロインを感じさせてくれました。

理由?友達が太っていないのが良いです。(ボクシングという題材が良かった?)

理由?そしてなんと犬がリアルになっている!これは何気に凄かった。私は凄くビックリしました。

もちろんあだち節は健在ですしボクシングはルールが分かりやすいので万人に薦められる作品に仕上がっていると思います。
不評もきかれるラストも私は特に悪く感じませんでした。

あだち作品は試合やその結果を楽しむのではなく人間ドラマを楽しむのが一番と思っているので、もしこれが打ち切りゆえのラストとしても上手に終わっているんじゃあないかと。

ただやはり多くの人もあだち=野球漫画だと思っているらしく大ヒットにはならずでしたが。
いい作品なのに残念です。

まぁいつかドラマ化か映画化するような気がします。
それくらい青春ものとして完成されていると思います。

所持巻数 全巻

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-08-22 21:25:34] [修正:2009-08-22 21:25:34] [このレビューのURL]

9点 S.O.S

くぅ〜っ!おもしろい!刑事サスペンス物です。
気まぐれに買ったものが大当たりの時のうれしさは計りしれません。

もちろん勝算はあった訳で細野先生の漫画にハズレは少ないし個人的趣味もあっています。
細野先生と言えばコメディ、SF、スポーツ、サスペンス等なんでもこなしてどれも平均以上というまさに漫画職人。

ありふれた女刑事ものにかかわらず取材能力と創作能力のレベルがものすごく高いのがわかります。
アイディアはいいのに勉強取材していないので空想だけの少年馬鹿漫画とか設定は完璧でリアル感バッチリなのに漫画的創作能力のない大人漫画とは一線を画すものです。

女の子には薦められないエグさがあるものの評価されるべき1冊と思います。
ちなみにコレを双葉社で描いているというのもイイ。

内容と出版社がかみ合っていると思います。
(双葉社さんに失礼?)

所持巻数 全巻

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-08-22 09:46:49] [修正:2009-08-22 09:46:49] [このレビューのURL]

飛葉がついに帰ってきた!出版元を変えて往年の名作の続編がついにスタート!
刑事ハードボイルドアクション。

続編なんてガッカリする事の方が多いから、昔の良さがそのままだった事が何より嬉しかったのです。
銃とかバイクとか大好きな作家さんでアクションシーンが超一流です。

ゲタ代わりの街乗り車さえこの人にかかれば大活躍しちゃうんです。
(軽四のスライドドア車が活躍した時はビックリした)

この漫画の感じはジャッキー・チェンの映画を観た時の感じに似ています。
あの連続アクション、アクションのスリルです。

前作以上ともいえる名作です。

所持巻数 13巻

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-08-18 23:27:29] [修正:2009-08-18 23:27:29] [このレビューのURL]

この、この古〜い作品が今でも青春学園物として全く色褪せていない事に本当にビックリしてしまいます。
他の作家さんのどれとも違う似ていないという点はこの作者の他にマネできない感性なのでしょうか。

無理に近い人を見つけてみるならばあだち先生かなぁ。
あとキャラの動きはなんかディズニーアニメのような伸び(?)のある動きかたするんです。

多分読んで「得したなぁ」と思える貴重な1作。

所持巻数 1巻

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-08-18 22:41:24] [修正:2009-08-18 22:41:24] [このレビューのURL]

ボクシング漫画の超大作。アニメでみても面白い。不朽の名作とはこの漫画の為にある言葉かも。

ベストバウトはカルロスリベラ編です。丈VSリベラの試合は最後は殴り合いのまま決着つかずで判定へ・・・
当時ビックリしました。当然丈がKOするとおもってたから。

一歩の漫画でもそうだけど主人公の試合で判定なんてまあ無いですよね。
でも普通考えると同レベルの選手が戦うんだからお互い倒せず判定になる確率の方が高いはず。
もちろんそうなると漫画的には・・いまいちになるかもしれないですけれど、リベラ戦はそれを上手に処理していて決着がつかないのにうまくまとめられたエピソードになっていると思います。

あと試合を勝ち進む話の方が目立つけれど初期の鑑別所のくだりもとても面白いです。
一歩ファンも先輩名作ボクシング漫画見てやってくださいな。

それからテレビで(アニメの評論でしたが)ある漫画家さんが「みんなは丈ではなく力石をめざして生きなきゃいけないんだ。」みたいな事を言っていました。
「えっ?敵役の力石?そりゃ丈より強かったけれど普通丈に憧れ丈をめざしながら観ているんじゃあないの?」と思いました。

その後理由を話していましたが「憧れてめざしてもだいたいそこまではたどり着けない。丈より上の力石をめざすくらいでやっと丈になれる。丈をめざした人は結局マンモス西くらいにしかなれない。」と言うんです。

ドッガーン!!そうだったのか!?だから今私はあの情けない西みたいになっちゃってるのか?

目標は高く設定しなければいけないって事なんでしょうなぁ…

子供には一歩ではなく鷹村をめざすよう言わなければ・・・
(それも違うか・・・?)

所持巻数 13巻














ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-08-07 05:30:15] [修正:2009-08-07 05:30:15] [このレビューのURL]