「十歩神拳」さんのページ
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- 1989年生まれ(性別:男性)
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凄惨な戦場の緊張感や人間の優しさが描かれている漫画が好きです。
また、画力や演出の上手さ等の、視覚的な面でも魅せてくれる作品も大好きです。
好きな漫画家は内藤泰弘、岩明均、三条陸(原作者)、藤田和日郎、荒川弘、夏目義徳など。

少年漫画として充分すぎるほどの完成度です。
登場キャラクターも個性的だし、話のテンポも良いし、絵に迫力もある。そして何より読みやすい(少年漫画においてこのアドバンテージは大きい)。
多くの登場人物の過去や背景、必殺技の論理的な説明(かなりトンデモ理屈だけど)もうまく話に盛り込んであるし、作者コラムやファンブック等を読めばその他の様々な設定もとても作りこんであることが伺えます。
また、歴史物はヒットしづらいというジンクスをも破り、時代背景上、どうしても付きまとう様々な制約と非現実的な表現の兼ね合いも中盤までは絶妙なバランスで併せ持っているのも特筆すべき点でしょう。
割とよく言われるように人誅編は少しやりすぎな気もしますが、それでも剣心が導き出した「答」はこの作品を見事にまとめきっていますし、剣心というキャラクターを揺るぎない存在に完成させていると思いますので、個人的には嫌いじゃないです。
名作だと思います。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-01-27 11:31:36] [修正:2011-01-27 11:50:21] [このレビューのURL]
4点 BLACK CAT
ジブリ好き!さんがパクリについて様々な疑問を投げかけていたので、その答えになるかどうかは分かりませんが少しだけ私も考えを述べようと思います。
まず、本作をはじめとする作品を「パクリ漫画」と批判する人たちは、おそらくですが多くの場合は「パクリ=悪」と考えてはいないような気がします。
問題は「読み終わっても“パクリ”という印象しか残さない」というほど、その作品自体の魅力が低いことにあるのだと思います。(稀に、悪意やネタ的な意味で侮蔑して“パクリ”と罵る人もいるかもしれませんが。)
どんなジャンルにしても、クリエイターは人間であるため、その感受性や発想の大本は過去に自分が体験してきた作品であることは間違いありません。だからジブリ好き!さんの言うとおり大概の作品は多かれ少なかれ過去の名作と重なる部分が存在するのは当然です。
では、何故「パクリ」と呼ばれる作品とそうでない作品に分かれるのか。
それはその作品だけが持つ一点の魅力(登場人物、ビジュアル、構成etc)が読者の心を揺さぶる程のものか否かということにかかっているのではないでしょうか。
具体例を挙げれば「寄生獣」です。あれは作品の根幹となるテーマや、所々のプロットはどう考えても「デビルマン」を引き継いでいます。もし「パクリ=悪」と考える読者が多いのならば、「寄生獣」もパクリ漫画と罵られているはずですが、たくさんの読者が「名作」と讃え、後世の漫画好きにも語り継がれています。
その理由はやはり、岩明先生が「デビルマン」の真髄を汲み取り、独自の解釈を含め、自らの作品として再誕させるほどの突き抜けた表現力と構成力を持っていたからでしょう。
一方、「ブラックキャット」の独自の魅力は何ですか?
もちろん、中には本作独自の魅力を見つけだしている読者もいるでしょうが、私が思うに、それほど強力な魅力はなかったように見えます。
大抵の読者をうならせるだけの能力や仕掛けもなく、ただ様々な名作を当たり障りなくくっつけただけなので、読み終わった後に評価しようにも「パクってた」ということしか言えないのです。
絵も奇麗には奇麗ですが、もっと凄い絵を描く漫画家はたくさんいるし、ビジュアル的にもどこかで見たような場面が多かったりするので、作品の評価を飛躍的に上げるほどとは個人的には思いませんでした。
つまり、「ブラックキャット」がパクリ漫画と呼ばれている理由は、単純に当時の矢吹先生に実力がなかった、本作に魅力がなかっただけだと思います。
点数が低いのも「パクっているから」というわけではないのではないでしょう。実際、パクリを気にしない方々の評価もここでは低めのようですし。
それ以外語る要素がないのですから、レビューする上で必然的にパクリという言葉が目立ってしまうだけだと思われます、多分。
もっとも、パクリを全く気にせず読める方にとってはこんなこと極めてどうでも良い話だと思いますが。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2011-01-27 11:06:55] [修正:2011-01-27 11:46:32] [このレビューのURL]
7点 ドリフターズ
ヘルシングの時にも言えたことですが、ヒラコー作品はそのジャンルに対して作者の持つ圧倒的な知識が作品の礎となっているので、この人の漫画を骨の髄まで楽しむには読み手にも相応の知識が求められます。
そのジャンルに対して知識があるか否かで、同じ作品に対してでも見えている次元が大きく異なってしまうはずです。
そして本作は「異界で歴史上の人物たちが繰り広げるトンデモ大戦」なので、最大限に楽しめる読者は「そこでそいつを使うか」とか、「やっぱこの流れならこうなるよな」などという楽しみ方も出来ます。
私は歴史は苦手なので、そういう点では歴史好きの読者と比べたらどうしても楽しみきれない部分があると思います。
とは言え、さすがは平野耕太。
まだ始ったばかり(1年以上連載してるけど)にも関わらず、歴史に関して知識が浅い私が読んでも普通に面白い漫画です。
この人の漫画の魅力として、相変わらずのヒラコー節の利いた台詞もさることながら、登場人物の「表情」もあると私は思います。
この人の描くキャラクターは言葉じゃ表わせないような複雑で奥深い感情まで、何とも言えない表情で表わします。
「目は口ほどにものを云う」と言いますが、平野作品の登場人物の表情は、ヒラコー節の利いた台詞以上に心境を伝えるほど進化した表現方法なのです。
つまり、知識がなくとも感性だけで充分に楽しめる漫画だと思います。
ただ欲を言えば、載せるからには30ページ前後は描いて欲しいです。(休載の時はおまけ漫画が代載されることがあるので個人的にはOKですが)
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-16 11:12:36] [修正:2011-01-27 09:54:54] [このレビューのURL]