「十歩神拳」さんのページ

総レビュー数: 76レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年11月30日

全体で見たら全く必要のない話やグダグダな展開も結構多いのですが、面白い時は10点でも足りないくらい面白いし、爆発力が桁違いです。
また、42巻にも及ぶ長いストーリーを通してこれほど重厚で壮大なドラマを練り上げたことは驚異的だと思います。

サハラ砂漠での熾烈極めるしろがねたちの死闘や壮絶な展開の連続には、それまで私がリアルタイムで読んでいたどの漫画より凄まじい興奮や衝撃を覚えて、毎週鳥肌が立ちっぱなしでした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-11-30 11:49:19] [修正:2011-04-13 10:50:52] [このレビューのURL]

1年に10週程度、それもネームのような状態で掲載しても許される、なんともわがままな作品。

もちろんその態度は多くの読者から批判のタネにされているのですが、それでも決して打ち切られることはなく、新刊が出ればジャンプコミックスの中でも最高クラスの売上をたたき出す規格外タイトル。

このような状況が持続している理由はもちろん「とにかく面白いから」の一言に尽きるのでしょう。


私の好きな漫画家さんが以前、「ネームだけ見ても面白い漫画だってある」というようなことを言っていましたが、ハンターハンターにおいて作画が云々という問題は、少なくとも作品を楽しむ上ではそれほど大きなことではないのです。
たとえそれが誠意の感じない、手を抜いて乱雑に描かれたもののように見えても、その演出や構図は他の漫画家が頭をひねってようやく創り上げたものより遥かに洗練されているのです。
ストーリーに関しても同様のことが言えると思います。


これでは毎週真面目に全力で連載している漫画家が馬鹿みたいに見えてしまいますが、残念ながら並の作者が1年かけて紡いだ物語より、富樫先生が数週掲載したぶつ切りのハンターハンターの方が読者たちの心を掴んでしまっているのです。

ジャンプにおいてこのスタンスが許される程圧倒的な能力を持つ富樫先生は、正しく「天才」と呼べる漫画家でしょう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-04-26 11:24:25] [修正:2010-04-26 11:24:25] [このレビューのURL]

9点 寄生獣

内容の素晴らしさは既に語りつくされていると思うので、ここはあえて本筋とは関係のないレビューをさせていただきます。

まず、本作はかの名作「デビルマン」をリスペクトし大きな影響を受けていることは、岩明先生が「ネオデビルマン」に一編を寄せていることからも間違いないかと思います。

もし本作が中途半端な作品であれば、「パクリ漫画」と叩かれた可能性も否定はできませんが、いまだ本作は名作と語り継がれています。
その理由は、多くのデビルマンファンが感じた「デビルマン」の本質や真髄を理解し、汲み取っているからではないでしょうか。

永井豪先生がもとより明確な理念を持った上で計算して「デビルマン」を創り上げたかどうかはわかりませんし、偶然により誕生した悪魔的な名作であったかもわかりません。

しかし岩明先生はその「デビルマン」から何かを感じ取り、それを滋養分として漫画家になり、他のクリエイターが成し得なかった「完全版デビルマン」とも言える作品を見事に完成させることで、「デビルマン」の凄さをデビルマンファンの代表として知らしめたのだと思います。

そしてそれと同時に人間の優しさや温かさ、冷酷さを独自の感性で奥深く描いたり、類まれな構成力を見せ付けることで自身の漫画家としての実力や存在感も明確なものにしました。

自分の好きな作品を礎としながらも、自分だけのセンスも100%発揮した作品なのだから、これは間違いなく名作とよべるのではないでしょうか。

ナイスレビュー: 11

[投稿:2010-01-30 11:12:01] [修正:2010-01-30 11:12:01] [このレビューのURL]

これといった欠点の見つからない、非常にバランスの良い少年漫画。
スートリーもよく練られていて、絵も綺麗でわかりやすいです。

結構えぐいシーンや、軍が中心の設定など一般的には受け入れられづらそうな要素もあるけど、抵抗感の少ないように描かれていると思います。
ただ、若干決め手に欠けるという印象があり、個人的に思う10点作品との間に壁を感じてしまいます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-11-30 15:18:23] [修正:2009-11-30 15:18:23] [このレビューのURL]