「十歩神拳」さんのページ

総レビュー数: 76レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年11月30日

ぬ〜べ〜が格好良い。
頼りになる大人なようで意外と下衆でわがまま、しかし人格者というこのバランスが本当に魅力的な存在。

演出やぬ〜べ〜の立ち振る舞いがどこかブラックジャックを彷彿とさせる気がします。


そしてガチの怪談話や超常現象がすっごい印象的です。妖怪もデザインが印象的なことに加え、その能力や個性を巧く引き立てる話づくりがされているので(小学生の心理や行動とのからめ方が巧妙で、感情移入してしまいます)、10数年たっても忘れられない話が多いです。

ただ、やっぱり初見が小学生以下の頃でないと、この面白さを体感することは難しいでしょう。

あと後半のバトル展開はいま一つでした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-13 14:14:07] [修正:2011-10-13 14:16:07] [このレビューのURL]

6点 DEATH NOTE

ラッキーやご都合主義すらも計算に入れて戦略を練るトンデモ天才たちが、ツッコみどころ満載のなんちゃって頭脳戦を繰り広げる漫画。

悪意のあるような表現を用いて評価をしましたが、別に悪口のつもりで書いたわけではありません。むしろこの要素をしっかり使っているからこそ、この作品は勢いがあって面白かったのだと思っています。

結局は、一見ひどい要素でもちゃんと話を考えて、効果的に描かれればこんなにも読者を引き込む娯楽作になるということを証明した、怪作だったと思います。

ジャンプの3本柱なんてお構いなしのダークな設定や雰囲気と、月のキャラクターも新鮮で良かったし、それを見事に表現しきった作画のレベルの高さがこの作品の魅力を増大させていました。
この3つの要素が絡み合ったクライマックスの月は、いろいろな意味でジャンプ史上に名を残すインパクトの主人公となったのではないでしょうか。

2部の滅茶苦茶さも、冒頭に述べた要素さえ把握していれば、あれはあれで楽しめるかもしれません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-20 13:19:44] [修正:2011-09-20 13:24:10] [このレビューのURL]

この漫画を簡単に説明すると
「ウルトラマンが聖闘士星矢のような鎧を身にまとい、ドラゴンボールに酷似したストーリーを展開する」作品です(しかも連載当時、ドラゴンボールはバリバリの現役でした)。

このあまりにもとんでもない設定のため、連載終了後は公式では極力触れられることもなく、一部の漫画好きが話題に出してもネタ漫画として扱われてきました。
コミックスも、連載当時はヤプール編までで刊行中止になったため全巻集められずとても悔しい思いをしました。

このような背景もあり、ガチャポンがヒットしたりOVAまで作られたにもかかわらず、長年ウルトラ作品の中でも黒歴史扱いされて日の光を浴びることのなかった哀れな作品です。


しかし近年、ある衝撃的な告白により注目を集めたことをきっかけに、復刊を果たし、遂に表舞台に舞い戻ってきました。その告白とはなんと、
本作の原作者「瑳川竜」が、あの「ダイの大冒険」で有名な「三上陸」だったというものです。

そしてそれを知った時、私はすごく納得しました。
なぜなら、この漫画が単に子供の大好物なヒーローを寄せ集めただけのパクリネタ漫画と切り捨てらるほど簡単な作品ではない程の熱量を秘めていたからです。

単なる表層を拝借しただけの劣化コピーではなく、元ネタの魅力を最大限に引き出す情熱や才気が本作からは迸っていました。
ここぞという場面では本家にも引けを取らないばかりか、元ネタの要素がうまく混ざり合って化学反応的な熱い展開が繰り広げられていました。
その熱さや王道さはむしろ「ダイの大冒険」に近いのではないでしょうか
(おまけにウルトラシリーズの知識が活かされた小ネタも随所に見られます。)。

つまり純粋に少年漫画としてみても、充分にすぐれた作品だと思います。
個人的にはお勧めです。

ただ後半が単なるガチャポンや関連アイテムの販促漫画と成り下がってしまったような気がするのがとても残念でした(特にメフィラスとツイフォンのくだりを本編でカットしたのがいただけない)。
その分を減点して6点です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-08-05 15:01:31] [修正:2011-08-05 15:02:16] [このレビューのURL]

特に中盤以降は漫画界のあるあるネタやパロディが基本的な構成要素なのですが、作者の毒も手伝って、この手のネタの漫画の中ではかなり面白いと思います。

ただ、個人的にはオチがあまり好きじゃありませんでした。
なんかあの最後を見たときは、それまでの面白さに水を差されてしまったような気がして、その後は本作を読み直すことはなくなりました。

本誌掲載時にはカラー等はほとんど与えられることはなかったのに、サンデーコミックスの缶バッジキャンペーンではケースのそこに地丹が描かれていたり、コナンや犬夜叉に続いてファンブックが発売されたりと、妙に愛されていた作品だったような気がします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-13 11:11:46] [修正:2011-04-13 11:33:37] [このレビューのURL]

おおむね評判の宜しくない本作ですが、要は読んだタイミングが評価に大きく影響すると思われます。

初見の時に10代後半以上であれば、既に多くの漫画を知り、感性も出来上がっているでしょうから、ストーリー的に特出した部分のない本作には面白みが感じられないかも知れません。

しかし連載当時に小・中学生であり、リアルタイムで読んでいた読者の中では結構な人気があったのではないでしょうか。
当時の少年漫画としては既に希少種であったシンプルでド派手な王道バトル漫画、しかもエログロの過激要素まで備えていたのだから。

少なくとも私の本棚では、「るろ剣」と「烈火」が、同級生への人気貸し出しタイトルの2トップでした。

また、パクリの点に関しては、裏武闘殺陣編なんて子供の目から見ても明らかに幽白のトレースでしたが、中途半端にコマの構図やキャラデザや台詞等をマイナー誌の作品から拝借するようなセコい作品と違い、まんま「幽白のような作品を描くんだ」というような目的が見えていたので、個人的にはあまり嫌悪感はありませんでした。

後半の画力の高さ、迫力は少年漫画として特出していると思うし、当時のイメージと現在の評価の均衡を考えれば、少し甘いけど6点くらいは付けたい作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-25 10:30:09] [修正:2010-07-25 10:41:44] [このレビューのURL]

1巻を読んだときは「漂流教室」的なサバイバルホラーなのかと思いましたが、全体を通してみるとむしろアクションアドベンチャーでした。
テンポが良く、キレのある展開で巻数も手頃なため最後まで飽きることなく読めましたし、面白い漫画だと思います。

しかし、先ほど述べたように前半では割とホラー的な展開が前面に押し出されていたため、私が勝手にその方向で物語が進むだろうと気構えていたせいか後半の展開に若干置いていかれてしまいました。

もっとも、作品冒頭から異形のモンスターが登場している点や、作品の背景を考えれば後半の流れになってもなんら不自然ではないし、最初から物語の流れは方向づけられていたのでしょうが。

でもやっぱり、主人公サイドにはできれば最後まで武器や兵器と知恵を駆使して、人間らしく小賢しい戦い方で化物と渡り合ってほしかったと個人的には思いました。


とはいえ、作品を通して少しずつ謎を明かしていく過程や、手堅く構成されたプロットはかなりの完成度だと思います。

個人的嗜好に基づいた点数が5点、作品としての評価が7点で、間を取って6点です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-05-24 10:23:01] [修正:2010-05-24 10:29:38] [このレビューのURL]

カバーのイラストや装丁、帯の文から感じた雰囲気がそのまんま読後に本作に対して抱く印象と言っても間違いはないでしょう。ポカポカした癒し系作品です。

10年前の冬目先生の作品群を構成していた世捨て人チックな冬目イズムはもはや見る影もなく、すっかり角が取れてしまいましたが、当時の冬目先生ならおそらく描けなかったであろう新たな魅力が詰まった一作です。

「羊のうた」や「黒鉄」等の初期作品の切なさややり切れなさと、本作の温かさを自由自在に使い分けられる能力があるとしたら、冬目先生は雰囲気漫画の漫画家としてはもはや鬼才の領域に入る人なんだろうなぁ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-12 10:55:21] [修正:2010-03-12 10:55:21] [このレビューのURL]

ベタベタの王道的な展開で新鮮味には欠けますが、漫画としてのバランスは非常に良く、安定感があります。

斬新で奇抜な作品を創り出せることはもちろん漫画家として最も重要な能力の一つだとは思いますが、ある程度定番化した当たり前のストーリーや展開を上手くまとめ上げることも高度な技術だと思います。

他のレビュアーの方々が仰る通り、「ダイの大冒険」と比較するとキャラクターの魅力などの多くの点で劣っていることは否めませんが、先に述べた点においては本作の完成度は高い位置にあると思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-23 11:36:58] [修正:2010-02-23 11:36:58] [このレビューのURL]

6点 ARMS

「父ちゃんは史上最強のサラリーマンに、母ちゃんは史上最強の主婦になったんだゾ!」(by野原しんのすけ、「ヘンダーランドの大冒険」より)

しんちゃんは知らなかったのでしょう。
“静かなる狼”の存在を。
“笑う雌豹”の存在を。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-02-23 10:49:09] [修正:2010-02-23 10:49:09] [このレビューのURL]

台詞回しや登場人物、ストーリーの全てがクセが強いため、読者の好みによって評価は大きく分かれると思いますが、単純にガンアクション漫画として見れば普通に良作だと思います。

私の中では近年のガンアクションは主に「内藤泰弘型」(デタラメ人間がインチキ銃で繰り広げるトンデモアクション)と「伊藤明弘型」(超絶運動神経人間が現実的な銃で繰り広げるスーパーアクション)の二つに分けているのですが、本作は後者に該当するでしょう。

この手のノリの洋画の経験値が高く、作者と同系統の嗜好を持つ読者ならさらに数段楽しめるかと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-23 10:34:41] [修正:2010-02-23 10:34:41] [このレビューのURL]

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