「十歩神拳」さんのページ

カバーのイラストや装丁、帯の文から感じた雰囲気がそのまんま読後に本作に対して抱く印象と言っても間違いはないでしょう。ポカポカした癒し系作品です。

10年前の冬目先生の作品群を構成していた世捨て人チックな冬目イズムはもはや見る影もなく、すっかり角が取れてしまいましたが、当時の冬目先生ならおそらく描けなかったであろう新たな魅力が詰まった一作です。

「羊のうた」や「黒鉄」等の初期作品の切なさややり切れなさと、本作の温かさを自由自在に使い分けられる能力があるとしたら、冬目先生は雰囲気漫画の漫画家としてはもはや鬼才の領域に入る人なんだろうなぁ。

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[投稿:2010-03-12 10:55:21] [修正:2010-03-12 10:55:21]