「dieseraie」さんのページ

総レビュー数: 19レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年12月19日

9点 SLAM DUNK

スポーツ漫画の頂点の一つ。
飛び散る汗の一つ一つにも迫力がある。テンポの緩い会話で笑わせ、全く無言の試合会場で得も言われぬ緊張感を描き出す。
井上雄彦氏の生み出すキャラ一人一人に味があり、何度読み返しても常に変わらぬ爽快感がある。
私もこの漫画の影響でバスケを始めたクチだが、試合前はチームメイト間で回し読むのが定番だった。大学で出会ったバスケ友達にも同じ習慣があったと知り、氏の影響力を感じずにはいられなかった。
いつか氏が書いていた、この本を読みバスケを始めた人がNBAで活躍でもしてくれたら俺は泣くだろう、という願いは、日本にこれだけ「バスケットボール」というスポーツを浸透させたという意味で、既に達成されたのではないだろうか。

興味のある方は「スラムダンク 黒板カード」で検索すれば、氏が黒板に書いた続編が見つかるので、手に入れて読んでみて欲しい。

幾つかのコマが既存のNBA等の写真をトレースしたものであるという事で、騒がれていることもファンなら知っていてもらいたい。
「エデンの花」との折り合いも考えて−1点。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-12-19 06:04:54] [修正:2005-12-19 07:23:19] [このレビューのURL]

今までの人生で一番多く読み返した漫画だと思います。
嫌な気分にさせられるような不要なリアリティーは排除されていて、主要キャラクターが悉く魅力的。それゆえヤンキー漫画だけど明るく笑える。多少の矛盾もなんのその。巻数が進むにつれてどんどん引き込まれ、卒業とともに何度でも喪失感を覚えてしまう。もっともっと読みたかったと。

私見かつ蛇足ながら、これ以降の作品はどうしてもテイストが違い、クセのある絵なのに「かわいいキャラ」のそのかわいさを前面に押し出してくるところがあって、そのキャラクターにのめりこむことができなくなってしまっている。全体的な雰囲気もかなり変わっていて、この作品全体にある中学生の男同士が馬鹿やってる感が好きだった私個人としてはイマイチ合わない。

絵や喧嘩描写などはあくまでも付随品。稚拙なそれらの要素もこの漫画の評価を下げるには至らない。絵も巧く、笑えて、泣けて、なんて各人の評価項目をすべて満たす漫画があったとして、恐らくそれは最高の評価を得るだろうが、漫画はそれだけでは語れないもの。いかに欠点があろうと面白い漫画はある。写実を極めて果たしてそこから何が得られるのか、それは実際の人生で楽しめばよいものだ。読了後の、色々突っ込みどころはあるけど俺には最高に面白かった、という気持ちこそがエンターテイメントとして個人個人が評価すべき項目だ。そもそも点を付ける時点で無粋だけど笑。よって私は、未熟な点もすべて含んだ上で、この漫画に10点を付けたい。
長々書いたけど要は、このマンガ面白いからかなり好きってことです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-10-03 16:54:38] [修正:2009-10-03 16:54:38] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

この作者は漫画家には珍しいタイプだと思うのですが、文章力があるというか、魅せる文章を書くことのできる人だと思います。
他の漫画家で言うなら、岩明均と似た印象を受けました。
福本伸行も魅せる文章という意味では近いかもしれません。
ただ、画力は上記二人に較べるべくもありませんが。

流れ星に願い事をする理由など、シンプルながらも納得でき、かつ泣ける台詞が、これに限らず物語のいたる所で堪能できました。

八郎太が苦悩し成長しながらも、それを咀嚼し構築していく哲学を最後に言葉で表現するシーンは、それまでの物語の流れの中で得られるべくして得られた結論でした。
それが4巻という短さの中でも潔くすっきりした読了感を与えていると思います。

己を考えるきっかけと成り得る漫画です。是非オススメ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-09-29 02:44:50] [修正:2007-09-29 02:44:50] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

モンキーターンよりも熱い!

作中にもこういう表現がありましたが、二度とは戻れない一瞬一瞬に賭ける花火のような青春を、回顧主義に陥ることなく最後まで描ききっている。

こういう時間が永遠に続けばいいなぁ、という保奈美の願いは凄く共感できて、切なくなった。しかし、立ち止まることなく成長し続けるキャラクター達の姿は、読者を励まし、明日からも頑張ろうという気にさせてくれる。

しかしこの作者は、ラブコメと本旨のバランスを整えるのが上手いですね。
プラトニックで気恥ずかしくなるような関係だから、何度読んでも爽やかで新鮮な印象を受ける。高校生なのに皆偉い!

回数重ねて読むことにも耐え得る良作だと思います。というか読みたくなる。この人の漫画、凄くスキです。

層がとっても薄くなってそうな浜高、頑張れ!

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-07-18 03:38:14] [修正:2007-07-18 03:38:14] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

漫画好きの方なら読んでないワケがない、
所謂、ラブコメというジャンルの金字塔的作品。

裕作、勘違いされたらさっさと否定しろよ!響子さんは話聞けよ!アメリカ人女性か!(稲中的表現)
等々、もやもやとする所もあるのですが、これは感情移入しちゃってる証拠ですね。世界観には凄く引き込まれてしまいます。
「大正野郎」、「大東京ビンボーマニュアル」、「男おいどん」、「まんが道」の様な作品にも見られる、かつての日本への郷愁も覚えます。

気になったのは裕作が呼び込みのバイトを始め、下宿の住人仲間から毎晩たかられるシーン。
さすがに悲惨でした。裕作、それじゃ働いても借金増やすだけだろ・・・。可哀想。笑

しかし、やはりクライマックスは何度読んでも感動してしまいます。特に、惣一郎さんに対し裕作が語りかけるシーンでは、成長した裕作の姿に今までの苦労が重なり、その言葉を重みあるものとしていました。どなたかも書かれていましたが私もあのシーンが一番好きです。

ちなみに主要人物の苗字には数字が入ってます。下宿している人は部屋番号ですね。細かく見ていくと楽しそう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-05-20 04:28:49] [修正:2007-05-20 04:28:49] [このレビューのURL]

ドラマ「アンティーク」の原作であるが、私はドラマよりも楽しめたように思う。ボーイズラブ系の作品では有るがそれが中心とはなっていないので、食わず嫌いせず一読して欲しい作品。

洋菓子店に勤める4人を中心に物語は進められていく。4人の店員全てが個性的で魅力的。ただ、辞めざるを得なかった元ボクシング世界チャンプ、財閥の御曹司、世界的パティシエと主要人物が豪華キャストなのは致し方ないところか。
所々で、お客さん一人一人の人間ドラマの中にケーキが脇役として登場しいい味を出してくれているのだが、そこには料理マンガに有りがちなケーキの力で物事を解決!といったような押し付けがましさがあまり無く、嫌味が少ない。
巧妙な伏線を静かに消化していくストーリー展開は、志村貴子のマンガに近い空気を感じることが出来た。最終巻ではトラウマを昇華することなく常に身近にあるものとし、それに折り合いをつけて日々進んでいく姿勢を描いている。欺瞞的でないこのラストには賛否両論あるかもしれないが、無理にトラウマを解決しようとするマンガが多い中で新鮮で爽やかな印象を読み手に与えてくれることだろう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-12-06 18:49:24] [修正:2006-12-06 18:49:24] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

設定の強引さが気になった。
いくらチップを埋め込んでいるとは言え、高校(しかも共学)はなかろうと。高校生の目の前で人が死ぬかもしれないってのに。
女子高生を目の前にして手淫すら禁じられた囚人を、監視付きとは言え野放しにする点も危機感無さすぎ。暴行未遂でも被害者にはトラウマとなるだろうし。
さらに、下にも意見が出てたようだが登場人物の感情が急変し過ぎ。

この漫画はあくまでヒューマンドラマが焦点となっており、現在の死刑制度に関する論点としてはズレが有る。とは言え死刑制度について考えるにはいい機会となるので、その社会性も考慮し6点。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-12-22 04:01:34] [修正:2005-12-22 04:01:34] [このレビューのURL]

オッサンなりかけの青年の成長を描いた、泥臭い遅咲きの青春といった感じ。
笑えてしまう程不幸な主人公。世間にゃ鬼ばかりだという教訓を与えてくれる漫画。ここまで読み返したくない漫画も久しぶりな気がする。
爽快感を求めるのではなくダークな気持ちになりたいときにオススメ。「失踪日記」とか「ザ・ムーン」とか「犬犬犬」とか「マーズ」とか「マインドアサシン」とかそういう感じ。いや、ちょっと違うか。とにかく、こういういわゆるダウナー系に括られるんじゃなかろうか。ストーリーも結論も前向きなんだけど前編に渡るこの鬱感がそう感じさせるのだろうか。
この花沢という筆者、勢いのある漫画を描くのが非常に巧く、読者を魅了し一気に読ませてしまう。ジェットコースターに乗ったが最後、降りられずに思いっきり揺さぶられ続け、気持ち悪くなり、途中で降りることも出来ずゴールする。ゴールしてみたら何か最後はあっけなかったなと。うーんタチ悪い。

常にサクセスストーリーを期待しているわけではないが、私には正直合わなかった。
しかし、このストレスの溜まる陰鬱な話をコレだけ読ませる筆者のニクい腕に敬意を表して5点ということで。

それにしても田西、・・・情けなさ過ぎ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-12-26 08:37:06] [修正:2008-12-26 08:39:34] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

かなり好きなマンガです。
ぬるくてけだるくてだらだらとしてるだけなのに
何故か読むたびにその独特な雰囲気にどっぷりとはまってしまいます。

実際に身近にいたら物凄く厄介であろう、キャラクター陣なんですが、その内面の葛藤、少しずつの成長が巧く描かれているので不快感が少ない。そして志村貴子ならではのまったりとした語り口で物語はゆっくりと進んでいく。

たまらんです。この世界観。

蛇足ながら。
ちあきはこれからの人生ワープアとして生きることになるのか・・・。頑張ってキクチナナコと生きて欲しい。すぐ死にそうな二人だけど。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-04-29 05:22:43] [修正:2008-04-29 05:23:39] [このレビューのURL]

スポーツマンガにありがちなトンデモ技はいい。
少年漫画を描く上でそれは仕方ない事だろう。

しかし酷い。
絵もストーリーも劣化した。
本当に別人が書いてるんじゃないかという疑問すら浮かぶ驚きの出来栄え。
平松の新しい技やらワールドユースやらファントムドリブルの詳細やら(作中の説明だと牛の足跡と重なってたことなど完全無視)、多くの複線を置き去りにしたまま終わってしまった。
展開も先が読める上に、今までの強敵だった帝光がかませ犬にされるなど呆れた方向に進み、読んでいて辛かった。

バレーマンガなんて書いてないでもう一度真剣に、続編にチャレンジしてみて欲しい。ワールドユース編なり、ワールドカップ編なり。
無印の「シュート!」は良かっただけに残念。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-11-14 08:30:50] [修正:2007-11-14 08:32:21] [このレビューのURL]

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