「クランベリー」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月12日

本から丸ごとりりこの執念が出ている感じ。怨念と言うべきか。

決してりりこみたいにはなりたくない。
でもあの強さには憧れる、かもしれない。
あんな強さ身に付けたいとはちょっぴり思う。
でもやっぱりりりこにはなりたくない。難しいな、この感覚。
りりこの美しさって、花火は燃え尽きる直前が一番美しい、っていうのと同じだと思うから。

破綻が見えていて、でもそれに無理に抗うことよりも、限られた時間を光り輝くことを選んだりりこ。
女の子の隠れた願望かな、こういうの。

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[投稿:2011-02-12 21:29:29] [修正:2011-02-12 21:29:29] [このレビューのURL]

7点 COCOON

戦争マンガってすごく難しい。
戦争を経験していない世代の作家が描いた漫画を、戦争を経験していない世代の読者が読んで評価するんだから、そりゃ難しいのもしょうがないのかもしれない。
私だって戦争は辛くて悲しくて無残だってことぐらいわかる。言葉では。
だから、言葉では伝わらない何かを求めてこういう漫画を読むのだ。

読んでみてなんとなくわかった。
この話は、そういった意味での既存の戦争マンガとは違う視点で描かれてるんだな、ってことが。
敢えて現代にも通じる普通の女の子たちがメインとなり、少女が繭を作ってそこから羽化していくことを主題にしているのかな。
かわいらしい絵柄で残酷な状況を描写し、重い話を淡々と散文的に描く。
そこに必要とされるのは想像力、なのかなやっぱり。

説明を省いて考えさせる手法は悪いものではないけど、きっちり描き切って欲しかったとも思う。
でも作者の内面を描き出すという意味において、これ以上の手法もないのかな、とも思う。
少なくとも戦争を無闇に美化も無慈悲なものにもしていないのは良かった。

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[投稿:2011-02-12 21:05:15] [修正:2011-02-12 21:05:15] [このレビューのURL]

清水玲子作品は輝夜姫で卒業していたつもりだったけど、このサイトで興味深いレビューがあったのでつい手を出してみた。

これヤバイ。すごすぎる。
この作者は長編を描くとだいたい最後の方がぐだぐだになってしまうんだけど、短編集やこの漫画みたいなオムニバスだとその良さが発揮できる。
面白い。
こんなに残酷で救いのないような話なのに、どこかコミカルでほっとさせてくれるのはさすが。

1巻はそうでもなかったけど、2巻以降は読む手が止まらなかった。
特に2巻の天地の話はすごい衝撃だった。
私も社会に出てまだ間もないから、天地の気持ちはよくわかるよ・・・。
早くみんなと仲良くなりたかったんだよね。早く仕事を覚えたかったんだよね。
他の人から見たら大した事じゃなくても、ほんのちょっとした幸せ、憧れるのわかるよ。
ちょっと時間つぶしのために入った漫喫で号泣してしまいました。個室で良かった。

輝夜姫で卒業しなくてよかったな。このサイトのおかげですね。

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[投稿:2010-09-12 16:43:25] [修正:2011-02-12 20:40:15] [このレビューのURL]