「クランベリー」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月12日

夜中に読んでたらなかなか怖かった。
ホラー系の話は別に苦手じゃない私を怖がらせるなんてなかなかやるじゃない。

原作がケータイ小説だったなんて初めて知りました。なるほど、道理で……。
なんてこと言っちゃいけないかもしれないけど、お化けの設定はリングと呪怨を足したような、いわゆる「どこかで聞いたことあるような」お話。
しかも呪いの設定がとても細かくて、まるでスポーツとかゲームのルールのような感じ。
本当にあのお化けの子がこんな細かいこと考えたのかな。

そんな風に冷静に考えていくと萎えてしまうんだけど、作画担当さんは絵も上手だし見せ方も巧いし、全体の雰囲気が良い(ホラー的に…?)のもあって、ホラーとして良い味出してます。
この作画担当さんはこのサイトの他作品のレビューとか見る限りでは、残念ながら少年誌で芽が出なかった方みたいですね。
実力のある方がこうやって環境を変えてその実力を発揮できるのは素敵なことだと思います。

残念なのは、話がちょっと長いこと。
このレビュー時点でも優に10巻を超えてまだまだ続きそうだけど、ホラーって出落ちみたいなとこがあるから、これだけ長く読んでると慣れちゃいますよね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-03-26 21:56:52] [修正:2017-03-26 21:56:52] [このレビューのURL]

6点 ACMA:GAME

もう一大ジャンルになってしまった「巻き込まれ系理不尽ゲーム」的な作品。
近いのは「LIAR GAME」あたりかな。
テーブルゲームだけじゃなくて、粘土遊びとかかくれんぼとかサバゲーとか動きの大きいゲームが多いのが特徴で、必勝法を編み出すというよりいかにして合法的にルールを逸脱するかみたいなところに重点が置かれているのも面白い。

途中からはずっとメンバー固定で互いに勝負していくのが少年漫画らしいかも。
ただ、そのメンバーがみんな同世代なので話の広がりには欠ける印象。
対戦相手は良い人ばかりだし。悪人いないんかい。

この作品では「負けたらヤバい」っていう絶望的な緊迫感がどうもあまり感じられなくて、そこが残念。
だって命を賭けるわけではないし、負けてもひどい事されないし、その辺の描き方がゆるいというか物足りないなって気がします。

そんな感じで深みには欠けるけど、エンターテインメントとしては十分に楽しめる作品です。作画担当さんの代表作のような感じ。やっぱり同じように実写ドラマ化とか狙ってるんでしょうか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-26 21:45:08] [修正:2017-03-26 21:50:15] [このレビューのURL]

要するに「マイガール+高杉さん家のおべんとう」みたいな作品。

主人公は味オンチで料理に全く興味のないタイプ。
幼稚園生の娘さんのつむぎちゃんともども食事はコンビニ弁当か冷凍食品かファミレスのみ。
本人は食に興味がないからそれで何の疑問もなかったんだけど、先につむぎちゃんがそんな食事に飽きてしまって、手作りの料理を食べたそうにしているのを主人公が察し、娘のためによーし自炊するぞ、っていうお話。

食に興味ないとか現実でもたまにそういう人いますけど、私的にはちょっとありえない。
美味しい料理を作れる人って、美味しい料理を食べたことのある人、美味しい料理を食べたいと思う人だけだと私思うんです。
だから主人公には本質的に厳しい。
で、味見役の女子高生が出てきて、3人で一緒に料理・食事をしていくことに。
現実的にはおかしな話ですけど漫画としてはごく当たり前な展開というか、その女子高生が美少女でしかも主人公に懐くのもやっぱり漫画のお約束。

感想としては、上にも書きましたけど似ている作品があって既読感が満載というか、可もなく不可もなくという感じでしょうか。
つむぎちゃんにピーマンを食べさせようとするお話とかは面白かったけど、全体的につむぎちゃんを可愛くみせようとしすぎているように思えて少し気になったかな。
一応は先が気になるような仕掛けもしてあるみたいだけど、基本的には読み急ぐ作品ではなく、一話完結でまったりと読んでいく作品。だから長期連載ではなくて短い巻数で上手くまとめて欲しいと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-10-15 21:33:25] [修正:2013-10-15 21:33:25] [このレビューのURL]

6点 煩悩寺

煩悩っていうよりはカオスですよね。あ、本能寺と掛けてるのかな。いま気付いた。

他の方のレビューを拝見してなるほどなーと思ったんだけど、前半は主人公の小山田くんが没個性すぎますよね。
結局のところ煩悩寺を形成しているのはお兄さんのチョイスであって、そんなお兄さんのカオスさと小沢さんの天真爛漫な無鉄砲さとでお話がほぼ構成されている気がする。

じゃあ小山田くんは一体何なのさと思ってたら、実は彼もかなり個性溢れるキャラで、途中から小沢さんに対しても読者に対してもグイグイ来始めた。
で、小山田くん要素が強くなってくると他の要素が薄れてくるのは必然なわけで、こともあろうに煩悩寺が少しずつ目立たなくなってきて、何と途中で一旦消滅! それでいいの!?

読んでてビックリしたけど、よーく考えてみると、煩悩寺ってのは単なる舞台で、この作品は要するに二人のイチャイチャっぷりとか初々しいところとかをニヤニヤしながら読むことがメインなのね。
私は煩悩寺のカオスさが好きだったから少し寂しかったけど、後半のニヤニヤまっしぐらも面白かった。
ただラブコメとして考えてみると、後半はあまりにも平穏で盤石な関係すぎて物足りなさがあったかも。本来はそういうまったりした世界観に刺激を与えるスパイスとしての存在が煩悩寺なのにね。

どうでもいいけどお兄さん煩悩寺グッズのためにお金使い過ぎ。少なく見積もっても数百万円、もしかするともう一桁多いかも…。お金持ちなのかな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-08-08 00:09:43] [修正:2013-08-08 00:11:11] [このレビューのURL]

作者のデビュー作となる短編集。2012年かなり話題になった短編集だそうですね。
全6編+おまけで、うち半分以上が冠婚葬祭な感じ。
このレビューはなるべくネタバレを避けているつもりですが、鋭い人なら何か察してしまうかもしれません。ご容赦ください。あと偉そうな文章でごめんなさい。


1編目は、結婚式を翌日に控えたとある女性と男性の平凡で平穏なエピソードを描いた表題作。
式を目前にして焦り出す女性と、どっしり悠然と構えている男性。その対比が面白くて読みやすく、「やっぱり前日だとこんな感じなのかな」なんて思いながら読み進めていくものの、話自体は実に平凡。
でも突如として話の全体像がガラッと一変し、「あれれれれ?」と慌ててもう一度頭から読み返してしまう、そんなお話。
実は初めて読んでいる時に妙な違和感をほんのりと感じていたんだけど、それが作者の仕掛けだったのね。で、その違和感の正体が判明してすぐに読み返し、巧妙な仕掛けだったことに気付く。しかも「さーて、どんでん返ししますよー」って話でもなくて、自然な感じでコロッと小気味良く引っ掛かる。
それがまた素敵。そうだよね、よく考えたら式の前日だもんね。タイトルも含めてよく出来ているなあ。
引っ掛かってなお暖かい気持ちになれる良作。

2編目は、夏の暑い昼間のとある幼い少女と父親の平凡で平穏なエピソードを描いたお話。
これもまた話自体は実に平凡。でも読みやすくて普通に読んでいるうちに、また「あれれれれ?」ってなっちゃう。
今度のお話は1編目とは違って特に違和感も無く(一応あることはあるけど)、不意打ちな感じでどんでん返しがやって来る。
斬新な視点が印象的だった1編目とは対照的にこちらは古典的な仕掛けでタイトルも微妙だけど、やっぱり暖かくて心地良くなれる。


ここまで読んで、話の構成の上手さと巧みさ、そして平凡な導入部から突如訪れる鋭いどんでん返しの存在に、この短編集はそういうものだと読者は想定してしまうかもしれない。
でもこの後の収録作は平凡な話が平凡なまま終わる、普通の平凡な短編集。
どんでん返しも盛り込まれてはいるんだけど、あまり効果的に機能しなくて。悪い話ではないのに、最初の2編で読者の中のハードルが上がってしまっているので、特に平凡に感じる。それが残念。

これ個人的には掲載順が失敗したのかなーなんて思ってしまう。
もちろん短編集なので最初の話が面白くなければその後のお話を読んでもらえない危険があるわけで、最初に面白い話を持ってくるのは当然かもしれないんだけど。
でも最初の2編を後ろの方に持ってくれば、全体的にバランス良くもっと面白く読めたかな、と。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-01-05 23:36:16] [修正:2013-01-05 23:37:45] [このレビューのURL]

王道の青春漫画にクイズというニッチなテーマを掛け合わせたような作品。
絵は綺麗で、内容も読みやすくそれなりに熱血もしていて面白いし、クイズに関する雑学知識も楽しい。

ただ、登場人物は主人公もヒロインもよくある感じというか、ベタベタでコテコテな学園漫画。
そう考えるとこの作品の面白さって何なのかなってちょっと感じてしまう。

例えば、比較対象として他の方も挙げている、同じく王道+ニッチなテーマの作品「ちはやふる」。
ちはやふるも凄く面白い作品なのだけど、ちはやふるはテーマがカルタでなくてもきっと面白い。あの迸るような熱さはテーマが例えバスケだろうが吹奏楽だろうがきっと変わらない気がする。
でも、この作品はクイズを扱っているから物珍しさもあって面白いように思えてしまう。それは突き詰めればマイナー競技であるクイズというものに対する興味。だからもしこの作品のテーマがよくある将棋とか料理とかだとしたらどうだったかなって。

もちろんそのクイズというテーマを上手く描き出しているのは確かだし、クイズの魅力を際立たせるために敢えてストーリーをベタにしているのかもしれない。
でも私なんかはもっとキャラに他に無いような個性とか魅力が欲しかったなあなんて思ってしまう。
ということで、クイズ漫画としては楽しいけど、青春漫画としては別に普通かなーなんて思ってしまうのでありました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-01-05 23:15:18] [修正:2013-01-05 23:28:59] [このレビューのURL]