「lilly」さんのページ

総レビュー数: 27レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月03日

10点の基準
「漫画というメディアを超え魂を揺るがし、人生に影響する作品」
と言ってしまえば確実に大げさなんですけど、
女性漫画として久々に楽しませてもらったので10点で。

遊知やよみ作品はCookie連載物しか知らなかったのですが、
文庫本のページを開いて
「初期だなあ」と変な実感。
1巻あたりだとやはり絵柄が大きく違いますね。


老舗和菓子屋あたりには縁はないのですが、
京都でご高齢者と接する日々を過ごしているもので、
そういう意味では
「京ことばの使い方が絶妙」だと思いましたね。
方言を全面的に取り入れると、妙な違和感が出てくるのはしょうがないとある程度割り切っているのですが、
この作品は特に違和感なく読めました。
若い人がここまでの言葉を話すのかと問われればわかりませんが。


老舗和菓子屋の娘三人(雛、あられ、ハナ)が主役で、
語り部は三女のハナ。
三人ともそれぞれに個性を持っていて、
それぞれの葛藤と恋愛模様が印象的でしたね。

雛の場合、
彼女の性格と、「のれんを守る」ことを意識する背景柄や相手(桧山)の婚前の女性関係(市雀)のしがらみなど、
現代物と言うよりは時代物を読んでいるような感覚でした。
彼女と桧山の結婚の話がたぶん一番ドキドキした。

対してあられの場合、
相手が信頼されている相手(健司)なので、雛よりライトに楽しめました。
あられと健司の会話はもう夫婦漫才みたいな感じですしね(^_^)
比較的のほほんとしているので、
朝帰りしてしまう場面がスパイスになっているのがよかった。

ハナの場合、
中学生から高校生に年齢が変わる頃で、
相手である庵も転校を境に「少年」から「青年」へと変わり、
他の姉二人とはまた違う、
彼女の場合はそのまま「少女漫画の恋愛模様」を楽しませてもらいました。

ハナの相手候補として、庵と壬生が出てくるんですけど、
個人的には壬生のほうが好きなんだけどなあ……(笑)
健気なのが泣かせます(^_^;)
6年後の大人になってからも報われない壬生君(^_^;)
頑張って壬生君!と思わず言ってしまいそうになる(笑)



雛とあられは特に子ども時代の境遇に苦しめられ、そこから解決策を見つけ出すのですが、
最終話である6年後、
自分の子どもに同じように接してしまうあたり、考えさせられるけども、たぶん、そういう人っていてもおかしくないのだろうなと。
自分だったらどうなんだろうな、と考えてしまいました。
締め方としては好きです。


多分読む年代でまた感想が変わってくる作品なのかもしれません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-12-26 00:28:31] [修正:2011-12-26 00:28:31] [このレビューのURL]

10点 SLAM DUNK

それまで題名と「アニメ化された」ことしか知らなかったこの漫画、
初めて読んだのは、高校の図書室でした。
(連載開始の頃が幼児、アニメ化が小学校に入ったあたり、という世代です)

バスケはルールは全くと言っていいほど知らなかった人間です。
小学校で夢中で友達とボールを追いかけたことはあったけど、
バスケットボールに夢中になることもなかったし、
体育の授業と小学校のお昼休みに走ったほかではやったこともなかった。

そんな私でも、一から楽しめました。

ルールを知らなくても、
漫画の中で丁寧に解説してくれるので(主人公も初心者から始まるので)、入っていきやすいと思います。

試合の場面は、
本当に音が聞こえてきそうでしたね。
大げさな表現ではないつもりです。


そんな私、高校で読んだころからミッチーが一番好きだったりする。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-10-23 15:17:49] [修正:2010-10-23 15:17:49] [このレビューのURL]

一言でいえば、懐かしかったですね。

あんなにいい娘じゃないけど、
私も学生時代はどちらかというと爽子タイプの人間でした。
どう声をかければわからないとか、誤解を生むとか。
最初のうちは、あの頃を思い出してしまいましたね。
だから、最初のうちは、爽子がそこまで人気なのが不思議だったりしましたけど(笑)。

そんな観点から、
風早に対しても、なるほどな?とどこかで思っていました。
男女全員に好かれる人なんて、たぶんいない。
風早タイプも、誰かひとりぐらいには嫌われていてもおかしくない。
でも、好きな人が誰にも嫌われていないように見えるのは、わかる気がするんです。明るくて優しければなおさら。
私もかつて、同じように好きな人に想ったのを思い出してしまいました(笑)。


最初から、なんとなくですが、
学生時代の三年間を描くのかな?とは思ってました。
少女漫画の学生漫画では、これまで読んだ中では結構そういうものも読んでいたので。

ただ、確かにほかの方のおっしゃる通り、
想いが届いた時点で、作品を終えるべきだったというのもわからなくもないです。
と思うのは、想いが届く前と届いた後は、話の流れが当然ながら変わってくるわけで。

個人的に、episode44.と50.は、分けて番外編で掲載したほうが自然だった気もします。(あくまで個人的な感想ですが)


好きな作品なので、この先もしばらく読みたいとは思うのですが、
「大人の事情でやってます」というのがわかるのだけは避けてほしいですね。


タイトル「君に届け」も秀逸なタイトルだと思うのですが、
久々に面白い少女漫画を読んだなあ、と満足している自分がいます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-05-14 16:24:35] [修正:2011-05-14 16:24:35] [このレビューのURL]

小学校の時、六年間平和学習があり、
中学の時も、三年間平和学習がありましたが、
そこで見る平和学習映像(アニメ映画、実録映像)が苦手でした。
大体夜眠れなくなるタイプだったので。^^;

ほかの漫画でいえば、
手塚治虫さんの「紙の砦」はしばらく鳥肌が立ち頭から離れませんでしたし(当時専門一年だったんですけどね)、
同じ原爆を取り扱っている「はだしのゲン」は未だに読めないでいます。


そんな私なんですが、
ここの評価を読んで、とりあえず読んでみたい!と思って、
近くのレンタル店で借りて読みました。

とりあえず、「夕凪の街」の感想のみ失礼します。


小学校の修学旅行は広島で、
原爆ドームも平和記念館も平和の子の像も行ったのを思い出します。

原爆後遺症というのは、言葉では知っていましたが、
どんなものかまで、知りませんでした。

ほかの方もおっしゃっていますが、
ライトな絵柄だけど、内容は重い。
読み始めは進んでいきやすいけど、読み進めるとどんどん辛くなる。
幸せになることに罪悪感を感じる主人公は、井上ひさしさんの「父と暮せば」を最初浮かべましたが、
結末があまりにつらい。
寝たきりになり、見舞いを受け、吐血を繰り返し、目が見えなくなり、死を待つのみ
ここの流れは、読んでいてつらい。

ただ、独特のかわいらしさと、
そこまで悲惨な描写を感じなかったので(私の感想ですけどね)
「戦争作品が苦手」と思う方にも、ぜひとも読んでいただきたいと思う作品です。

きっと、何か感じるものがあると思います。


あと余談ですが、
「お富さん」の選曲が、なかなかうまいなと思いました。
「そこそこ昔」の曲ではあるのだけど、戦時中の曲ではなく、
時代を反映するにわかりやすい選曲なのかなと。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-09 23:20:02] [修正:2011-01-09 23:20:02] [このレビューのURL]

Cookie連載の四コマ作品であり、
世界は結構シュール。
少女漫画の絵ですけど、
少女漫画というくくりの世界ではない(笑)。

一般的に通ずる笑いなのかはわからないけど、
この世界は個人的にとても好き。
Cookieを読む際は一番最初に目を通すほど好きな漫画です(笑)

広く勧められる漫画ではないと思いますが、
「シュールな笑いが好き」
って人は、一度読んで損はしないと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-12-26 00:35:51] [修正:2011-12-26 00:35:51] [このレビューのURL]

中学の時、図書室の本棚に手塚作品が置いてあって、
「ブラックジャック」や「火の鳥」などはカウンター内の漫画コーナーに置いてあったんですが、
この「メトロポリス」は普通の本棚の間にひっそり入っていました。

そこで読んだのが初めてです。

個人的に、手塚作品で一番好きな作品ならこれをあげると思う。
周りにも「え?」と聞き返されますが、こればかりは好みなのでしょうがない。(笑)
読んだ時、SF作品描いてみたい!と思ったほどだったんで。(笑) 無謀すぎますね。(笑)


何も考えずにこの作品を読んでほしいと思う。
そのほうがたぶん楽しめると思うから。

漫画が発表された年が1949年。
この年にこの世界を描いたことだけでもすごいと思う。
この漫画に対する評価が高いのは、この気持ちと、自分の思い出基準ですかね。


このメトロポリスは、後年手塚作品を代表する作品となる鉄腕アトムとも世界が近いところがありますが、

メトロポリスの主人公・ミッチイ、
公式サイトによれば

「ミッチイ自身もアトムの母親役で『鉄腕アトム』シリーズに登場したりもします」

「なお、彼女はアトムの原型となったばかりか、『リボンの騎士』のサファイヤのモデルともなりました」

とのことで
(http://tezukaosamu.net/jp/character/746.html)

いや、すごいよミッチイ。

と、その一言でした。

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[投稿:2011-08-26 23:14:28] [修正:2011-08-26 23:14:28] [このレビューのURL]

NANAがメディアブレイクした時、
奈々は翠のようであり、
ナナは実果子のようである、とテレビで評している人がいた。

その時「天ない」も「ご近所」も読んだことがなかったので、
「ほう、そうなのか」とただ単に思っていたんですが、
今思えば、
翠は奈々ではないし、
実果子はナナではない。
読んだ人の大方はそう思うのではないかと思うのですが……


「天使なんかじゃない」は、
たぶん、今の矢沢あいは描けない作品なんじゃないかと思う。

高校の三年間を生徒会で過ごした主人公とその仲間たちの物語は、
少女漫画らしくピュアで、
読んでいて気持ちがよくなるほどまっすぐで。
今のりぼんでも違う作風なんだろうなあ。

個人的にこの頃の矢沢あいの画風はとても好き。


こんな高校生活を過ごす人ってそんなにいないと思うけど、
「こんな高校生活を過ごしたい(過ごしたかった)」と思える、
典型的な少女漫画として楽しめる作品だと思っています。
そういう作品って貴重じゃないかと個人的に思ったりする。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-06-14 13:43:11] [修正:2011-06-14 13:43:11] [このレビューのURL]

愛蔵版で「Deep Clear」が出たので、
これを機会に読み返してみました。

初めて読んだのは、中学に上がる頃ぐらいで、
ちょうど紗南と同年代でした。
連載終わって数年たったころですが。
10年ほど前です。


まあ、少女漫画(りぼん漫画)なので、
目のキラキラとか、少女漫画タッチのイラストでは当然あり、
そこに違和感がなければ、
まず年代問わず読んでみろ、と私なら言います。

というのも、
コミックを買って読んでいたあの時と現在とで、読み方がだいぶ変わってくるんですよね。
母もこの漫画のリピーターでしたが、今の私は、たぶん母と同じような観点で読んでいるのだろうな、とも思います。

たぶん、年齢が上がるにつれて、
いろんな経験とか感情とかを超えて、
あの時以上に、作品に入り込みやすくなったのかなと。

あの時は、暗さよりも明るさのパートのほうが好きでしたが(なので後半ほど「???」となった覚えあり^^;)
今は暗さのパートもしっかり感情移入して読んでしまっていました。


私はRMCしか持ってませんが、
一巻の四コマ、ハヤガー、「いけいけ!かれんちゃん」(藤井みほなさんの漫画)との合作、「とげとげのたまご」と、番外を読むのも楽しかったですね。「かれんちゃん」までは笑いながら楽しめる感じです。


私にとって、読み返しても楽しめたので、
「何度も読み返してしまうような」作品だったと言えるので、8点とさせていただきました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-09 22:37:28] [修正:2011-01-09 22:37:28] [このレビューのURL]

漫画読んで泣くなんて、基本的にはない人間なんですが、
この漫画読んで、正直泣く場面が何回かありました。
第一話の時点でダメでしたからね。^^;

私は学生卒業して数年たちますが、
社会人にも当てはめることが出来るんじゃないかなあと思うんですよね。
先生は上司に当てはめて、
先輩は教えてくれる人に当てはめて、
大介や陽万里などは身近で応援してくれる人に当てはめて。

ある程度厳しい環境で、
だけど周りにはいい人もいて、という環境だったからそう思ったのかもしれませんが。^^ゞ


ブラスバンドに限らず、学生時代に何かしら部活動をした人や、
何か、頑張ってることをしていると自分で思える人は、
一回読んでたぶん損はしないと思います。


現在六巻まで読みましたが、
つばさと大介が恋愛方向に転ぶところが想像できないですね。

どう展開していくのかも楽しみです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-21 09:38:07] [修正:2011-09-21 09:38:07] [このレビューのURL]

水沢めぐみの初期作。

水沢めぐみの作品を次作「姫ちゃんのリボン」以降しか知らない人は、
読んでたぶん印象が違うと思ってもおかしくないと思う。

既存するご意見と一緒のようになりますが、
「チャイム」までと「姫ちゃん」以降で、作風が結構大きく変わるんですよね。
姫ちゃんの大ヒットでその後の水沢さんの作風は確かに幼児化したと思います。


この作品の特徴は、中学三年生の一年間を、友情と恋愛を軸に描いたもので、少女漫画の典型的パターンでもあると思うのですが、
近年の少女漫画で見られなくなった作風でもあるので、逆に新鮮に感じるところもあります。

親友が好きな人と同じ人を好きになった主人公の苦悩が中心で、
起承転結がはっきりしているので、読みやすい作品であると思います。
主人公の大事にする写真のエピソードも好印象。


水沢作品を読むなら、ぜひ一度読んでもらいたい作品でもあります。



余談。

そんな私は、主人公・朝子の妹である、1988年生まれのももりん(生後数ヵ月の赤ちゃん)と同い年でした。(笑)
最初に見た時はちょっと笑ってしまった。(笑)
でも、朝子たちは1974年から1975年生まれなんですものね。そりゃそうか、と納得してしまいました。(笑)

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-08-31 22:19:03] [修正:2011-08-31 22:19:03] [このレビューのURL]

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